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映研部!! [ホラー]

作者: 綾瀬えみ

「これは、前の学校の友達から聞いた話なんだけど...」

「待って、ストーップ!!もうこの時点で怖いよー!」

首を横に振りながら唯華が叫ぶ。

今は5月。隼との出会いから約1ヶ月後。映研部は、相変わらず私と隼の2人しか部員が集まらず、部を新設できずにいた。

暇をもて余した私と隼と唯華は、もうすぐ夏だし怖い話をしようという隼の提案により、放課後、教室で怖い話をしていた。

まずは、隼から話始めたのだが、怖い話が大の苦手の唯華が、今にも泣き出しそうだ。

「ちょっと、唯華ー。まだ俺、話し始めて無いんだけどー。」

「だってー...」

ノリノリで話し始めた隼が不服そうに言う。

「まぁまぁ、唯華。聞いてみたらそんな怖くないかもよ?」

私の言葉に唯華は小さくうなずく。それを確認した隼は、楽しそうに口を開いた。

「これは前の学校の友達から聞いた話なんだけど...」


この話はその友達のいとこの体験なんだ。

そのいとこは女の子で、中学生。えっと仮にAさんとしようか。

Aさんは、その日期末テスト前で夜遅くまで勉強していたんだ。

Aさんの部屋からは、ちょうどトイレが見えるんだけど、その日は、そのトイレのドアが少し開いていたんだ。

Aさんは、気になったけどテスト前で切羽詰まってたから無視して勉強を続けたんだ。

でも、勉強しているうちにそのトイレのドアの隙間から目線を感じる気がして、トイレの中を見に行ったんだ。

そうしたらそのトイレの中には、白い服を着た血だらけの女が...


「ギャー!!」

隼の話が終わった瞬間に唯華が叫ぶ。

隼はニコニコして、

「面白かった?」

と尋ねてきた。

「じゃあ、次は唯華の番だね。」

隼がそう言うと、唯華は落ち着きを取り戻し、話し始めた。

「これは、私の友達の体験なんだけど...」


これは、私の友達の体験なんだけど、その友達、Bさんはバスケ部なのね。

Bさんが1年生の時、部活が終わった後、1人で片付けをしていたの。

片付けてる時は、全然異変なんてなかったの。

でも、片付け終わって鍵を閉めて帰ろうとした時、誰もいない準備室からボールが跳ねる音が...


「どう?」

自信満々にこちらを見る唯華に私たちは顔を見合わせる。

「ありきたりだね。」

「王道ね。」

私たちの率直な感想に唯華は「えー。」と口をとがらせる。

「次は花音の番だよ!」

隼にそう言われ、私はうなずく。

「これは私の体験なんだけど...」


私は4月に隼と出会い、映研部に入ることを決意しました。

でも、今は5月。


私はそこで一旦話を区切り、隼の顔をまっすぐ見る。

「私たち映研部は、まだ部員が2人しかいないのです!!」

「怖っ!!」

隼の声が夕暮れ時の教室に響き渡った。






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