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刀憎斬  作者: 緑 じぃ
1/2

決意

「はぁーつまんねぇ」

中学3年生になって、部活の最後の夏の大会も終わった。

毎日毎日同じ時間に登校して、同じ時間に帰る。

俺はその日々が、退屈だった。

「おーい、起きろ授業中だぞー」

授業なんか、受ける気にもならなかった。

他の奴らは、大体が自分の進路を決めていて、受験勉強を頑張っていた。

俺は、仲のいい友達は少なく行きたい高校も特に考えていなかった。

「起立、気をつけ、礼」

「さようならー」

今日の学校も、退屈なまま終わった。

家に帰ったら、すぐに自分の部屋に行き、ゲームをしていた。

「ただいまー」

母親が帰ってきた。

「今から買い物行くけど、いっしょに行くね?」

「どこに行くと?」

「そこのスーパーにいくばい」

ちょうど買いたい物もあるし、付いていくか。

「じゃあ、いく」

車にのってスーパーに移動する。

「朝もニュースでみたんだけどさ、最近増えてない?」

「怪物のこと?」

「そうそう。こっちで出ないか心配でさー」

「大丈夫だろ。ここ田舎やし」

怪物は、5年前くらいから日本で突如現れ、時間が経つと消える謎の生物のこと。

最近は、怪物が出て来る回数も全国で多くなり、1ヶ月に1〜2回はニュースで報道されていた。被害も大きくなっていて、死亡者も出ている。特に、街中で出て来ることが多く、人が少ない田舎には出て来ていることは、少なかった。怪物はいろいろな姿をしていて、大きいもので20メートル以上は出ている。

「よし着いたよ」

スーパーに着いた。

優時(ゆうじ)シャンプー切れてたから取ってきて」

「わかったー」

洗髪剤が並んでいる所に、シャンプーを取りに行き

「あったあった」

シャンプーを見つけて、手に取ろうとした瞬間


ゾッッ…


なんか今、寒気がしたような…

「きゃぁぁぁぁぁぁぁ」

スーパーの奥から、大勢の悲鳴がきこえる。

急いで、通路のに出て奥を見てみると

「グォォォォォォォォ」

そこには、禍々しい姿をした四足歩行で5メートルはある怪物が頭に響くほどの雄叫びを上げていた。耳を塞いでも、頭に響いてくるほどの大きな声だ。

(早くこのスーパーから出ないと…)

俺は、とっさに逃げようとしたが、奥に母親がいることに気がついた。でも、奥にいる人達は、みんな倒れている。

そして、化物は静かになったが、俺の方を見て目が合った瞬間にこっちに向かって来る。

「まじかよ…」

全速力で、出口に走り、出た瞬間後ろを向くと、怪物が目の前にいて、前足を上げていた。

(あ、死んだ)

と思った瞬間。俺の体は宙に浮いた。

横に女の人がいた。そして、スーパーの裏に着地したら

「ハァハァ、君が伊藤優時(いとうゆうじ)君だよね?」

「え、あっはい」

急に知らない女の人が、自分の名前を知っていて、宙にも浮いて助けられて、頭が混乱して言葉が出なかった。

髪型はポニーテールにしていて、綺麗で俺と同じくらいの歳の女の人で、腰に刀を下げていた。

(どこから、この人は出て来たんだ?出口に走っていたのは、俺一人だったし他に人はいなかったと思うが)

「はぁーー良かった〜間に合って」

「なんで、俺の名前を知っているんですか?」

ドォン、ドォン

「それは、後から教えるね」

怪物がこちらに、突進して来ている!

「ちょっとあっちに行きなさい!」

ボォン

刀の鞘を抜かずに、バットみたいに持って怪物を飛ばした。でも、まだ怪物は生きている。

「優時君、君は"選ばれた人間"なんだよ」

「"選ばれた人間"?」

「グォォォォォォォ」

ドォン、ドォン

怪物が起き上がり、また突進をして来ている!

「あーもう!早いって!とにかく!今は説明してる、暇はないから!君にあの"憎塊(ぞうかい)"を殺して欲しいの!」

(憎塊?あの怪物のことか?)

「無理だろ!どうやって、あんな怪物を殺すんだよ!俺はあんたみたいに刀も、持ってないんだぞ!」

「君の刀も用意してあるから!はい、これ!」

女の人は、もう一本背負っていた刀を俺に渡して来た。

その刀は、女の人の刀みたいに、模様が入ってなく色も付いていない刀だった。

「いや…はい、これ!って言われても、無理だろ…」

「いいから!ここで君がやらないと、みんな死んじゃうよ」

怪物は、すぐそこまで来ている。

(お前がやればいいだろ…)

「わかったよ!やればいいんだろ!」

俺は刀を手に取って!怪物の方を向くと、怪物は、もう近くまで来ていた。

刀は、ずっしりとした重みがあった。

(やべぇ…やっぱ怖ぇぇ…でも、俺がやるしかない!この女の人は、本当にやってくれなさそうだからな)

刀の鞘を抜いた瞬間、自分の服装が変わり刀にも模様が付いた。

(なんだこれ!?変身したの?)

怪物が目の前にきている。俺は目を閉じて前進しながら、刀を縦に振った。

目を開けると前に怪物がいない。後ろを振り向くと怪物が真っ二つに斬れていた。そして、怪物は煙のように消えた。

「まじかよ、俺がやったのか」








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