第五話 薔薇束読音
私は薔薇束読音。一応、薔薇束財閥のお嬢様ですわ。私は現在、異能に覚醒してとある異能者を管理する学園に通っていますの。
一部の方は既にご存知かと思われますが……私は大の男嫌いです。こうなるに至った経緯に両親が関わっていてそれが私が異能に覚醒したきっかけとなりました。
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私の父は代々続く薔薇束財閥を祖父から継いでいまして、母はとても美しい漫画家でした。幼い頃の私は母の職業柄か一緒にアニメなどを鑑賞したりすることにより、いつの頃からか私は自分がコスプレをしたり、アニメのイベントに参加したりする程に漫画やアニメなどが好きとなっていました。ここまでは幸せでしたわ……
幼かった私は時が経ち、成長すれば知らなくても良かったことまで知ってしまうこととなりました。それは両親の秘密でした。母は表向きは少女漫画家として活動していましたが、もう一つの裏の顔がありました。その裏の顔とはBL作家だったのです。いいえ……あれはもうBLなんてレベルではありませんでしたわ……
両親の秘密……と言うことは、もちろん母だけではなく、父にも秘密がありました。正確には父の秘密と言うより、こちらも母が関わっているのですが……
まぁ父の秘密……それは……母の裏の作品作りのために色々な男たちと絡み合わされる……というものでした。父はずっと泣いていました。私は母に新調したコスプレ衣装を見せようと母の部屋に入って、偶然にもその現場を覗くこととなってしまいました……あぁ、思い出すだけでもトラウマものですわ……
そして、現場に落ちていた母の原稿を思わず口に出して読んだことによりコスプレしたキャラの能力を完全にコピーすることが出来るという異能に覚醒したのですわ。その後は記憶を消せる能力を持つキャラの能力で関係者の記憶は全て消させていただきましたが。
父は普段から母の尻に敷かれてはいましたが、あのようなことまでさせられていたとは夢にも思いませんでしたわ。まぁこの出来事により私は大の男嫌いになりましたの。ご理解いただけまして?
あ、それと私が絵砂を愛している理由ですの?私がこちらに転校してきてから先程の両親の件で落ち込んでいる時、ずっと私を支えてくれましたの。それと私の好きなキャラに少し似ているところもあるから……でしょうか。
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薔薇束読音
コスプレしたキャラクターの能力を完全にコピーできる能力。能力発動条件はBL本の音読。トラウマにより大の男嫌い。女の子が好き。舞園絵砂を愛している。