第四話 廃絶爆
僕の名前は廃絶爆。身長は長身で髪もサラサラヘアー。学園での成績は優秀でトップクラスにしてスポーツも万能。そして超絶な程に完璧なイケメン。それが僕、廃絶爆なのさ。
僕がとある事件をきっかけにして異能に覚醒し、異能者を管理するこの学園に来たのは言うまでもない。というか、何なのだ! このフザケた能力は!
失敬、少しばかり取り乱してしまったようだ。僕の能力は多少強すぎてね。ちょっとしたことで暴発しかねないのだよ。この学園に来たのは能力の制御を学ぶため。暴発さえしなければ誰にも能力を知られることはない。つまり僕は完璧な超絶イケメンでいることが出来るのだよ。
まぁそれはさておき、僕が能力に覚醒した事件のことである。
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「な、なんなんだ! 一体僕が何をしたというのだ!」
廃絶爆は走っていた。それは見えない何かから逃げるかのように。
「ぼ、僕が完璧すぎるからなのか!? 僕が命を狙われるとしたら、この僕に嫉妬している奴に違いない!」
廃絶爆がこうして何かから逃げるのは今回が初めてではなかった。それはもう何度も何度も同じことが繰り返されていた。
「は、はは……完璧すぎるのも罪なものだ……しかし……なぜ、こう毎回同じ手口で狙いにくるんだ……」
廃絶爆は考えていた。誰が自分を狙っているのかを……しかし心当たりが多すぎたのか、結局犯人に目星はつかなかった。
「あぁ、多くの人類に嫉妬させる僕の完璧さ……なんて素晴らしいんだ。だが……いくら人間が最も油断する瞬間とは言え、毎度毎度トイレに行く瞬間を狙って爆破してくるとは……恐ろしい奴だ」
そう、廃絶爆は毎度トイレにて爆破させられ、その爆発から逃げているのである。
「さ、さすがに手口がわかっていても、トイレを使わないわけにはいかない……クソッ! 卑劣な奴めっ!」
この連続でトイレが爆発する事件。結局犯人は捕まらず、後に連続トイレ爆破事件と世間に知られ迷宮入りすることとなる。
「こうなったら……自宅のトイレを使うしかない! さすがに僕の自宅のトイレにまでは侵入していないだろう!」
廃絶爆は落ち着いてトイレに行きたかった。外出先では必ずと言っていいほどに爆発に巻き込まれる。そして自宅へと帰り、何故か自宅だからと完全に油断した廃絶爆は自宅のトイレの爆発に巻き込まれ、気絶した状態で瓦礫の中から救出された。この時に運び込まれた病院で異能に覚醒していることが判明し、異能者学園へと行くことになった。
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廃絶爆
排泄物を爆発物に変換する能力。能力の発動条件は排泄行為。起爆方法は自分を褒めること。