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枕の下に 希望の上に(6)

ペダルとブレーキ

潰れる音がしても

耳を塞いで

通り過ぎればいい

誰も気にしない

人は気にしない

自転車で走る僕も

通り過ぎればいいと思っている

そこで何が潰れようと

たとえ

潰れてはいけない物だったとしても

誰も気にしない

人は気にしない




それで良いのかもしれない

無頓着とは

ある意味で傲慢だけれど

傲慢でなければ

生きてはいけない

自分の耳は自分の為に使います

そうなったとて

仕方ない事だろう

手当たり次第に聞いていたら

追いつけない

僕らの周りは溢れ過ぎている




自転車のブレーキ音

赤信号で止まる

冷たいから

透き通っているように感じる

空気を吸う

周りは見ずに

前だけを見ている

青信号のスタート

隣を

車が走り過ぎて行く

排気ガスですら

僕は気にしない

無頓着に

進んでいるのだ




都会は田舎を

ゴミ捨て場のように扱い

物を捨てて行くのだが

田舎も都会を

ゴミ捨て場のように扱い

人を捨てて行くのだ

あの中では暮らせない人

あの中では夢の叶わぬ人

あの中で上手くいかない人を

そうやって

都会へ捨てているのだ

持ちつ持たれつなのだと

気がついた時には

どちらも同じに見えた

どちらも人の集団だ




シャッター商店街を

自転車で通る

人なんか疎らで

避ける必要すら無い真昼

風に吹かれて

シャッターが啜り泣いてる

無意味なアーケード

手押し車のお婆さんとすれ違う

暖かそうなニット帽

丸まった背中が

最後まで

見えている人みたいだ




自転車のブレーキ音

赤信号で止まる

寒いから

白く色づいた

空気を吐く

欲しかった物は

手に入った

青信号のスタート

隣を

車が走り過ぎて行く

楽しそうな家族が

楽しそうに通り過ぎた

これから先も

そうあれば良い

無頓着に

進む事無く





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