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真っ赤になって固まった彼に、やり過ぎたかな~と、ちょっと反省していたら、彼が唐突に立ち上がった。


「あの、コーヒーを入れるので休憩しましょう」


そのままキッチンまでスタスタと歩いていってしまった。でも、耳が真っ赤なのは後ろからでもまるわかり。


本当にかわいい人なんだと思いながら、私もキッチンに行った。ここを最初に片付けたのか、表に出ているものはあまりない。・・・って、コーヒーメーカーがある事に驚いた。もしかして、和食より洋食好きとか?オーブントースターも良い物みたいだし。


そんなことを考えていたら、彼がハッとしたように私の方を見て訊いてきた。


「間宮さんはコーヒーを飲めますか」

「ええ。何でも飲めるわよ」


そう答えたら、ふわりと微笑まれた。


「では、コーヒーで」


・・・だから、可愛いんだってば!もう、本気で押し倒してやろうかしら。


コーヒーをマグカップに入れて、ソファー(うちにはないけど本当にあったよ)に移動した。一人掛けのソファーに座ろうとしたら、二人掛けの方を勧められた。なので、素直に座った。彼は一人掛けのソファーに座ったけど。


一口コーヒーを飲んでやっぱりコーヒーにこだわりがあるのかと思った。


「あの、間宮さん」


彼が真剣な目をして話しかけてきた。この様子はカッコいいよね。


「なあ~に?」


ニコリと返したら、また頬が赤くなる彼。・・・これよ。カッコいいのにカワイイなんて反則よ。


「えーと、少し話を聞いて貰ってもいいですか」

「もちろんよ」


私が即答したら彼は目を見開いたけど、直ぐに表情を戻した。


「その、私は小さい頃からこの容姿でしたので、女の子に騒がれていました」

「そうでしょうね」


想像はついたので素直に口にしたら、彼の眉がハの字下がった。・・・器用だな。


「それで、女の子ってパワーが凄いですよね」


ん?これは?


「小学生のころからバレンタインになるとチョコレートを渡してくれるのですが、つき合えるとは思ってないとか言いながら期待した目で見てくるし、他の女の子の足を引っ張る行為をするし」


・・・?これは自慢なの。それとも女の子は怖いって話?


「中学、高校と進む内に女の子達も進化して、私にギラギラした目で迫ってくるようになりまして・・・」


まあねえ、これだけのイケメンがそばにいたら狙うでしょうね。


「私の友達は私の性格を知っていたから、うまく壁になってくれてました」


そうか、いい男友達がいたのね。


「そんな中に控えめな女の子がいまして、いいなと思いつき合うことになりました」


その子って・・・。


「ですが、付き合いだしたら周りに対するアピールだと言って、ベタベタ触ってくるようになりました」


あー、やっぱり作っていたか。でも、自慢と独占欲が出たのね。


「私は人前でそのような行為はしたくなくて、そう言ったらなんか違うと言われて別れることになりました」


だろうね。・・・ん?それだけで別れたの。


「ねえ、その別れた彼女と、どういったデートをしたの?」

「えーと、高校生らしく図書館に行ったりとか、映画も一度行きましたけど、そんな感じです」


なんか見えたけど・・・確認した方がいいかな?


「それなら、手を繋いだり、腕を組んだり、キスをしたりしたのでしょう」

「そんな・・・高校生でそんなこと・・・」


もうね、答えを聞かなくてもその顔を見ればわかるわよ。真っ赤よ、真っ赤。どんだけ奥手よ。それに多分高校を卒業して10年以上経っているわよね。なのに未だにこれなの?


「大学の時も付き合った人はいましたけど、大概思っていたのと違うと言われて別れました」

「ちなみにどういった付き合いをしていたのか聞いてもいい?」


その言葉に赤みが引いてきていたのに、また真っ赤になる彼。何を思い出したのかな?



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