第五話 ブチ切れる火炎
テンプレ！テンプレ！！
「お前がファイヤーレッド、、、お前の、、、、
お前のせいで美琴はーーーッ！！！！」
天野が俺に向かい、叫びながら殴りかかってくる
が、あまりにも遅い刻印が見える拳を俺は左手で
受け止め、天野の股間に膝蹴りを見舞う。
グシャっとした感触が俺の右膝に伝わる。
（あっ、潰れたかな？ま、別にいっか、、、。）
「ッ！ッ！ッアア！！」
天野が声にならない叫び声をあげ崩れ落ちる。
俺は一歩下がり、天野の左肩を蹴り飛ばす。
左肩が砕け、五メートルほど転がっていった天野
に向かい歩き始めると背後から、
「待ってくれっ！赤月君っ！」
葉山が俺をとめようと声を上げたが、俺は歩みを
止めずに振り返り葉山に言う。
「待つ理由が無い。俺の正体が解って殴りかかっ
てきたんだ。コイツは帝国信者だろ？」
［帝国信者 銀河帝国の侵略を受け入れその傘下
につき、さまざまな非道を犯した裏切り者達。］
俺は天野の前にたどり着きとどめを刺そうと拳を
握りしめた。拳を振り下ろそうとしたその時、
「違うっ！達也は帝国信者じゃないっ！」
葉山の言葉が俺の拳を止める。俺が止まると葉山
と葉山（妹）が天野に駆け寄る。葉山（妹）が、
天野を支えるように寄り添う。葉山は二人を背に
俺の前に立っている。俺は彼等に尋ねる、
「帝国信者でないなら、なぜコイツは俺に殴りか
かってきたんだ？」
俺の問いに対し葉山は、
背の二人を振り返り天野を見た後俺に向き直り、
言いづらそうに俺に答えた。
「それは達也の妹の美琴ちゃんが、、、、、
君と銀河帝国の戦いに巻き込まれて重傷をおった
んだ。崩れてきた瓦礫で右脚が潰れてしまって、
もう二度と立って歩くことは出来ない、、、。」
場が沈黙に凍り付く。俺は静寂を破るように、
「それは確かに気の毒だが俺を恨むのは少し違う
だろ？悪いのは侵略してきた帝国であって、俺は
それに必死に抵抗しただけだ、、、、、、、。
俺一人で全てを守れるほど俺は強くない、、。」
俺の口から言い訳めいた言葉がもれる、、、、。
俺は葉山（妹）に支えられた天野に目を向ける。
天野の恨みがこもった視線と、葉山（妹）の俺を
批難するような視線の二つが俺の視線とぶつかる
「だが、お前の妹が重傷を負った時、お前は何を
していたんだ？帝国が攻めて来たら一般市民は、
避難場所に誘導されるはずだろ？妹のそばにいた
はずだろ？避難場所で家族を探さなかったのか？
お前にだって妹を守る事は出来たはずだ、、。」
「あの日、その、達也と優奈は、えーーと、町に
いなかったんだ、、、。そのぉ、他県の、、、、
遊園地に、行ってたんだ、、、、。それに、、、
美琴ちゃんも、、、避難場所にいってないんだ。
ライブハウスに、行ってた、みたいなんだ、、。
盛り上がってて、サイレンにも、気づかず。」
葉山がしどろもどろになりながら説明した。
天野と葉山（妹）が俺から目をそらした、、、。
ブチッ！！俺の頭の中の何かが切れた、、、、。
「ハアッ！？何だそれはっ！！？自分達は楽しく
デート！！妹はある意味自業自得！！それでよく
俺に対し殴りかかってこれたなっ！！！」
俺が二人に詰め寄ろうとすると葉山が俺をとめよ
うと立ちはだかり、いつの間にか俺の後ろに来て
いた川田が俺を羽交い絞めにする。
「落ち着けっ！赤月！！」
川田が俺に言うが、
「うるさいっ！はなせっ！はなせよっ！！！」
振りほどこうと暴れる俺を川田は必死で抑えよう
とし、葉山が俺の腰にしがみついてきた。
「なんで俺がこんな奴等に責められんだっ！！！
俺はたった一人でいつも何百何千の敵と戦って、
傷だらけになっても戦いぬいた！自分から望んで
力を得たわけでもないっ！！でも俺が戦わないと
地球が奴等に踏みにじられる！！お前らは、俺の
戦隊が四人だと思ってんだろっ！ちげーよっ！！
本当は五人だよっ！一人は戦う前に逝ったよっ！
他の三人は最初の戦闘で戦闘員相手に無双したが
怪人にボロボロにされた！それ以来戦わねえっ！
青はお前らも知ってんだろ！？美人局に会った時
に一般人相手にガンソードで撃退！！！そっから
正体がばれて暗殺された！！黄色はペットに逃げ
られて、その犬が帝国につかまり怪人に、、、。
俺にとどめを刺された犬を後追い自殺、、、、。
でも犬めっちゃ安らかな顔で逝ったよ、、、、。
あいつは自分のペットにも嫌われてたんだよっ！
緑も最悪だ、、、。俺が一人で戦っていたから、
まだ生きてるはずなのに戦わない緑に世間の非難
が集中、、、、。それが嫌だったんだろ、、、。
昔のアニメにでも影響されたんだろうが、、、。
あんなバカな真似をして死んだ、、、、、、、。
ふざけんなっ！！必死で戦う俺を馬鹿にしてんの
かっ！！あんな下手くそな歌で何が変わるっ！？
敵が巨大化しても俺は戦闘機だけ、、、、、、。
ろくな攻撃方法もなく紙装甲、、、、、、、、。
一撃でももらえば死亡確定、、、、、、、、、。
俺がどんだけ神経をすり減らしながらチマチマと
削っていたかお前らに解るか、、、、、、、、？
合体ロボを手に入れるため命がけの特訓、、、。
ボロボロになった体で火山に飛び込めってさ、。
なんで俺生きてんだろっておもうよ、、、、、。
それでも俺は戦って！戦い抜いたっ！！！
地球を守った！守り抜いたんだっ！！！！
そんな俺を何もしなかったお前がどうして批難
できるんだっ！？答えろっ！！！！」
ハアッハアッハア、、、、、、、、、、。
あまりの悔しさに俺の目から涙が零れた、、、。
そろそろ週２，３回の更新になります。
