第二話 帰ってきた日常。(あれっ?)
戦いが終わってから一週間がたった。
俺は放課後の教室で、課題のプリントと
唸りながらにらめっこしている。
「うーん、さっぱりわからん!ハッハッハ!」
隣で同じことをしている柔道部の
[川田 大吾]が豪快に笑う。俺の補習仲間だ。
別に川田は、頭が悪いから補習を受けている訳
ではない。出席日数が足りないのだ。
川田は学校をよく休んでいたらしい。
体が丈夫な川田が、そうしょっちゅう病気に
かかる訳がないと、教師達は川田が非行に
はしりサボっていたと疑っている。
しかし、そうではない。
俺は理由を知っている。
川田は自衛団に参加していたんだ。
自衛団は銀河帝国の侵略に抵抗するために、
世界各地に存在する民間団体だ。
有事のさい、俺が到着するまで怪人や戦闘員の
足止めをしたり、一般人の避難を誘導したり、
怪人が現れたときに、日本各地で現れた場所を
解りやすく放送したりと、
(俺の正体はバレてなかったけどやっぱり、
日本人だとはわかってたみたいだ。
俺に情報を伝えるために世界各地の
人々が情報を共有して発信してくれたんだ。)
自分達でできることで協力してくれた。
彼等のような人達がいたから、
俺は一人でも戦えた、一人じゃないと思えたんだ。
俺は川田と親しい訳ではないが、
できればちゃんと友達になりたいとおもっている。
外見は185センチぐらいの巨体で顔もいかついが、
見ていて気持ちいい奴だ。
面倒見もいいみたいで、柔道部の後輩達にも
慕われているらしい。ふう、でも今は課題が先だ。
二人でプリントとにらめっこしていると、
「赤月君も、川田君も、みつめているだけじゃあ
課題はおわらないよ。もう、仕方ないなー、
今どこをやってるんだい?」
と声をかけてきてプリントを覗き込んでくる。
「うん、この範囲ならここからここを見れば
なんとかできるでしょ?」
彼は自分のカバンからノートを取出し
俺達の前に開いて置いてくれた。
「「ありがとうございます。葉山さま!!」」
俺と川田の声がハモった。
俺達の前に現れた救世主の名前は
[葉山 優二]見た目は小柄で160センチぐらい、
顔は女顔で美少年というより髪を伸ばせば美少女だ。
つうか、双子の妹がいるが髪型と制服以外で
俺には見分けがつかん。
しかし、俺達を助けてくれるヒーローだ!!
誰よりもカッコいいヒーローだ!!!
「はは、ふたりとも大げさだなー。」
葉山が苦笑していると教室のドアがひらいた。
「優君ここにいたんだー、迎えにきたよー。」
葉山の妹の[葉山 優奈]とその彼氏の
[天野 達也]が教室に入ってきた。
葉山(妹)は黒髪ロングの美少女だ。あっ、
髪型以外でも見分けついたわ、
体型が違う胸は大きすぎず小さくもない、
Cぐらいかな?腰は細くお尻は小振りの
大和撫子なプリティガールだ。
天野はイケメンだ。二人は隣のクラスでつきあい
もないから詳しく知らん。
「優二、いつまで待たせる気だ?今日は美琴の
見舞いに行く日だ。あいつもお前を待っているんだぞ。
そんな落ちこぼれ達に構ってないでさっさと行くぞ。」
ハイ、コイツ、ヤナヤツデシタ。
「ごめん、ごめん今いくよ。赤月君、川田君、
ごめんね。達也も悪い奴じゃないんだ。」
俺達に謝り葉山が二人の方に向かおうとしたとき、
ピカーーーーーーーーーーー!!!
突如教室が光に包まれた。
(えっ、えっいったい何コレ?)
俺は思わず目を閉じた。
しばらくして光がおさまったみたいだ。
俺はゆっくり目をひらいた。するとそこには、
「「「「召喚が成功したぞ!!
ようこそ勇者様がた!!」」」」
眼前にファンタジーな光景が広がった。
「えっ、えーーーーーーーー!!!?」
さようなら日常、こんにちわ非日常、、、
ちくしょーーーーーーー!!!!!!!