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Do you like dog?  作者: tomato
2/8

犬の子供の数はすごい

人物紹介回特に覚えなくてもいいです。


今日は魔法もどきについて再度確認しようと思う。


魔法もどき、正確には精霊具?まあ名前はともかく、とにかくそれは簡単で面白かった、まあ俺は年齢不十分でやらせてもらえなかったが。


精霊語というものがあってそれを何かに書き込むことによって言葉が事実となるらしい。


例えば「火」と書いたら火がつくわけだが欠点は使ったら物にもよるけどすぐ壊れることぐらいだな。


この字も親父殿に教えてもらったが難しくてやってられん、取り敢えず狩りに必要なものだけ教えてもらった。


また親父殿は母上殿に連れて行かれたが。






考え込んでいると誰かが俺の肩を叩いてきた。


「エイン、外で遊ぼうぜー」


「ん・・・」


首肯して私の兄、三男のリースに付いて行く、彼は私たちの兄弟の中で一番鼻が効く、父譲りの黒い犬耳が途中で白くなっているのがチャームポイントの黒髪の少年だ。


「今日は何するー?」


「草原まで行こうぜー」


西の森の手前にある何もない草原に行こうと言い出したのは長男のエン群れを統率するのが得意でよくいたずらを起こしては母上殿に叱られている。

藍色の髪の毛と犬耳は遠くからでもすぐに分かる、ついでにエンにはよく撫でられる。


「えーなんもねえじゃん」


面倒くさそうに頭を手にやる次男のウォット、母方の爺様の色だったらしいゴールデンレトリバーに近い色の髪と犬耳。

優しく誰にでも手を差し伸べるかわいい奴ペタッとした犬耳が庇護欲をそそる。


「家で遊ぶのがいいわ」


メガネを押し上げて発言するのは長女のシス、頭はいいんだけど運動が不得意でよくリースにおんぶされてる。

紫色の髪と犬耳は最初どうかと思ったけどいいね!最高だよ!


「エインはどうしたい?」


次女のエヴァが私に意見を求めてくる、私と同じ桃色の髪と犬耳を持つ女の子で母上殿によく似ている。


兄たちは性格が似てなくてよかったと言っている、優しく気遣いの溢れる淑女だ。


いや母上殿に優しさや気遣いがないわけではない。


「エンがいい・・・」


「草原だってー」


「ほら見ろ!エインは俺の味方だ!」


「えーしょうがないなー」


「またあそこかー」


「ん」




「お昼になったら帰ってくるのよー」


母上殿に見送られ草原に向かうことにしました、あ、シス姉さんがコケた。











「やっと着いたわね、あー疲れた」


シス姉さんがウォット兄さんの背中から起き上がる。

まさかあの程度でバテるとは。


「お前歩いてねえじゃん・・・」


ウォット兄さんが愚痴を言いながらもシス姉さんを背負う、ツンデレ可愛いです。


「何するの?」


「そうだなーまた戦争ごっこしようぜー」


「エイン強すぎるから嫌だー」


ついでに俺は皆の中で一番すばしっこくて気配を隠すのがうまい、親父殿も気づかない程だからな、奇襲にはもってこいってやつですよ。


「そうだそうだー」


「んーじゃあ木の実取り競争は?」


「リースの無双なんて見たくねー」


俺たち全員分でもリース兄さんに勝てなかったのはいい思い出です。


「木登り競争は?長老の木に登ろうよー」


「私木に登れない・・・」


それでいいのかシス姉さん・・・


「数字で勝負しましょう、私とエインはまだ勝敗がついてないわ」


「十以上数えられねー」


それでいいのかウォット兄さん・・・


「かくれんぼ・・・」


「「「「「却下」」」」」


ひでぇ・・・














結局宝物探しになった、一番宝っぽいのを見つけたやつの勝ちだそうだ。


ルールは森の奥に行かないこと、魔物にあったらすぐに逃げること、二人一組で動くこと。


組み分けはエン兄さんと俺、ウォット兄さんとシス姉さん、リース兄さんとエヴァ姉さん。


そうして俺たちは森に入っていった、よーしお宝見つけるぞー。









高い木々は見上げても尚高い、日差しが木漏れ日となって森を明るくする。


「エイン、絶対に宝を見つけるぞ!負けたらお仕置きだからな!」


「ん・・・」


エン兄さん・・・負けたらお仕置きは酷いと思うぜ。


この間リースにをバツゲームと称して水風呂に入れて怒られたのにまだ懲りないのかい。


「・・・」


魔物が現れないとは限らないので自作した竹の棒手裏剣を袖の内側に隠している、精霊語で強化したから強いよ、木に穴開けられるから。


あ、そうだついでに言うと書き込む精霊語の容量も物によって限られている、今持ってる竹の棒手裏剣だったら二つの意味が限界。


ついでに書き込んでいるのは「直進飛行」っていうのと「貫通強化」。


「エイン!これなんかどうかな?」


地面に転がっている赤色の石を指差す。


「小さい・・・」


「そうだよなぁ~なんか宝石でも落ちてないかな」


そんなホイホイ落ちてるわけでもないだろ。


そんなことを思っているとヒラヒラと極彩色の羽が落ちてきた、虹色に光っていてとても綺麗だ。


はて・・・どうしてこんなものがここに・・・


「―――っ!」


それがどういう意味か理解したのと同じく翼が風を切り裂く音がして慌ててエン兄さんを押し倒した。


間一髪で倒れ込んだ瞬間に何かが俺たちの上を通り過ぎていった。


「な、極彩鳥!なんでこんなところに!?」


親父殿話を聞いていたからわかる、あれは極彩鳥、すごい速さで急降下して獲物を狙うんだっけ?


しかし大きい、大きさだけだったら俺の二倍はある。


「エイン、逃げよう」


「・・・」


背を向けようとするエン兄さんの背中を守るように竹の棒手裏剣を袖から抜き敵に対峙する。


「エイン、どうした?」


「こいつ早い・・・」


くそ、肝心なところでも上手く言葉を出しにくい、面倒くさいなぁ。


「ちっ、しょうがないか」


「笛・・・」


兄弟全員が持っている笛、これを使えば他の兄弟たちに緊急事態だということを伝えられる。


「分かった」


甲高い音が後方から鳴りそちらの方向を極彩鳥が見る。


「ふっ!」


その隙をついて左手に持っていた棒手裏剣を心臓に向けて投げる、親父殿に弱点は教えてもらったんだ。


「クェエエエ!」


翼で防がれるが「貫通強化」のおかげで翼を貫通する、ちっ、軌道がそれて心臓に刺さらなかった。


竹が精霊語に耐えられなくなり粉になる。


あと二本か・・・残りの自作棒手裏剣の数を確認する。


「クァアアア!」


「っ!」


飛んで突っ込んでくる、俺とエン兄さんは横に飛んでそれを逃れた。


「旋回して戻ってくるからそこをやってくれ、俺が誘導する」


「ん・・・」


自分のやる事が分かればたとえ妹であっても指示をだす、そんな兄さんは俺の好みの兄さんだ、上から物を言わないのも高得点だな。


「来るぞ!」


手近にあった石を極彩鳥に投げつけ意識を惹きつけるエン兄さん。


「・・・」


まだ、まだだ・・・極彩鳥がエン兄さんの上に伸し掛ろうとした瞬間に棒手裏剣を投げる。


こんどの精霊語は「速度倍速」の二つ重ね。

軽い音と共に極彩鳥の頭が射抜かれる。


俺は手を振りかざしたまま安堵した、胸を狙うつもりだったのに頭に飛んでった・・・手が滑ったけどエン兄さんが無事でよかったー。


「エイン?大丈夫か?」


倒れた極彩鳥を放って俺の下に駆け寄るエン兄さん。

藍色の犬耳がへたれてるのが可愛いっすね。


「どうかしたの!?」


「どうした!?」


笛の音を聞いて駆けつけたのかシス姉さんとウォット兄さんが走ってくる。





一旦草原に出て話をすることにした私たちは草原までなるべく静かに周りに注意を払いながら歩いてきた。


「―――それで魔物が襲ってきて、逃げ切れなかったから倒したんだけど、そういえばリースとエヴァは?」


「父さんを呼びに行った」


「最善だな」


「ああ、ところでその魔物はあそこに倒れてた綺麗な奴か?」


「ああ、死ぬかと思ったぜ」


そこで俺が持っていた虹色の羽をシス姉さんに見せる。


「あら極彩鳥の羽じゃない、優勝はエインとエン兄さんチームに譲らないとね」


「まだゲームするつもりだったのかよ」


「シスは呑気だなぁ」


このほんわかした雰囲気好きだわ~まさに犬!って感じで。


「お前たち大丈夫か!!」


和んでいるとものすごい形相をした親父殿が走ってやってきた、遥か遠くにリース兄さんとエヴァ姉さんが見える。


「はい大丈・・・」


「このバカどもが!」


涙目で四人をいっぺんに抱きしめる親父殿、ちょ、苦しい死ぬ・・・。


「あれほど森には入るなと言っておいただろうが」


「でも父さんも入ってるじゃないか!」


「それとこれは別だ!死んだりしたらどうしようかと・・・」


その言葉でエン兄さんの尻尾が萎れる、可愛いっすマジ可愛いっす。


「父さんエインが居なかったら俺死んでたよ」


ぬわー!余計なことを!


「エインが?エイン本当か?」


「う・・・」


「怒らないから」


「うん・・・」


首を縦に振る、怒らない・・・よね?


「説教だな」


なぜに!?


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