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Do you like dog?  作者: tomato
1/8

犬好きの始まり


貴様も同じ人類だったら分かるはずだ!


これこそがMOE!であると!


「はぁはぁ犬かわえー!」


雑誌を見る、犬が沢山!

幸福すぎる、最高だ!かわゆくてかわゆくてもう死んでもいい!


大学生の俺はアパートに住んでいるせいで犬は飼えないが将来絶対犬を飼うんだ、シベリアンハスキーとか超好きだ、この間なんてシベ見たさにシベリアまで行っちまったぜ。

戯れていたらいきなり猟師が銃を向けてきてマジびびったのは記憶に新しいな。

あの耳がピクピク動くところ、わふわふ言う鳴き声全てが至福である。


「犬になら全てを捧げてもいい」


そう思っていた自分もありました。

突然部屋全体が大きく揺れたかと思うと物凄い破砕音と共に屋根からビルが突き破ってきました。


「ぬわーーーーーーー」


一瞬で目の前が真っ暗になり何が起こったか全くわかりません、でもこれだけは言える。

犬の写真集は手放せなかった。















暗ぇ・・・どこだここ、いやマジでどこ?

瞼が自分の力で開かないぜ、どうすりゃいいんだ。

むしろ体も自分の力で動かん、マジで動かん。


仕方がない犬のことでも考えようか、可愛い犬可愛い、頭をぐしぐしすると手を舐めてきたり手に頭をこすりつけてくるのがもうたまらん、ペタ犬耳もいいがとんがってる犬耳も最高だ、撫で心地は家の中で飼ってる奴より外で飼ってる奴の方が好きだな、あのゴワゴワ感が最高だ、ただし短い毛に限る。

長い毛だったら手入れが大変そうだけどちっちゃい奴を家で飼って腹の上で載せて一緒に寝るんだ、ただし耳はペタってしてる奴に限る、あのペタってしてる耳がふわふわすんのを見るのが至福なんだ。


おっと、つらつらと考えていたらいきなり明るくなったぞ、うおまぶし!


ぼんやりとした風景が徐々に明確になり最初に見たのは人間の色とは思えない桃色の長い髪をした女性、その人は半裸に近い状態で俺を見つめている。

おいおい、そんなに見つめるなよ、俺は犬以外に見つめられても嬉しくないんだぜ。

ん?この人の頭になんか見覚えのある物が付いてる。

近づいてみてみようとするが動かない、手を動かすと小さな赤子の手見えた、え?マジで?

自分の意思と関係なく体が移動させられ、その人の近くにいく、まぁここまでで大体わかったが、まじかー。


「エイン、立派な獣人になるのですよ?」


そうおっしゃる母(多分)は頭にしっかり獣耳をつけていた。

獣人ですかー、犬耳ついてたらいいなー、と現実逃避をする俺でした。





















俺がこの世界に生まれ落ちてからまず知ったことはこの世界について。


この世界の名前はコンセード、獣人族と人族の住まう国、といっても獣人は滅多に人の前に現れない、なんでも昔獣人を奴隷にする風潮があったかららしい。


奴隷解放的なことをした俺たちのご先祖様が山の奥や秘境に隠れ住むようになってから人と獣人が積極的に関わりあうことは少なくなった。

だから今俺がいるところも深い森に囲まれている、俺の体感でも森の木は大きすぎると思うんだ。


ワンピースってレベルじゃねーぞ。

まぁ人族のなかに獣人族があまりいないだけで、獣人族の中には結構人族はいる。

あとは獣人とか魔物とかそういうのはいるけど魔法とかそういうのはなかった、残念だ、魔法っぽいのならあったが。


後は・・・


「エインは私に似て可愛いわねぇきっと将来は素敵な女の子に成長するわね」


(´;ω;`)ブワッ こんなのってないやい!





















数年が経ち俺も足を使えるようになった、まだ外の世界は窓越しからしか見れないが。

俺のこっちの世界での親父様は狩人らしくあの森に入っていろんなものを収穫してくる。


「エインできたか?」


黒い髪に黒い犬耳、少し欠けてるのが痛々しいがこれがこっちの世界での俺の父親わしゃわしゃしたいでござる。


「ん・・・」


さきほど親父殿が聞いてきたのは教えてもらった薬の作り方、これが魔法もどきの一つで傷によく効く薬だ、すり鉢の中には親父殿が用意してくれた虫やら小さな果実をすりつぶしてできたオレンジ色の練り物がある。


「言われた手順で出来たようだな、えらいぞ」


大きくてゴツイ手が俺の頭をグシャグシャと撫でる、俺の頭にもある犬耳が右に左と倒れる。


「お前はほかの兄弟と違って頭がいいな」


ほかの兄弟、実は俺には七人の兄と姉がいる、ついでに俺とは6歳差程である。


「ん・・・」


首を小さく横に振る、するとまた頭を撫でられる、ああ気持ちいい、犬の気持ちってこんなんなんだろうか。


「まあともかく、これで緊急時に必要な薬は全部教えたな、全く成長が早すぎるのもあれだな」


笑いながら俺の頭を撫でる親父殿、それはいいとして後ろに母上殿がおられますよ?


「あなた?エインにはそういうこと教えないって言ったでしょ?」


怖い、母上殿怖いです。


「いや、エインがどうしてもって言ってきたからな・・・」


「エイン?」  どうなの?


全力で首を横に振る、ここで横に振らなければ殺されると俺の全本能が伝えている。


「まったく、エインが表情を出しにくいから無理させて!」


「エル!痛い痛い耳痛い!ちぎれる!またちぎれちゃうから!」


あ゛ーーー、と断末魔のような声を上げながら連れて行かれる親父殿。

というかその耳ちぎれてるの母上殿のせいだったのかよ。

あ、そうだ転生した弊害かどうかは知らないけど感情が表情にあまり出ない上に声を出すのが苦手だ。


文字や言葉はわかるんだけどな。



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