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二人の私
昔となんら変わらない心が
悲しみを叫ぶ
苦しみを嘆く
寂しさを哀しむ
なぜこんなにも弱い心があるのだろう
強くならなくちゃ
と思うあまりに
どんどん心が押しつぶされていく
ああ 逃げたい
ああ 隠れたい
ああ 去りたい
そんなことばかり浮かぶ心に
何を馬鹿なことを言っているのだ
と叱る
ため息ひとつ
どうせ生きていることが
あまりにも可笑しいのだ
ならばなぜ悩む
二人の私が言い争う
それはたぶん
死にたい私と
生きたい私
ああ くだらない
ああ バカバカしい
自問自答ばかりでは
足踏みと同じだ
なんとか進まなければ
ああまた
強い私と
弱い私が
行ったり来たりして
何も決まらないまま
時間が過ぎる
2021/2/18