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心軽やかに跳ね上がるも湧き出る恐怖
色の名などすべて覚えられぬ
物の使いようなどすべては考えられぬ
それでも
この心に浮かんだ名は
この心に浮かんだ使い方は
この心に羽をつけ浮かばせる
手に取りてひと息
眺めてみてひと息
至福のひと時
ぬくもりもすべてはわからぬ
寂しさもすべてはわからぬ
それでも
この心に入ったぬくもりは
この心に入った寂しさは
この心に喜びを注ぎはずませる
味わいてひと息
感じてみてひと息
幸福のひと時
ただ
別れのつらさが忍び寄る
我慢の痛みが突き刺さる
続かない幸福が寂しくなる
心踊りて
飛び回り
あぁとため息
喜びの
嘆きの
驚きの
別れの
あぁとため息
そして
心立ち止まり
至福のなくなった
寂しさに
恐怖し
嘆く
あぁとため息
大きくため息
楽しい時間は過ぎていきます。
さびしくなる時間がやってきます。
でも、それもまた振り替える楽しみの時間なのだと思えば、楽しい。
思い出のきっかけは、思い出の品。 2011/09/19