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紡いで繋いで結んで置いて

自分だけがわかる言葉を書き連ねて

「誰かわかる?」って聞いている

自分だけが分かればいいやってふてくされながら

「誰か気付いてくれないかな?」ってわがままをいう

自分てこんなもんだ

だから言葉だって自分勝手に紡がれて完結しているでしょう?


だから


空は青いままなんかじゃなくて

名前のわからない色に変わることだってあって

それは一日の中に確かに詰まっているってことだけわかっていて


だから


名前を持たないものなどないのに

知らない自分の愚かさに目をつぶりたくて

“名前のない”なんて言ってみる


だから


ささやきを聴く午後のひとときに午前の涙を知る

せせらぎの美しさに地中に隠された“命”を忘れる

木漏れ日に沈む木の葉たちのざわめきを子守唄にする


だから


晴れただけの一日 楽しむこともないなんて

人生に一点の汚点を刻んでいるようだ と嘲笑ってみた

薄明かりのもと 一枚の鏡に向かって


だから


私が立っているこの場所が簡単に壊れることくらい

もう本当に“昔”から知っているんだ

新しく私の場所を作る気力はないけれど

新しい場所を探すくらいはしてみようか・・・


だけど


紡いだ言葉も 書かれた言葉も

粉々に砕かれていくようで

どんなにきつくきつく結んでも

私の力が足りなくて 簡単にほどけていく


だから


言葉は“軽く”なる

言葉は言霊にならない

言葉は言の葉になる

言葉は散っていくだけで残らない


だから


泣きながら存在し続ける誰かにとって

僕は目障りでしかないのに

笑いながら存在し続ける誰かにとって

僕は目障りでしかないのに

怒りながら存在し続ける誰かにとって

僕は目障りでしかないのに

喜びながら存在し続ける誰かにとって

僕は目障りでしかないのに


それでも


何も知らないふりをして

自分の言葉だけで

伝える言葉にすることもなく

僕は存在し続けている


それで


わかってくれないことに対して

駄々をこねるんだ

子どもがいるだけなんだよ

2013/04/02

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