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ごまかしの言の葉
歌を歌って歌を書く
歌を思って歌を踊る
歌を知って歌を奏でる
歌を感じて歌を持つ
今 言の葉が風の中に散らばっていく
声を上げるひっそりと
静かな道の上に投げ捨てられるリズム
騒がしくない程度の旋律
狂う言葉の意味 その羅列
今 言の葉が空へ飛び出す
どこにも残らない曲
誰も耳にしない歌詞
口ずさめない懐かしさ
今 壊れたオルゴールが流れる
歌いたいのは風景で
書き綴りたいのは景色
なのに言の葉は心をえぐる意味で
私の心情をさらけ出す
誰も聞かないで
誰も聴かないで
誰も知らないまま
今 言の葉が“世界”で暴れだす
歌え!誰も歌うことのない歌を
歌え!古のままに
歌え!戒めの鎖がその身を締め付けるままに
今 言の葉が意味をなさないままに列になる
今 言の葉は正されないままに消えるだけの空虚なものになる
2012/12/28