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今はただ・・・

今はただ静かに水面を眺めるだけ

「そっとしておいてほしい」と

口には出さないけれど

小川に投げ出した両足が

楽しそうに動かないことで

きっとわかってくれるって信じてる

周りに誰一人としていないけれど


さわぐ声もなぐさめの声も

今はただ迷惑なだけ

自然の音だけがただよって

自分と世界の境目が消えていく

自分の位置も存在も希薄になる


傷ついたわけではないの

寂しいわけではないの

悲しいわけではないの

楽しいわけでもないけれど

悔しいわけでも

憎らしいわけでもないの

腹が立ってしかたがないわけでもないの

どこかに穴が開いたように

すうすうと風が通っているみたいなの


だから今はただ静かに水面を眺めているだけ

「ほおっておいて」

もうしばらく

そうしたらちゃんと自分の足で歩くから

ちゃんと自分で自分の背を押すから

今はしばらくこのまま・・・・



君に言われた一言はあまりにも適切で

足元が壊れてしまいそうになったんだ

努力をすればどうにかなってしまうって

知っていたってどうしようもなく

努力が大嫌いなんだ

自分に勝てないからじゃない

この身に流れる血が大っ嫌いだから

この名前さえも憎らしくて

努力はすべて苗字の前に泡となるようで

立ち止まっていることしかできないんだ


それではいけないのだと誰より自分がわかっている

でも 何もできないんだよ

認めてもらえない努力は

“家”を侮辱することにしかならないんじゃないかって

怖くて怯えることしかできなくなるから


誰かが放つ一言はどこにも留まらない

通り過ぎていってしまうんだ

言葉を受け取れないほど

閉じこもっているんだよ



でもね

もうしばらくほおっておいて

自分の足で

自分の意思で

自分の力で

這いあがって

立ち上がって

進むから


投げ出した両足が水を打って

魚が驚いてはねるのを見て

大声で笑えるまで

独り静かに水面を眺めている

今はただ・・・・ただそうしているの

2012/05/16

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