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名前は体《たい》を表すというけれど心と同じになることは少ない
心を犯しているのは他でもない僕で
見えない手が長い刃を振るう
血も涙も流れない
痛みだけがじわりじわりと僕を追いかける
僕は逃げ出してみようとして
同じことを繰り返す
ただ心が傷だらけになる
心を汚しているのは他でもない僕で
見えない脚が土足で歩き回る
水も光もない
狂気だけがじわりじわりと僕を責め立てる
僕は抗おうとして
同じことを繰り返す
ただ心が醜くなっていく
自分自身の心を罵倒し続けているのは
他の誰でもなくまぎれもない僕で
ひしゃげた言葉がこだまする
希望だけが急ぎ足で僕から逃げていく
僕は追いかけようとして
足をとられる
ただ仮面をつけてごまかしている
ただ僕は僕に飽きたのであって
僕は“僕”の名前を知らない
逃げているしか出来ない人間のくだらない告白だと考えていただけたら、
幸いに思います。
2012/02/22