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明けの時
私が小学生の頃 何も知らないことを知らないまま生きていた
学ぶはずの授業は意味を理解しないまま
有るということを知っただけだった
ある時通学路の途中の家の敷地に首が見えた
首だけであった
風が吹いても揺れない髪を疑問にも思わず
同級生が話す怖い話に出てくる生首を思った
悪気などなく(そも悪気というものがわからなかった)
あそこに生首がある。と話す
そして話した自分で怖くなりあった場所を見れなくなった
そばを通る時は目をつぶるでは足りず顔を背けて歩いた
そしていつの間にか怖さを忘れて嘘をつく
夢であったろうか
否
愚か者の虚栄心を満たす真だ
愚か者はいつ愚かさを知った?
死ぬまで知ることはないだろう
2021/11/24