第8章~再会~
チュンチュンチュンッ
「ん、もう朝か。ふぁ~~~~~ぁ。」
大きなあくびをした後、俺は寝返りうとうとしたら、
(ん、寝返りうてない。てか良く考えたら体が重いな。)
そして良く見てみると、左に秋穂、右に冬佳、そして俺の上には夏美がうつ伏せでのっかていた。
「いやいやいや、なんだこの展開!えっ、これは夢か夢なのか。なんだこの嬉恥ずかしい展開、嬉しくないといえば嘘だが、いやそうだとしてもだなこうゆうときってどうすりゃいいもんなんだ!」
とまぁひとりで色々言ってはみたものの特に何も思いつかない。
「はぁ~、とりあえず起こさないように抜けよう。」
まず左手を動かそうとする。
「ふぁっ。」
ナニコレヤバイ。
右手を動かそうとすると、
「んっ。」
そして体を動かそうとすると、
「あぅ。」
うん、全く動けません。
もう色んなとこが擦れて、ってんなこと言ってる場合じゃねぇな。
落ち着け俺。
(てかなんでこんな状況になってるんだ。昨日寝たときは、確かに普通に寝てたのにな。)
壁にかけられている時計を見る。
時間は7時になったぐらいだ。
普段ならもう起きている時間帯だ。
「まぁでもまだ早いし、二度寝でもするか。」
こいつらの幸せそうに寝る顔見てたら、無理に起こせねぇしな。
そうして、再び眠りに着く。
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モゾモゾモゾ
ん、今何時だろうな。
てかあれからどれだけ寝たのか。
少し寝すぎたのかな、ボーっとする。
それに、俺の体の上に誰かいるのか。
やけに動くな。
そして俺は、再び閉じた目をあけた。
「んーーーっ。」
そこには、夏美が目をつむったまま、こっちに顔を近づけていた。
「うぉっ!?」
びっくりして、少し声を漏らした。
「んーーーっ、ん?」パチッ
あっ、目が合った。
数秒間の沈黙、その数秒間が何故かとても長く感じる。
「あっと、その、お、おはよう夏美。」
とりあえず沈黙を破るために、俺から声を掛けた。
カァァーーーーッ
あっ、顔が赤くなった。
プシューーーーッ
今度は湯気が出てきた。
「あわあわあわあわ・・・、」
「えっと、どうした夏美?」「ふわぁぁぁぁん!」ドゴッ
「グハッ、俺・・なんか・・したか?」バタッ
夏美の頭突きをくらった。
春樹の体力はゼロになった。
てか頭突きっていうか、夏美がいきなり突っ込んできただけなんだけどな。
そして3度目の眠りに着くのであった。
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トントントントンッ
リズム良くまな板をたたく包丁の音。
味噌の心地よい香りが鼻をくすぐる。
久しぶりだなこうゆうの、でも誰が朝飯を作ってんだろ?
(時間は、もう10時か。)
俺は体を起こし、台所に向かう。
そこには、3人の女の子が朝飯の支度をしていた。
ひとりは味噌汁を作り、ひとりはサイドのおかずをつくっている、そしてもうひとりは人数分のお皿を並べ料理が出来るのを今か今かと待っている。
「おはよう。」
俺は、在り来たりな朝の挨拶を彼女達にかけた。
「「「おはよう(デス)。」」」
彼女達も俺の挨拶に気付き、ふりかえって挨拶を返した。
「朝飯作ってんのか?スマンな。」
「ううん、いいのよ。だって晩御飯ご馳走になってお風呂や寝る場所も用意してもらって、何もしない訳にはいかないじゃない。」
「だからせめて朝ごはんは作ろうと思った。」
「ボクはその、あまり料理下手だからとりあえず準備だけしてるデスよ。」
「そっか、ありがとな。それとさ夏美、さっきは寝ていた俺に何をしようとしてたんだ?」
「ギクッ!?」
言葉に出して“ギクッ”なんて言うやつは夏美ぐらいだろうな。
「えっと、あ、あれはちょっと寝ボケってただけデスよ~!それで目を開けたら春樹が目の前にいてビックリしただけデスよ~。」
いや棒読みで言われても。
「まぁ、でも寝ぼけてたならしょうがねぇかもな。」
「そ、そうデスよね、寝ぼけてただけデスからね~!」
そしてそろりそろりとその場を立ち去ろうとする、
「「夏美。」」
夏美を呼び止める2人。
「は、はい!」
「「後で詳しく聞くから。」」
「わかりました!!」
後で何が起こるかわからんが、ご愁傷様。
そして、何故か夏美が色々問い詰められた数分後、俺達は食卓に着く。
ちなみにうちは、こたつの机とテーブル席があり、どちらでも御飯を食べることがある。
今はテーブルで食べようしている。
イスが4つあり、俺から見て右が夏美、前が冬佳、右斜め前が秋穂である。
「それじゃ、食べますか。」
「「「「いただきます。」」」」
「ん、この玉子焼き、めちゃくちゃふんわりしててうまいな!塩加減もちょうどいい感じだ!」
「そ、その玉子焼きは私が作ったのよ!」
「これ秋穂が作ったのか、俺でもこんなにうまくは作れねぇな。」
「あ、ありがとう。」テレテレ
「お味噌汁も飲んで。」
冬佳がお味噌汁を勧めてきた。
「おぅ、了解!」ズズズズッ
「おっ、この味噌汁、出汁がきいてるな。冬佳が作ったのか。とってもうまいな!」
「ありがとぅ。」テレテレ
朝飯はパンもいいけど、やっぱ和食だよな。
「そういや夏美は何も作らなかったのか?」
食卓には、秋穂の作った玉子焼き、冬佳の作ったお味噌汁、そして白御飯だけだった。
「料理はできないデスけど御飯を炊いたのはボクデスよ!」
「そっか、何も作ってないのか。残念。」
「ちょっと待つデス!御飯炊いたって言ったじゃないデスか!?」
「いや御飯ぐらいは誰でも出来るだろ。そんな釜を使って炊いたならすごいと思うが、電気炊飯器で炊いた御飯を自慢されてもな。」
「な、なんデスとーーっ!!」
そしてうなだれる夏美。
「うぅ、せっかく御飯を作ったのに。春樹に心を傷付けられたデス。」
「いやいや、別に傷つけたつもりはないんだが。」
「ということで罰としてお口を開けてください。」
「は?いやなんで口を開けなきゃ...」「いいから開けるデス!」
「分かったよ。ほれ、あーーーん。」
しょうがなく俺は口を開ける。
「あ~~~ん♪」
そして口に運ばれる玉子焼き。
「食べてください♪」
パクッモグモグ
「どうデスか~?」
「まぁおいしいが、てこれって良く考えたら恋人同士がやるあれだよな?」
「はいあれデスよ~。」
やべぇ、確かにこれは恥ずいな。てかこれが罰ゲームなのか?
そして反対の席でこっちをにらみつける2人。
「春樹、次は私からの罰ゲームだからね。」
「いや、なんで秋穂から..」「いいから受けなさい!」
「はい!」
そしてその後、秋穂からもあーーんをしてもらい、続いてなぜか冬佳にも。
そして逆に俺からのあーーんも順番にやっていき、それが朝飯を食べ終わるまで続いた。
確かにこれは罰ゲームかもな。
主に精神的に痛い。
「「「「ご馳走様でした。」」」」
「それで、午後からはどうするの?また作業?」
「うぇ~~、疲れるデス~。」
早速お疲れモードな夏美。
「いや、午後からは前に言ってたデザートバイキングに行くぞ。」
「「「えっ?」」」
「3人とも忘れてたのかよ。前に言っただろ、新しく出来たデザートバイキングのお店に連れてくって。」
「そういえばそんなこと言われたような。」
「ここ最近で色々ありすぎて忘れてた。」
「デスね。」
そんなに色々あったっけ?
「じゃあ思い出したところで準備するぞ。」
「分かったわ。じゃあ着替えるから、その、ね。」
「ん、どした?」
「もう、わからないの!着替えるから上に行っててよ!!」
「お、おぅスマン。じゃあ準備が出来たら呼びにきてくれ。」
「了解デス!」
そして数分後。
トントンッ
「準備できたから降りてきて大丈夫。」
「了解、じゃあいきますか。」ガチャ
カバンを持ち、部屋の扉を開けると、そこには少しおめかしをした冬佳がいた。
冬佳の服は白を基調とした格好でロングのスカートがとても冬佳らしい感じ。
全体を見て露出は少ないが、とても可愛いいという言葉がふさわしい。
「ん、どうしたの?」
そういって冬佳は、小首をかしげた。
「い、いやなんでもないよ。」
あまりにも可愛らしすぎて、少しドキッとしてしまった。
いつもは制服しか見てないからな。
「そう、早く行こ。」
そして下に降りると、残りの2人も準備が終わっていた。
(何だ今日は、3人ともなんか気合が入った感じだな。)
夏美も秋穂も少しおめかしをしたようだ。
夏美は、長袖のTシャツに黒のベスト、ホットパンツにハンチングをかぶったラフな格好。
秋穂は、ワンピースにジャケットを羽織った感じでボーイッシュな格好。
(普段はあんまり気にせずに話してるから忘れてたけど、良く考えたら3人ともめちゃくちゃ可愛いんだよな)
とりあえず、気分を紛らわすため時計を見る。
時間は12時半。
着く頃には13時ぐらいかな。
「よし、じゃあ行くか。」
準備を整えた俺達は、デザートバイキングのお店に向かうのであった。
うちからお店までは、徒歩でだいたい15分程度。
駅の方にある、つい最近できたお店だ。
今はオープン記念で普通の値段より少し安めになっている。
「でも春樹ホントにいいの、奢ってもらって?」
「なに言ってんだよ、言い出したのは俺だぞ。それに今はオープン記念で少しだけ安くなってるし、さらには店長が知り合いだったんでな。普段の半額の値にしてもらえることになったさ。」
「ホントにそうゆう人脈はどこから来るのかしら?」
「秋穂、この世には知らなくてもいいことがあるんだぜ。俺の人脈の広さもその一つと考えてくれ。」
「もう、そうやってはぐらかして。いつかは教えてもらうからね。」
「まぁ、いつかはな。」
「おっ、あれデスか?すごい行列デス!」
「すごい、わたし達が入る頃にはなくなってたりして。」
オープン仕立てで日曜日とゆうこともあってか、お店には長い行列が出来ていた。
「あれどこ行くデスか春樹?」
「列に並ばないの?」
「まぁ安心しろ、あっすいませーん。」
こちらの呼びかけに気付いた店員がこっちに来る。
「いらっしゃいませ。」
「えっと、予約した桜井です。入っても大丈夫ですよね?」
「少々お待ちください。」
そして店の奥に店員が消えていった。
「へぇ~、このお店予約ができるのね。」
「いや、実際は予約自体はまだできないんだよ。でも一部のお客だけ予約ができるようになってるわけ。」
「その一部のお客って?」
「まぁ、店長を含めそれより上のお偉いさんとかだな。」
「ということは店長さんのコネなの?」
「まぁそれは正解でありはずれでもある。」
「ホント春樹の人脈って謎がありすぎね。」
「そうこうしてる間に店員さん帰ってきたデスよ。」
「お待たせいたしました。4名でご予約した桜井様ですね。こちらへどうぞ。」
「お~、並んでるお客より先に入れるって、これがビップ待遇ってやつデスか!?」
「恥ずかしいからあんまり大きな声を出さないで。じゃないと、」
そういってカバンから本を取り出した。
「普段から持ち合わしてるんデスか!?ごめんなさいデス!」
「こちらになります。」
そう言われて4人がけの席に案内された。
「じゃあ俺はここで待ってるから行って来い。」
「春樹は行かないの?」
「1人ぐらい荷物番がいるだろ。いくら大勢の人がいるからって置き引きする奴はいるからな。」
「じゃあ適当に春樹の分も取ってきてあげるデスよ~。」
「おぅ、頼むな。」
そして3人は、トレイを持ちスイーツを取りに行った。
3人ともメチャクチャ笑顔だな。
たっく、花より団子ってか。
ここまで来る間に、色んな奴らがあいつらに見とれていたよな。
ああゆうのみると、ホントあいつらってもてるんだなってことが再確認できる。
そして羨望の目で見られる俺。
俺って憎まれ役なのかな。
「こちらへどうぞ。」
「ありがとぅございます。」
ん、どうやら隣の席にお客が来たらしい。
そういや、隣も予約席だったな。
まぁ、どうでもいいことだけどな。
「シュン君?」
「えっ?」
“シュン”。その呼ばれ方は、俺が中学の頃に“春樹君か。ハル君じゃ可愛らしいから、シュン君って呼ぶね”ってある子から言われ、定着したあだ名だ。
でもこの声、そして俺をシュン君と呼ぶのは1人だけ。
俺は振り返りその子の名前を呼ぶ。
「日和、なのか。」
「ああ、やっぱりシュン君だ~。久しぶりだね。何年ぶりかな?中学の時以来だから3年ぶりかな~。」
俺は日和との突然の再会で動揺が絶えなかった。
「あれ、どうしたのシュン君?」
「あっ、そうだな久しぶりだよな。」
「私はお父さんがここの株主でね、それでね今日はお父さんに頼んで予約してもらったんだ~。それで今日は友達と一緒に来たんだ~。」
「そうか、俺も似たようなもんだよ。」
「そっか、でもうれしいな。偶然だとしてもシュン君とまた会えたんだから。」
「日和...。」
「ただいま。ちゃんと春樹の分とってきたわよ、ってその子誰?」
「え~と、春風 日和って言います。そっちはシュン君のお友達かな?私のことは気軽に日和ちゃんって呼んでいいよ。よろしくね~!」
こうして俺は久しぶりに日和に再会した。
そしてなぜだか修羅場になりそうな予感がした。
そろそろクライマックス近めデスヨ。
それにしても女の子の服装はどうゆうのかがわからんね。
ひとつひとついろんな種類や名前があって大変やわ。
一応、夏美はラフな感じにしたくて、秋穂はボーイッシュな格好の中に女の子らしさをだしたくて、冬佳はちょっと清楚な感じをだす感じで服を選んだけど、やっぱ難しいネ(^ー^;)
とりあえずまだ続くんでどうぞよろしくデスヨ(>ω<)/