第3章~困惑~
そして時は経ち、放課後...
この“時は経ち”って表現ってさ、すごい長い時間が経ったと思うのは俺だけかな?
まぁとりあえず今は放課後だ。
ホームルームが終わりみんな学校という鎖から解き放たれたかのように喧騒が学校中を響かせるようだ。
ある人はクラブがあり、部活仲間と活動場所に行ったり、ある人は友達と一緒にこの後どうするかと喋りながら帰ったり、またある人はバイトに遅れないためダッシュで帰ったりと、色んな奴らがいる。
そんな中で、クラブもなけりゃ居残りする必要性もない俺達はある意味異質な存在なんだろうか。
「とまぁ、こんなことを考えてる場合じゃねぇな。」
俺はとりあえず、昼休みに自分の世界に入っている3人をこっちの世界に呼び戻すことにした。
ちなみに俺の席は窓際の後ろから2番目、そして俺の前が秋穂、右が冬佳、後ろが夏美だ。
俺はカバンから、スーパーなどであるビニール袋をふくらませて、
「おーいお前らいつまで呆けてるんだ、さっさと帰って来い、よ!」パンッ
思いっきり割った。
ビクッ
「うわっ、ビックリしたデスよ~!」
「いきなり大きな音出さないでよ。ビックリするじゃない!」
「・・・もう放課後。」
ふっ、いい反応だ。
「ビックリしたじゃねぇよ、もう放課後だぞ。昼休みに演劇部に機材を見に行くって言ったこと覚えてるか?」
「昼休み・・・。あーあれね、ちゃ、ちゃんと覚えてるわよ!ねっ夏美!」
「な、なんでそこでボクにふるんデスか~、一応覚えてますよぅ!」
なんだこいつら、何動揺してんだ?
「まぁいいや、冬佳はどうだ?」
「えっと、その、・・・私も覚えてる。」
なんだその間は!?
色々と疑問が残るが、俺達は演劇部の部室に行くことにした。
演劇部の部室は旧校舎の方にあり、主にこの旧校舎の教室は文化系のクラブの部室がたくさんある。
「さて、着いたな。」
「なんデスかね~、このまんまるいキャラのポスターは?」
「これはだんご大家族ってアニメに出てくるキャラクター。今はあんまり知ってる人はいないけど当時はとても人気だった。今は一部のマニアに人気だったりする。」
「へぇ~そうんなんだ。詳しいな冬佳。」
「・・・私も好きだから。」
(冬佳も女の子っぽい趣味があるんだな。)
「何してんのよ春樹。さっさと入りましょ!」
「おっとすまんな。それじゃ、失礼します!」ガラガラガラッ
扉を開けると、そこには制服を着た幼い顔立ちの女の子がいた。
「あの、何か御用ですか?」
やっべ、ちょっと見惚れてしまった。
「あっ、あの先日連絡した桜井です。あなたが部長の古河さんですよね?」
「え~っ!?このちんまい人が部長さんですか!?」
「夏美、初対面でそれは失礼。」
「夏美、謝りなさい!」
「あわわ、冬佳も秋穂もそんな怖い顔しないでくださいよ~!えっとその、失礼なこといってごめんなさいデス!!」
「あはは、別にいいですよ。えっと確か機材を見に来たんですよね?」
「あっと、そうです。演劇で使った大砲をお借りしたいんですが。」
「はい、わかりました。でも機材関係は倉庫の方に置いてあるんで、とりあえずそっちに行きましょう。鍵は朋也君、えっとうちの部員さんが取りに行っていますので、帰ってきたら行きましょう。」
そして、その部員さんが鍵を持って帰ってきたと同時に、倉庫に行くことにした。
倉庫には色々な機材があり、その中には演劇部だけではなく色々な部の機材などもあったりした。
まぁ倉庫といっても形としたら、普通の教室だしな。
「あったわよ、大砲もどき。」
「・・・でかくて太い。」
「なんか言い方エロいデスね~冬佳。」
「とりあえず、4つともちゃんと使えそうだな。」
俺達は、大砲以外にも使えそうな機材を見て回りとりあえず使えそうなやつを借りることにした。
「また当日前にリハーサルをしたいので、その時にまたここに機材を取りにくるんで。」
「はい、わかりました。卒業式楽しみにしてますね。」
そういって、演劇部の2人は部室へと帰っていった。
「あの2人とても仲が良さそうデスね。」
「私も、あんな風にしてみたいな。」
「いつかわたしも。」
3人はとても羨ましさげに去っていく二人を見ていた。
俺は一応元気付けるために、
「なぁに言ってんだよ。お前らならいつかそうゆうやつができるさ。」って言ったら、
「「「はぁ~~っ」」」
盛大にため息をつかれた。
俺何か間違えたかな?
女の子ってやっぱ難しいな。いや、こいつらだけか?
「まっ、俺たちも帰ろうぜ。」
そうして俺達はいつもより少し遅め下校をした。
あんぱん!
なんか今回は好きなネタ全快でやってしまった。
次からはちゃんとできるように頑張りたいです!