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第8話 はじめての本格バトル



夜の街に、不気味な静けさが漂う。

村井健二――50歳のオッサンだが、今は完全変身を果たした魔法少女の姿。

赤いルージュの力を宿し、胸の奥にはミアの声が響く。


> 『村井、深呼吸して。魔力を焦らず使うの。』




「わかった……でも、これ、本当に俺が使える力なのか……」

初めての本格バトルに、心臓はドキドキ。

だが、背中のピロポンの鋭い目が、村井を見守っている。


黒い影――先日現れた敵が、再び姿を現した。

体の表面に黒い模様がうごめき、赤い瞳が光る。

まるで闇そのものが意志を持ったようだ。


> 『やつは魔力に反応する。ルージュを握ったあなたを狙っている。

無駄な攻撃は避けて、動きを読んで……』

ミアの声が、冷静に指示する。




村井は赤いルージュを握り直し、魔力を集中。

光が指先からほとばしり、小さな斬撃の光弾を放った。


> 『いい感じよ、村井! でも距離を詰めすぎないで!』




敵は予想以上に俊敏で、村井の光弾を難なく避ける。

しかしその瞬間、村井は閃いた。

「敵の動き、パターンがある……!」


光弾を放ちながら、村井は敵の動きに合わせて跳躍し、避け、反撃を重ねる。

背後からピロポンがサポート。


> 『おじさん……いや、魔法少女。いい勘してるじゃない。

次は、私の力を借りていいわよ。』




ピロポンが背中のジッパーを半分開くと、中から封印されたミアの魔力が流れ出す。

村井の手元のルージュが光を増し、赤と金の光の刃が形成される。


> 『これだ……!』

村井は力を集中させ、光の刃で敵を斬りつける。




敵は黒い影を巻き上げて反撃しようとするが、村井の刃が光の壁を作り、その勢力を抑える。

初めてのバトルは、ぎりぎりの攻防の末、敵は一時退散した。


息を切らす村井を見て、ピロポンが毒舌混じりに言う。


> 『おじさん、意外とやるじゃない。でも次はもっと油断しないでね。』




ミアの声も静かに響く。


> 『初めてのバトルとしては上出来よ。

でも、敵はまだ本気じゃない……本当の戦いはこれから。』




村井は赤いルージュを握り直し、夜空を見上げる。

胸の奥に宿る魔力と、ミアの声――

二つの力を背に、村井は決意を固める。


> 「よし……次は絶対に負けない!」




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