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第11話 本当の覚醒 ―ルージュ全開―
夜の街を裂くように、黒い霧が広がっていた。
廃工場跡。空気は重く、視界の奥で“何か”がうごめいている。
「くそっ、またあの《虚影》どもか!」
ルージュ――いや、村井の声は、少女の体から発せられたとは思えないほど低く響く。
ミアのホログラムが焦ったように叫ぶ。
「村井! まだ本調子じゃないの! 完全変身は危険――!」
その言葉を、ルージュは笑い飛ばした。
「危険? 知るかよ!」
「でも、代償が――!」
ルージュは構えを取った。
その瞬間、足元の魔法陣が赤く輝く。
風が巻き起こり、髪が炎のように揺れた。
「――代償なんて、くそ食らえッ!」
その叫びと同時に、爆発的な魔力があたりを包む。
空間がねじれ、赤い光の奔流がルージュを中心に広がった。
ミアが息を呑む。
「……これが、“ルージュの力”全開――!」
ルージュの瞳が、深紅に染まる。
全身のラインが光を放ち、まるで“初代”と“今”が重なったようだった。
「行くぞ、《虚影》ども。
オッサン――いや、“魔法少女ルージュ”が相手だ!」
叫びとともに、赤い閃光が夜を切り裂いた。




