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第10話 ルージュの記憶、代償
ミアの言葉が頭から離れなかった。
「変身を重ねすぎると、もう元には戻れない――」
鏡に映る自分の姿を見つめる。
そこにいるのは、しわひとつない肌。
きらめく瞳。
そして、どこからどう見ても若くて可愛い“魔法少女ルージュ”。
「……村井、いや。ルージュ、か。」
思わず口にしてみる。
その響きに、胸の奥がくすぐったくなる。
「考えようによっては、悪くないのでは?」
つぶやいた瞬間、ミアのホログラムが眉をひそめた。
「え、何が?」
「だって若くてぷりぷりの魔法少女の身体のままなんだよなぁ!?
少しだけ人生をやり直せる気がしたっていうかさ!」
ミアはため息をつき、腕を組んだ。
「……まったく、オッサンってやつは。
でもね、その“若さ”には、代償がついてくるのよ。
本当の“あなた”が薄れていく――それが、怖くない?」
ルージュ(村井)は、笑いながらもどこか寂しげに鏡を見る。
「怖いさ。
でもな……“オッサンの俺”がどこにも居場所を見つけられなかったんだ。
だったら、ルージュとしてもう一度、誰かを守ってみたいんだよ。」
ミアはその言葉に、かすかに微笑んだ。
「……じゃあ、次の戦いで本当の力を見せてあげる。
“ルージュの記憶”に眠る、初代の力を。」




