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類は友を呼ぶ  作者: 手下
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逆道心乃実の幼少期と幕開け

「心乃実、また服汚して帰って!」


 逆道心乃実、小学二年生。

 この頃の彼女はよく服を砂や泥で汚して帰ってきていた。

 それを見て母親は顔を顰める。という光景がしょっちゅう見られた。


「男の子たちと遊んじゃダメよ。心乃実は女の子なんだから、()()は女の子と遊ぶものよ」


 母親はただ心配だった。男の子と遊ぶと怪我をするんじゃないかと。

 だから口酸っぱく言っていた。普通は女の子同士で遊ぶのだと。


 でも、心乃実は楽しいから男の子と遊んでいるだけで、女の子と遊ぶのが楽しければ一緒に遊んでいた。

 

 最初は優しく注意していた母親だったが、心乃実があまりにも言うことを聞かないので、次第に口調が厳しくなっていった。

 心乃実も、そんな母親に恐れて、次第に男の子と遊ばなくなっていった。


 誕生日の日。

 父親から渡されたプレゼントの中身は、どれも女の子ものの洋服だった。


 がーん……。


 という効果音が頭上に浮かび上がるほど心乃実は落ち込んだ。


 本当は、男の子もののカッコいいデザインの服が欲しかった。


 買い物に行った時のこと。

 誕生日に何が欲しいかと父親に訊かれた心乃実は、男の子ものの服を手に取り見せた。

 父親はそれを見て少し険しい顔をして、首を左右に振った。


「それ男の子用だぞ? 女の子の服はあっちな」

「これが欲しい」

「これが欲しいのか? う〜ん、()()は男の子用は着ないよ。でかいし。それより、父さんはこっちの方が似合うと思うけどなぁ」


 父親はそう言って、心乃実が持って来た男の子ものの服をもとあったところに戻して、代わりに女の子向けの服をいくつか選んで持って来た。


「心乃実は可愛いんだから、絶対こっちの方がいいよ」


 どうして男の子は男の子の服を着て、女の子は女の子の服を着ないといけないのか。

 その()()というのが、心乃実は全く理解できなかった。


 でも、この頃から彼女は、親の言う()()な女の子として生活していた。


 男の子とは遊ばず、服は女の子用のものを着て、一人称も『俺』から『私』に変えた。


 決して悪い両親ではない。心乃実を心配してのこと。

 でも心乃実からすれば、普通ということに囚われていると、まだ八歳ながらにして思っていた。


 だから、それが少しずつ彼女を抑圧して、遂には──()()が嫌いになっていった。


 時は戻り、桜が華やかに咲く頃。


 麗人と心乃実は新たな制服を身に纏っていた。

 カチッとしたスーツを着た校長が壇上に立ち、全校生徒に向かって歓迎の挨拶を述べている。


 それを静かに聴いていた麗人だったが、隣に座る心乃実が彼の膝を軽く突いた。


「どうしたの?」


 小声でそう声をかけると、心乃実はどこか真剣な面持ちで口を開く。


「俺、お前とセ◯クスする時は、俺がお前のア◯ルにぶち込むからな」

「ちょ!?」

「むごむごむご……」


 麗人は慌てて心乃実の口元を手で塞いだ。

 それでも彼女は何かまだ言っている。


「そう言うことは二人っきりの時に言って、今入学式なんだからっ」

「俺は普通が嫌いだ。だから、女子が受けなんて普通な行為は……むごむごむごむご……」

「わかったから、今は大人しくしておいてっ」


 麗人は再び口を塞ぐ。


「二人っきりの時にいくらでも聞くから」


 今は入学式の真只中。

 

 今日から二人はここ──自由が咲(じゆうがさき)大学附属高等学校の高校一年生となる。


「皆さん、これから色々あると思いますが、健康には気をつけて新たな学校生活を送って下さい」


 いつの間にか校長の挨拶は終わりを迎えていた。


 壇上の端っこで進行役をしている生徒会長は、校長が壇上から完全に降りたのを確認したあと、次のプログラムへと進める。


「それでは、新入生代表の挨拶を野宇内桃華(のうないももか)さんお願いします」


 生徒会長がそう言うと、長く綺麗な黒髪をふわりと靡かせながら一人の女子生徒が壇上に立った。


「暖かな春の陽射しが──」


 こうして、二人の新たな生活が幕を開けた。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

拙い文章ではありますが、少しでも楽しんでいただけていたら幸いです。

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