幼馴染 その4
校舎裏の草むらで、三希は必死にサイコロを探していた。
隣人が手を滑らせてサイコロを窓から落としてしまった。その落下地点がここら辺。
風で流されていない限り、この辺りに落ちたことは間違いない。
(どこにあるの……)
なかなか見つからないことに焦りを募らせる。
いつも彼女が持っているサイコロは、母親から貰った大切なもの。
百均で買ったようなサイコロであれば、そこまで必死になることはなかっただろう。それでも、三希にとってサイコロというのは、迷った時の道標として大切な物に変わりはない。
心乃実と麗人に何も言わずに来てしまったから、早く見つけて戻りたいが、一向に見つからない。
そんな彼女のもとに、後を追いかけてきた麗人と心乃実がやって来る。しかし、生い茂る雑草と睨めっこ中の三希は全く気が付いていなかった。
「三三さん? こんなところで何してるの?」
「うわっ! び、びっくりした……」
集中していたから、突然声をかけられてビクッと肩を振るわせた。
「ごめんごめん、脅かすつもりはなくて、それで、何やってるの?」
「あ……じ、実は……」
三希は事情を全て説明した。
「なるほどね。ここら辺にサイコロが落ちたと」
麗人は上を見上げた。
校舎の三階に開いた窓が見える。そこは購買がある場所で、そこから落ちたとしたら、三希がしゃがんでいるところ辺りに転がっている可能性が高い。
「ここら辺だよね」
「そうなの。でも、全然見つからなくて……」
三希の声は段々と沈んでいった。
「それなら俺も探すよ」
「え……わ、悪いよ。だってお昼まだだよね?」
「三三さんにとってサイコロは大切なものなんでしょ? だったら、必ず見つけないと。昼飯は後で食べればいいしさ」
ね、と麗人は隣に立つ心乃実に同意を求める。
「うむ、三人で探せば効率が良い」
「心乃実ちゃんまで……」
「気にするな。それより探すぞ」
言うが早いか、心乃実はその場にしゃがみ込み、雑草を掻き分け始めた。
それに倣い、彼女の近くで麗人も探し始める。
「二人とも……ありがとう」
こうして、三人でのサイコロ捜索が始まった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
拙い文章ではありますが、少しでも楽しんでいただけていたら幸いです。




