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類は友を呼ぶ  作者: 手下
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幼馴染 その2

 最近、心乃実は三希とお昼を共に過ごすことが当たり前になった。

 そこへよく麗人も呼ばれることもある。


 今日も心乃実はお昼になるとお弁当箱を持って三希の席に向かった。


「三希、行くぞ」

「私パン買いに行ってくるから心乃実ちゃん先に行ってて」

「一緒に行くぞ?」

「陽志くん待たせるの悪いし」


 購買は食堂と比べるとそんなに並んではないが、そうは言ってもそこそこな行列が出来ている。

 

 パンを買う間、中庭のいつものベンチで麗人を一人で待たせていることがいつも気が引けていた。

 というのも、麗人は他を寄せ付けないイケメン。そんな彼が中庭のベンチで一人座っていたらどうなるか。よく見知らぬ女子生徒たちに話しかけられている光景をよく目にする。


 そこへ入っていくと自然と目立つことになる。三希はあまり目立つのは好きじゃない。

 それに、見知らぬ女子生徒と話す彼に対して、恋人である心乃実がどう思っているのか心配だった。


 だから、今日は心乃実に先に行ってもらって、牽制してもらおうと思っていたのだ。


「それもそうか」


 心乃実も麗人が見知らぬ女子生徒と話しているのはあまり気分が良いものではない。


「わかった、先行ってる」

「うん、また後で」


 二人は教室を出て、購買のすぐ近くで分かれた。


 購買の列に並んでいると、後ろから声がかかる。


「よっ、三三」


 その声に、三希は振り返る。


「あ、りんくん!」


 りんくん、と呼ばれた男子生徒は三希の幼馴染──長内(おさない)隣人(りんと)だ。


「久しぶりだね。りんくんもここだったんだ」


 彼とは中学二年までずっと一緒だったが、中三に上がる前に親の都合で転校してしまった。それ以来一度も会ってなかった。


 久しぶりに見た彼は、昔と変わらず背は低かった。ちょっとは伸びているが、数センチ程度だ。三希の背丈が150なのに対して、彼はそれより少しだけ高い感じだ。


 それに加えて、彼は中学の時から中性的な顔立ちで、パッと見た時、女性に見えてしまうほど。

 本人はその中性的な顔立ちがあまり気に入ってなく、元々黒髪だった髪の毛を赤く染めて、少しでも厳つくさせようとしている。


 けれど、ショートボブに赤髪なのであまり意味はない。むしろ、可愛くなっているまであった。

 

 髪を染めただけに留まらず、耳にはシルバーの髑髏のピアスをして、少しやんちゃ風に着飾っている。けどそれも、彼の中性的な顔立ちをさらに目立たせているように見える。


 ちなみにここの学校はピアスや髪染めなどは校則違反にはならない。

 なので三希も耳に数字の『3』の形をしたピアスをしている。これはたまたま商店街でやっていた雑貨祭りで一目惚れして買ったものだ。

 

「髪染めたんだね。なにその髑髏のピアス」

「これで俺もカッコよくなっただろ?」

「そうかなぁ」


 むしろ女の子っぽくなった、と思った。


「お前にはまだこの良さがわからないようだな。それより、相変わらずサイコロ持ってるのか。もう高校生だし要らないんじゃない?」

「別にいいでしょ。私はこれがないと決めれないの」


 手に持ったサイコロを見つめる三希。

 その瞬間、サッと素早く長内の手が伸びる。


「隙あり!」

「あっ……」


 一瞬のうちに隣人は三希の手の平に乗っている無防備なサイコロを奪った。


「もう! 返してよ!」

「欲しいなら取ってみなよ」

「もう! そうやって悪戯してくるところは変わってないよね……」

「はははは」


 昔より見た目は派手になったが、内面は昔のままだ。

 こうやってサイコロを取ってきたのは何度目になるだろうか。


「取ってみな」

「ほんとに返して!」


 三希より少し背が高い隣人は、背伸びしてサイコロを高くまで上げる。三希も負けじと背伸びして取り返そうとするが、やや届かない。しかし、少しジャンプすれば届きそうだった。


 そこで隣人は、右手から左手に、左手から右手に、お手玉のようにサイコロを投げて三希を翻弄し始める。


「ちょっと、それめんどくさいから」


 嫌がる三希を見て、隣人は楽しげに笑う。


 ──が……。


 ほれ、と隣人が左手から右手にサイコロを投げた時、勢い余って掴み損ねてしまった。

 サイコロはそのまま放物線を描き、開いた窓の隙間にダイブし、下の生い茂った雑草の中に消えてしまう。


「「あ……」」


 一瞬、時が止まったかのように二人とも固まった。


「ご、ごめ──」

「バカ!」


 隣人の声を遮って叫んだ三希の目には薄らと涙が浮かんでいた。


「は、だ、誰がバカだよ! サイコロなんて持って来てる方が悪いだろ……」

「っ……っ!」


 三希はキッと隣人を睨みつけた。

 その眼光は鋭いものだった。普段大人しい人ほど、怒った時は怖い。そんな感じだった。


 隣人はその鋭い眼光に萎縮した。


「りんくんなんて嫌いだから……」

「っ!」


 嫌い……その言葉は隣人にはよく効いた。


 言葉を失い立ち尽くす彼を置いて、三希は足早にサイコロを探しに向かう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

拙い文章ではありますが、少しでも楽しんでいただけていたら幸いです。

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