第21話 国王の訪問
突然の国王訪問で場の空気が一気に変わった。ニューとキュラは片膝をつき頭を下げている。来未は痛む体を無理に起こし国王と向き合った。
「私はソートレン王国国王、ソートレー・シャル・エレメツ。そこのミューナの母です」
ソートレーはそういうとミューナの方に目をやってすぐに来未の方に視線を戻した。
「ミューナを助けて下さりありがとうございます。なんとお礼をしたら良いことか・・・。報酬は弾ませてもらいます。それと折り入って話があるのですが・・・」
「ミューナを返して欲しいだろ。別に奪ったわけじゃないんだからそんなこと思わないで欲しいな」
「よくお分かりで」
「それに、俺達は戦闘になると基本ミューナに頼りきっている。今抜けりると冒険者として戦えるかわかんないんでね」
もちろん嘘である。基本戦いは来未に頼っているしミューナが抜けても冒険者としてはやっていける。だが、ミューナはもう仲間だ。そう簡単に手放せない。そんな雰囲気をかもし出すと、周りの衛兵たちがざわめき出した。
「しかですね、ミューナはこの国の時期国王なのですよ。あなたが名前で呼ぶことが普通ではないと知っておきなさい」
するとミューナが話に入ってきた。
「お母さん、ご主人様の悪口は言わないでください」
「なっ!?今ご主人様とおっしゃいましたね。あなたは時期国王なのよ。どこぞの誰とも分からないようだやつにそんなこと言わないで!ミューナ、あなたわかってるのかしら?なぜあの時あなたは攫われたのかを。あれはあなたが外に出たせいだったでしょわかってるのかしら!」
国王は怒るとすぐに平常心に戻った。
「分かりましたか?あなたは私にミューナを授けることしか出来ないのです。だから早く私にミューナを返して貰えませんかね」
「拒否する。言ったろ、俺達じゃ戦えないって」
「ご冗談を。こんな国宝級の武器を持っておいて、戦えないわけないですよね」
そういうとソートレーは来未の神器を持ってきた。来未は目を細めると、それを見たソートレーが交渉してきた。
「では、こういうのはどうでしょう。私が神器を返す代わりにあなたはミューナを私に差し出す。そうすればあなたも私もそんをすることはないですよ」
来未は少し考えるとミューナに優しく尋ねた。
「ミューナはどうしたい?」
ミューナは俯き少し考えると小さな声で答えた。
「少し・・・考えさせてください」
「・・・分かりました。3日与えます。それまでに決めてください」
「はい・・・」
━━それから数分後来未達は街に来ていた。
「ごめんなさい。ご主人様や皆に迷惑をかけて」
「気にしてないよ。くるみんだって怒ってないし」
ニューがそう言うとミューナはパッと顔を明るくした。
「ところで、なんで街に来たんですか?来未くん」
キュラが突然尋ねてきた。
「そんなの決まってるだろ。ミューナの思い出作りのためだよ」
そう言って足を進めた。
「えっ・・・」
ミューナはまた、暗い顔に戻った。周りから見ればまるで別れに苦しむような顔だ。だが、来未はそんなことも気にせず目的地へどんどん足を進めた。すると、突然来未の足が止まった。
「ここは・・・服屋ですか・・・」
「なんでここに来たの?」
「この前の戦いで俺の服全部光に切られたからな。前は切られて血まみれ、後ろも切られて血まみれ。これじゃもう着られないからな」
「でも、その変な服あるじゃない」
「この服だと目立つしあまり汚したくない」
そう言って服屋に入った。そこで、来未は一瞬呆然として皆に頼んだ。
「俺の服を見繕ってくれないか?俺は服のセンスがなくてな」
「いいですよ」
そう言ってキュラが来未の腰周りや色々なところの長さを測り出した。測り終わるといくつか服を持ってきた。それから数分がたち4人は店から出た。
「良かったの?私たちの分まで買ってもらって」
「そうですよ。あまり無駄遣いはしない方が・・・」
「いいよ。仲間の分の服ぐらい買ってあげるよ」
「あ、あの・・・ありがとう、ございます・・・」
来未は服屋を出ると次は武器屋に行った。
「武器屋?くるみん武器持ってるじゃん」
「そうですね・・・。くるみんさんの武器はいい武器ですけど・・・」
「いや、この武器はもうダメだ。見たらわかるよ」
来未は店に入るとすぐに、店の中で来未は剣を構えた。来未が剣を振ると剣は塵になって消えた。
「な、ダメだったろ」
それから数分後剣を5本買った来未が出てきた。
「少し買いすぎじゃない」
「そ、そんなにいるんですか?」
「いるんだよ。だって普通の剣だと闇には耐えられないんでね。だからほぼ使い捨てなんだよ」
そんな話をしているとミューナが遅れて出てきた。何故か暗い顔をしている。不思議に思いながらもそのまま次の店に行った。1日目は戦闘に行くかのような店に行って終わった。
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