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職業オタクの召喚者  作者: 五三竜
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第19話 真の勇者・・・!

「俺が・・・真の勇者じゃないとだと。来未、お前だけには言われたくないんだよ!」


光はそう言うと、距離を詰めようとした。が、先に来未が亜食に近づいた。


「っ!」


亜食に近づくと一瞬にして違う場所に移動した。


「やっぱりお前の能力か・・・。無詠唱スキルを持ってたんだな・・・。封印させてもらう」


来未はそう言うと、頭の中で考えた。イメージは、

見るだけで一時的に相手の能力を封印する感じで考えた。1、2秒考えるとスキルが出来、頭にそのスキルの情報が流れ込んできた。すると、亜食が何かを話してきた。


「封印するって言いながら全然してねぇじゃん」


だが、亜食は言葉を停めた。


「今頃気づいてももう遅いよ。お前のスキルは封印した」


<邪眼(エビルアイ)>

・相手を恐慌状態にし、一時的に行動不能状態にする


・・・気がつくと来未の右目に模様が浮かんでいた。


「俺もね、持ってるんだよ。・・・無詠唱スキル」


「このやろぉ!」


亜食が逆上して攻撃してきたが軽く受け流した。どうやらこの目はある程度の耐性があると動くことができるようだ。亜食は、そのまま家の中に突っ込んで行った。来未は、その場を1度離れ光と向き合った。


「タネは分かった。お前はスキルかなんかで距離を詰めていると思ったが違ったようだな。エクスチェンジ・・・、1度詠唱して発動し自分は無詠唱は出来ないと思わせ、無詠唱で発動し距離を詰める。交換したものはそこら辺の石とかだろ」


図星だったようだ。興奮状態だった光だったが1度冷静さを取り戻した。だが、すぐに興奮状態へと戻った。それとは逆に来未はより1層冷静になり考えだした。


(・・・これだけやっても勝てないとは、勇者舐めてたな。・・・改めて分かったが俺には覚悟が足らない。目的もない。それじゃ誰にも勝てないのは当たり前だ!じゃあ俺は何をするべきだ?なぜ戦うんだ?光達を止めるため・・・いや、違う。俺は何もしない人に優しくするほど甘くない。なら俺に優しくしてくれる人は幸せにする。ミューナやニュー、そしてキュラ・・・それだけじゃない、これから増える大切な人達をしあわせにする。だったら俺は・・・)


「俺は・・・俺達は幸せを手に入れる。ミューナやニュー、キュラが安心して暮らせる世界を作る!そレを邪魔するやつ、障害となる物は全て排除する!そのため何でもしてやるよ!」


来未は剣から手を離すと一気に光とキュラの間に向かって走った。そう、来未は話している間にスキルを作ったのだ。


<魂眼(スピリチュアルアイ)>

・生物の魂を全て見通す目


これは予想だが奴隷と飼い主は魂が繋がっている。その魂の紐で命令を伝えている。そう考えた来未は魂眼(スピリチュアルアイ)で見るとやはり繋がりの紐があった。


「これが正体か!」


思いっきりその紐を切った。すると、キュラの首にあった首輪が弾け飛んだ。これでいくらでも攻撃出来る。弾け飛んだ瞬間に来未は魔法を発動させた。


「”クリエイション・ゴーレム”!」


来未は地面に手を付きそう唱えた。すると、地面が盛り上がりゴーレムが現れた。


(馬車の中で見た時にあったのに気がついたけど、初めてやるんだよな・・・やってみるだけやるか)


「”暗き闇よ、世界を混沌に染めよ”」


その言葉と共に闇はあらゆる影から出てきた。その闇はゴーレムにまとわりつくと形を形成し出す。その様子は観音様のようだ。


「・・・そうだな、命名!”暗黒(あんこく)千手(せんじゅ)絶縁之(ぜつえんの)観音(かんのん)”・・・これで決まりだな♪」


来未は微笑んだ。その微笑みは光からすれば悪魔の笑に見えただろう。それほどまでにこの観音は禍々しい形をしていた。


「終わりだ!”黒蝕(こくしょく)黒手(こくしゅ)黒腕(こくわん)黒掌拳(こくしょうけん)”!」


観音は腕を曲げ構えると、怒涛のパンチを繰り出した。それは速く、そして強い拳だ。避けれるものなどいない・・・。はずだったが、気がつけば観音は核となっているゴーレムごと切られていた。観音は霧散して消えた。


「っ!?」


屋根に着地して、すぐに光の方へ向くと砂埃は収まっていた。そこには衝撃の光景が待っていた。


「なんで・・・ここにお前がいるんだ・・・?草薙(くさなぎ)(やいば)!」


そこには勇者パーティの1人である草薙(くさなぎ)(やいば)が立っていた。

読んでいただきありがとうございます。

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