第12話 国王の陰謀
「・・・これはすごいぞ。なんでも見える。・・・本当の意味で」
すると、2人は恥ずかしそうに胸と股を手で隠した。そう、この目は本当になんでも見える。例えば人のステータスや壁の裏の見えないところ、人の服の中の裸の姿まで全て見えるのだ。
「これが・・・伝説のスキル・・・なのか」
感動しているとミューナとニューが恥ずかしそうに顔を赤らめながら言ってきた。
「あの・・・そろそろいいですか?」
「ちょっと恥ずかしいんだけど・・・」
「フフ、悪い悪い」
そう言ってスキルを解いた。
「ご主人様、凄いですね。神眼なんてスキル本当にあったなんて・・・。私初めて見ました」
「私の心眼と違って神眼はノータイムで相手の情報を全て知れるのよ。でも、心眼だけでも情報量が多くて頭で処理できないのよ。大丈夫なの?」
「うーん・・・。かなりキツイかな。上手く使いこなせれば情報量を制御することも出来るかもしれないね」
それからしばらくの間特訓を続けた・・・。今回のことでわかったのは、スキルで作って入手出来るスキルや魔法は合わせて6個が限界だということ、作ったスキルは進化できるということ、6個以上は1度しか使えず2回目に使うためには、もう一度作るか作ってあるものを変更するかしないといけないこと。エトセトラ・・・。
「多分レベルが上がれば入手出来るスキルは増えると思うんだけどな」
「でもご主人様のレベルが上がるには、通常の人の何倍もの経験値を獲得しないといけませんよ」
「それでも経験値を入手するだけでステータスは上がるんだからスペックが低いままって訳では無いだろ」
「そうですけど・・・」
とりあえずその日は帰った。次の日は、武器を新調しまた、特訓を続けた。そして、約束の日が来た・・・。
「今日が約束の日だな。お前ら粗相のないようにな」
『はい!』
2人の威勢の良い返事とともに外に出ると衛兵が宿の前に待ち構えていた。すると、その中のリーダー的な存在の人から話しかけられた。
「それでは、行きましょう」
・・・しばらく歩くと王城に着いた門番は前より多く今から戦争のような雰囲気を漂わせていた。
(何か嫌な予感しかしないな・・・。て言うか、なんでここまで歩かせるんだよ。普通は馬車とかだろ!普通は!)
それから城の中を歩き、王がいる部屋の前まで来た。
「この先に王がいる」
そういい衛兵達は早く入れと言ってきた。中に入ると王座らしき椅子に王らしき人と王妃らしき人がすわっていた。入ってすぐに王が話しかけてきた。
「私はこの国の王、オルベティウス・プレディウス6世だ。今日お主を呼んだのには訳がある。こっちに来い。そこにいては話しにくかろう」
そう言うとオルベティウスは手招きをした。それに応じて周りの衛兵達が背中を押してきた。
「お主は先日我が国の勇者を倒したそうでは無いか」
「いえ、たまたまですよ」
「そんなことはどうでも良い。お主が勇者より強いというところに問題があるのじゃ」
「と、言いますと?」
「もうわかっておろう。・・・衛兵よ!命令じゃ!その男とその仲間を捉えよ!」
「やっぱりそう来るか!」
そう言うと来未達の姿は暗い闇となり影に消えていってしまった。
「しまった!逃してしまったか。今すぐこのものらを探せ!そして捉えよ!抵抗するようなら殺してしまえ!」
・・・一方その頃来未達は王都を出て新しい町へと向かっていた。
「やっぱり良かったな。衛兵達が来る1時間前に出ていてな。だが、どうやら俺の分身がバレたみたいだ。多分効果範囲外に出たな」
「これからどうします?次の町に行っても多分私たちお尋ね者ですよ」
「私国と戦うのは嫌よ。ほんとにどうするのよ」
「手は打ってある・・・。それにかけよう・・・。」
俺はこの時は何も分かっていなかった。そしてこれからこの国の大きな闇と戦うことになるとは・・・。
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