第10話 勇者との再会
「・・・そうか、もう忘れたのか」
そう呟いて勇者の前に立って言った。
「初めまして、小生の名はミクルセ言います。冒険者をやっているのですが少しダンジョンに潜っており、ダンジョンから戻ってみると勇者が召喚されたと聞きひと目見たいと飛んできた次第です」
すると勇者は嬉しそうに微笑むと自己紹介を始めた。
「そうですか。ありがとうございます。私は輝光、職業は勇者をやっています。今は皆自室に戻っていませんが、他に仲間がいます。あなたの職業は何ですか?」
「私ですか?私の職業は剣士をやらせてもらってます」
「剣士ですか。素晴らしい職業ですね。1度手合わせをお願いできますか?」
「唐突ですね、ハハハ・・・。いいですよ少しだけですけど」
「ありがとうございます。では準備を・・・」
「あぁ、大丈夫ですよ。寸止めでいいですよね?」
そう言って来未は剣を構えた。すると光も同じく構えた。・・・しばらくの沈黙の後衛兵によって初めの合図が出された。その合図とともに戦いは始まりそして、終わった。光の顔の前に来未の剣が来ていた。
「あはは、お速いですね」
「たまたまですよ。それに速さだけですから。それでは、ここら辺で私は行かせてもらおうと思います」
「そうですか。今日はありがとうございます。また、どこかで会えたらいいですね」
「・・・そうですね」
来未はそう言って微笑んで王城を後にした。王城を出て宿に泊まった。そして、ミューナとニューと話をしていた。
「ご主人様、どうしてあのような嘘をついたのですか?」
「なんでだろうね。わかんないや。逆になんで俺って分からなかったんだろう。腕がないからか?」
「ご主人様は気づいてないのですか?」
するとニューも言ってきた。
「そうよ来未は自分の髪の色変わっているのに気づいてないの?」
来未は一瞬固まった。
「はっ?何言ってんの?俺の髪の毛の色が変わっているわけないでしょ・・・」
そう言いながら鏡を見るとなんと自分の髪の色が黒から緑になっていた。しかも所々に白が混ざっている。
「・・・うそっ!?」
「多分だけど私が初めて来未を見た時と2回目に見た時全然違ったよ。髪緑になってるし。筋肉増えてるし」
よく見ると確かに全然違った。て言うか、よく見なくても違うことがわかった。
「これじゃわかんねえよな。もうこのまま別人で押し通すか。・・・ところでだけどさ、2人の職業ってなんなの?」
そう言うとミューナとニューが言ってきた。
「私は魔術師、魔法は沢山使えます」
「私は鑑定士、特殊なスキルがあるって言ったでしょ。そのスキルが、心眼って言ってとりあえずなんでも見えるの」
「へぇ〜。なんか適当だな」
「全然興味無いじゃん!」
「ない訳でもないよ」
来未が言い訳をしているとミューナがまあまあと言ってなだめたので何事もなく終わってくれた。
「でも、なんであんな剣技ができたの?あれってA級戦闘術スキルだよね」
「それはほら、あの話してる時間にめちゃくちゃ妄想して何とか作ったスキルを使ったんだよ」
「でもあれってピンチじゃないと使えないよね?なんでピンチでもないのに使えたの?」
「あの時は嘘がバレそうでピンチだっただろ。他に作ったけど門番の時は入れてもらえなさそうでピンチだったしな。ろくなやつは出来なかったが、まあまあ役に立つのも作れたぞ」
ニューが呆れたようにため息をすると急にミューナが笑い出した。
「さて、これからどうするかな。武器を揃えて王都も出るか」
そんなことを言っていると、王城の衛兵が慌てて部屋の前に来た。
「伝令!王の命令により3日後王に直接挨拶をしろとのこと。3日後のこの時間にまた迎えに来るのでここに居るように伝えに来ました!」
それを聞いて了解したと伝えると衛兵は去っていった。3人の間にしばらく沈黙が続いて来未が口を開いた。
「こりゃまた面倒くさそうなことに巻き込まれたみたいだな・・・」
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