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ヤミノクニ  作者: 瓜坊
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家族会議

 月明かりが差し込む風呂場で湯船に浸かりながら眠ってしまったレイ。

静まりかえる浴室に人影が現れた。

その者、は眠るレイの体を抱き抱え濡れた体を丁寧に拭いた。

服を着せた後、二階の寝室へと静かに運びベッドに寝かせた。

ベッドに眠るレイの様子をしばし見て静かに戸を閉め出ていった。

その者はその後すぐ倒れるようにその場で眠ってしまった・・・。

 同時効、村のほぼ全員がある一室に集まっていた。

大きな長い机があり、十席の椅子が均等に並んでた。

上座の三席の内左右にソトとジル、そして真ん中の席にガイルが座っていた。

残りの七席には女性陣が三人並んで座り、ベリア、カルベルがその反対側に座っていた。

「みんなこんな時間に呼び出してすまない。」

腕組みをしながら口を開いた。

「今夜集まってもらったのはレイの事だ。」

「霧の外に出ちまったことスッよね。」

「まぁ・・・それもそうなんだが・・・。」

ベリアの先走った発言に曖昧な反応をするガイルを尻目に若年層達はその内容で話を広げ始めた。

「レイの行動を制限するのはどうでしょうか?」

「それはさすがにかわいそうじゃない。レイ君だって悪いことしてるわけじゃないんだから。」

「では、サラはどうするべきだと思いますか?」

「うーん、みんな見守ってあげればいいんじゃないかしら。」

「それは今までと何も変わっていません。それでは不十分です。もっと厳しくすべきです。」

カルベルの意見に普段は柔らかい口調のサラが語気を強めた。

「囚人じゃあるまいし、監視するなんてこと認めないわよ。」

眉をひそめ、カルベルを睨み付けるサラを刺激しないようにベリアはなだめ始めた。

「ハハッサラちゃんはレイの事になると怖いよな。まぁ落ち着けよ。そう決まったわけじゃない。」 

サラは少しだけ落ち着きを取り戻し、睨み付けるのをやめた。

場が数秒間静まりかえったあとずっと浮かない表情をして話を聞いていたアナが口を開いた。

「ねぇ・・・集まった理由ってその事だけなのガイルさん?」

アナの静かな問いにガイルは深刻な表情で話始めた。

「実は、魔導士育成所というところから案内状が届いてな。」

聞いたことのない機関に若年層たちは疑問しかなかった。

「なんですかそれ?」

「魔導士として育成するところだ。」

「そのままですね。それの何が問題なのですか?放っておけばいいのでは?」

「それはできない。これは王都から発行されているものだからだ。」

「ではしかた・・・え?」

質問を投げ掛けていたカルベルの思考が一瞬停止した。

それはつまり、レイの存在が王都に知られているということ。

闇の魔力をもっていることまでも知られているのか全員が気になることだ。

そもそも闇市場からの脱走者に手紙が来ることはない。

レイに限っては顔見知りの人からたまに来るぐらいのものでしかなかった。

「闇の魔力をもっていることが知られたからそんなものが届いたのですか?」

「それはわからない。だが、可能性は高い。差出人はおそらく光の魔力の持ち主だろう。」

「なぜそんなことがわかるのですか?」

「夕食前に君の能力である花を一輪咲かせもらっただろう。」

「はい、無垢の花を一輪。あの花は環境や魔力で花びらを変色させる特徴がある種類のものです。それを根拠に光の魔力の持ち主だと?」

「ああ、それともう1つのこの手紙を見つけた時微かに光を纏っていた。」

「どこでいつ見つけたのです?」

「それはレイが―」

ガイルとカルベルが淡々と会話続ける中突然机を叩く音が部屋中に響いた。

「そんなことはどうでもいいわよっ!!」

サラが身をのりだしガイルに詰め寄った。

「レイ君をそんなところに行かせる気じゃないでしょうね?そんなこと絶対に認めないから!!」

普段温和なサラが怒りをむき出しにするのこの姿は珍しいことではなかった。

レイのことになると喜怒哀楽がはっきりと出る一面があった。

レイ本人の前で怒っているところは絶対に見せない。

ただ、今回のこの件は常軌を逸した怒り方をした。

怒りのあまり魔法を発動させ、机を燃やし始めた。

「サラ、落ち着いてください!まだそう決まった訳ではありません!ですよね、ガイルさん?」

サラを制止するカルベルの問いにガイルは沈黙した。

サラはガイルを睨み付け、火の手を更に大きくさせた。

燃えた机の一部がパチパチと音をたて崩れ落ちた瞬間部屋中が氷に包まれた。

火は徐々に鎮火し、その後すぐに氷も消えた。

今まで静かに話を聞いていたセシルの仕業だった。

「サラちゃん、落ち着きなさい。ガイルくんの話はまだ終わってないでしょ。」

静かな口調でサラを諭した。

だが、サラは多少落ち着きはしたものの考え自体は変わっていなかった。

「レイ君に隠れて話して訳のわからないところに行かせる計画なんか同意できるわけないでしょ。」

「はっきり言った方がよさそうね。」

「え?」

「レイ君はここから追放するのよ。」


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