表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヤミノクニ  作者: 瓜坊
29/29

生きる

 「紫電の悪魔?初めて聞いた。そんな悪魔いるのか?」

「ちげぇよ、そんな悪魔いるのかよ。古い言い伝えだ。」

「ふーん…。それが何の関係があるんだ?」

 レイの反応の薄さに若干イラつくルークは頭をかきながら答えた。

「はあ…大昔に居た紫色の瞳をした雷の魔導士が国を滅ぼしかけたらしい。その特徴を持ってるオレがその再来だと恐れられたんだよ。」

「お前の両親も…怖がったのか?」

 レイの無神経な質問にも同じ境遇なことを考慮してルークは答えた。

 普段の彼なら殴りかかったかもしれないが…。

「親には愛された…。オレを最後まで守ろうとしてくれたな。」

「お前…何歳だ?」

「十五だよ。それがどうした。」

「オッサンみたいなこと言うよな。同い年とは思えない。」

「黙れ。おめぇガキなんだよ。話の腰を折るなよな。」

「あっ、ごめん。」

 レイは思わずこぼれた本音は的は射ていた。

 十五の少年には似合わない貫禄があり、多少成りとも修羅場は潜っていたのだろう。

「まぁいいや。そんでも周りの奴らは放って置くわけもなく、他に被害がでるまえにオレの始末をつけようと村の連中総出で袋叩きにされた。そんときは親のおかげで逃げれてが、いざ復讐に出て捕まって殺されかけた。」

「その時はどうやって逃げたんだよ?」

「その時に復讐した相手に助けられた。」

「そういやさっき言ったな。優しい人もいたんだな。」

「ああ、優しい人だったな。オレにとどめ刺す時に名乗り出たのが叔父でな。親父の弟でよ、助けられるまでは恨みの対象だった。」

「その人も恨んでたのか?」

「まあな。実際に両親を殺したのはあの人だった。」

「え?!てことは兄さんを殺したのか…。」

 ルークの過去の話はかなり壮絶なものだった。

「そうだ。誰も来ない山奥まで引っ張られて拘束の縄を解いた後説教されたな。“あんな馬鹿なことするな!護られてきた命捨てるのは恩知らずのやることだ”だとな…。」

 徐々にがらの悪い口調が重たくなり始めたのはルークの本性が出て来たのかもしれない。

 レイの復讐心は薄れ始めた。

「その後はどうなったんだ?」

「一応火炎魔法で跡形もなく消えたことになってな、名前を変えて一人であちこち移動して…まあ…色々やって生きて来たな。」

「色々ってなんだ?」

 ルークのかなり曖昧な表現に引っ掛かりを感じた。

「いちいち聞くなよな…。まあ…盗みとかその辺りだよ。闇市場にも少しいたな。」

「奴隷とか…いたのか?」

「しらねぇよ…。」

 レイの嫌な質問に微妙な答えた方をした。

 レイにとっては正直気になるところではあった。

 自身も売り飛ばされた身の上だったから…。

 頭のいいルークは何となくだがその背景は汲み取れた。

 レイの真面目な顔に耐えられずルークは口ため息をついて話した。

「…はあ、あのなこんなこと他の誰にもはなすなよ。」

「わかった。」

「…本当かよ。まあいい、そんでー」

 ルークの話だと闇市場では有名な噂があったらしい。

 国際的な人身売買がこの国フォーラントを基本に行われ、闇市場はそのパイプの入り口のようなものらしい。

 そこに半端に踏み入れば消されるとかなんとか…。

「ーそんなことをよぉ、よくわかってねぇガキに詳しく教えると思うか?」

「あぁ…確かにそうかも…。」

「なあ、お前もそう思うだろ?オレもだが、お前はもっと世の中を知らなすぎる。不用意に変なことは聞くな。生きて居たかったらな。」

「…わかった。」

「フッ、本当かよ。」

 何だか大人に叱れた気分になり落ち込むな…。

 とはいえ実際ルークも同い年でこの空気には耐えられずにいた。

 しばしの沈黙の後、今度はレイが先に口を開いた。

「…この案内状の場所に行けばオレは生きて行けるのか?」

 一呼吸おいてルークは何か決したように話した。

「それなんだがよぉ…。いい考えがあるんだ。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ