弔い
「何で…こんなことになったんだよ…。」
昨日まで笑っていたのに何でだよ。
誰か一人は生きてて欲しかった…。
アナが逃亡したと気付いた時、レイはうっすら生存の可能性を抱いていた。
しかしその反対の現実が目の前にはあった。
レイのほぼ全てが失った今、父ガイルの言葉を実行することだけだった。
アナの冷たい亡骸を背負い、静寂に包まれた森を無言で歩いた。
散り散りになって横たわる家族の亡骸をおぼえたての転移の能力を使い一ヶ所に集めた。
場所は東側の森、埋葬墓地の為にあらかじめ人数分の墓穴が用意してある所だ。
考えてみたら可笑しなことだよな。
ぼくの分もあるなんてさ。
誰が弔ってくれるんだよ…。
棺にはそれぞれの名前が入っていた。
レイを除く九つの棺を倉庫から持ち出し、入っていた布で遺体を繰るんだ。
棺へとそれぞれ収めた。
穴を掘った時に出来た盛り土を被せ、教わった埋葬は終了した。
このやり方が正しいかどうかは分かならないが、大切なのはそこではないようにも思えた。
知識があればもっと気が楽になっていたのかな。
「本当に…何でこんなことになったんだろ?」
時間を戻す魔法ってあったっけ?
いつにどの瞬間に行けば皆が今生きてているんだろうか?
そもそもぼくが…。
気がつくと日が落ちかけていた。
たった二日の出来事で全てがなくなった。




