ぼくを愛した末路
「嘘だろ ・・・そんな訳ない。皆、闇市場の脱走者ってこと同じで普通なはずだ!ぼくもそうだろ!」
「いや、お前は・・・闇の能力を持っているとわかった時点で存在は消されるハズなんだ。」
ルークは目を逸らして同じことをレイに告げた。
いまいち内容を掴めてないレイに追い討ちかける為ある話をした。
「何年か前に聞いた話だ。本当かどうかもオレにはかわりないが、闇の能力をもつ少女がこの国にいた。人里離れた場所に家族と住んでたみたいだが、国にバレて家族全員殺された。」
「ほっ本当かどうかもわからない話なんか信用できる訳ないだろ!」
「そうかもな。ただの噂かもしれないな。証拠も何もないしな。」
「だったら尚更信用できる訳ないだろ。」
「ただ、法律では決まっていることだからな。この話の内容と照らし合わせても納得できる。個人的に引っ掛かるのは証拠の資料が存在しないことだな。この国では闇に関する全てのことがタブー扱いだからな。」
他人事で話すルークにイラつきを隠せないレイは奥の手を使うことにした。
「もういい!自分で確かめてくる!」
「は?どうやってだよ?今から戻るのつもりか?やめおけよ、もう誰もいねぇよ。」
「うるさい!一瞬で戻る方法がある。」
「はぁ?!お前転移魔法使えるのかよ?やって見せろ。」
「チッ、うるさいな!ここにまた戻るから待ってろ!」
「なるべく早くな。あれなら飯持ってきてくれねぇか?腹へった。」
コイツムカつくな。
レイは近くの木に魔力を少し込めた。
「この木の前に戻る。ちゃんと見とけ。」
「へいへい、いってらっしゃい。」
ルークは適当に返事してその場に腰掛けた。
その際に視線を一瞬落とし、次に前を見た時にレイはいなかった。
「あれ?本当にいねぇ。」
そして、霧の森に転移したはずのレイはなぜだか炎が燃え盛る森にいた。
「うわぁ?!っあっつ!どうなってんだ?!失敗か?ここどこなんだ?」
辺りを見回し、転移前の場所に戻ろうか考えたときふと思った。
転移した木だけ火が弱かった。
自分の魔力によるものだと考えると場所は間違ってない。
じゃあ何で燃えてる?
ルークの話のことを考えると嫌な予感しかしない。
位置的に生活していた場所は北東の辺り。
燃え盛る木々の間からやけた草原の跡地が見えた。
炎の中を勢いで突っ込み、燃え盛る森を何とか抜けた。
途中無意識のうちに闇の能力で炎を打ち消していたが、そんなことを気にする余裕すらなかった。
一瞬のうちに汗が流れ出て顔を赤らめて、辺りを見回した。
森に囲われた草原は焼け野原になり、所々地面が歪んでいた。
「・・・はぁはぁ、みんなは?」
息を切らし、中心部へと走った。
無事でいてくれと強く願いながら焼け野原を走った。
だが、レイの願いはむなしく辿り着いた先にあったのは思い出の故郷ではなかった。
家は崩れ落ち、木造部から火が立ち込めていた。
そして無造作に倒れている家族の死体がレイの目に飛び込んできた。




