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ヤミノクニ  作者: 瓜坊
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憶測2

 ルークは無意識の内に口を半開きにして固まっていた。

「どうしたんだよ、ルーク?大丈夫?」

 固まったてる・・・まさか突然死!

「大丈夫か!おい、死ぬな!」

 ルークの体を激しく揺らし、至近距離から呼びかけるレイ。

「やめんか、うっとうしい!生きてるよ!」

「おお!急に固まったから、死んだかと思ったよ。」

「何でだよ、意味わかんねぇ。」

 ルークは我に帰り平静を装っていたが内心かなり動揺して頭は混乱していた。

 なんだよこいつマジで頭おかしい!

 っていうか何で闇属性保有者が生きてる?

 意味わかんねぇしマジでヤバい。

 いや、もしかしたらこいつの勘違いが新種の属性のタイプかもしれない。

 証拠は何も無い、きっと大丈夫だ。

「そ、そもそもお前闇属性って言うが・・ええと、何か証拠があるのか?」

 レイは少し悩み黙った。

「んー・・証拠と言われてもなぁ。」

「ほらみろ!やっぱりねぇじゃん!」

 ルークがクソガキみたいになりはじめた。

 先ほどまでの不良のような柄の悪さは消えかけていた。

「魔力を消す能力って闇意外であるのか?ぼくのできる魔法はそれしかない。」

「・・・え?」

「どうかしたか?」

 ルークの思考は再び停止し、その頭が真っ白になっていた。

 歴史の中で存在を消された種類の属性が目の前のにいることが信じられなかった。

 只でさえ希少な存在の属性に多少の興奮もあった。

「おっおい、本当にどうしたんだよ?し、死んだ?」

「いや、生きてるぞ。」

 ルークの態度が急変して今度は落ち着いき、静かな表情になった。

「おっおお、そうか。で、どうしたんだよ?てか浮き沈み激しいな急に。」

「お前の言う魔力を消す能力は存在するどの魔法属性のどんなタイプにもそんな力はないはずだ・・・。」

 数秒の間、真剣な顔でレイを見つめた。

 こういう空気に慣れていないレイは場を変えようとふざけはじめた。

「そんな目でみるなよ、なんか恥ずかしいだろ。これが恋の始まりってやつか?!」

 ヘラヘラと笑うレイとは対極的に、ルークの顔は真剣だった。

「な、なんか言ってくれないか?さすがに怖いよ・・・。」

 なんとも言えない空気の中ルークは無言で魔力を行使した。

 バチバチと帯電する体を目にした瞬間、雷属性の魔道士ということはすぐにわかった。

「おっおい!急になんだよ!てか雷属性なのかよ!」

「・・・大丈夫だ、別に殺しゃしない。まともにくらわなければな。」

「っえ?!」

 ルークの体から発生する電気は大きくなり、周囲の草木にも影響し始めた。

 電気の触れた草は瞬時に燃え、木にには焦げ跡がつく程だった。

「おい、やめろ!なにする気だよ!」

「今からお前に雷を投げるから闇で消してみろ。いくぞ!」

 えー、んなこと言われてもなぁ。

 アナ姉さんのを前に受け流したことあるけど魔力はかなりもっていかれた。

 けど、やるしかない。

「・・・わかった。」

 ルークは文字通り帯電させていた雷をレイに投げつけた。

「くたばれ!」

「その掛け声はおかしいだろ!」

 そんな事言ってる場合じゃない!

 レイも魔力を行使し、前に手をかざして盾を創るように闇の魔力を張った。

 実体のない闇魔法は黒煙を漂わせていた。

 ルークの投げた雷が闇に触れた瞬間消滅した。

 消えた・・・やった、成功した!

「はぁはぁ、どうだ!これが闇の魔力だ!」

 高揚するレイを無言で見つめるルーク。

「やった、やった!いやぁ意外と大したことなかったなぁ。もうちょい強めでもよかったけどなぁ。」

 気分がおかしくなって、調子に乗りはじめるレイにイラつくルーク。

「くたばれ!って言ってけど、あんなんじゃくたばるの難しいよなぁ。」

 さらに煽るレイに、血管が切れたルーク。

「ブッ飛ばすぞ、てめぇ!だいたい立場わかってんのか!死刑だぞお前ェ!」

「それってマジなのか?」

「マジだよ!どんだけ世間知らねぇんだ、腹立つな!」

 いまいち実感が湧かないレイはルークの話は冗談だと思っていた。

 能天気なままのレイはルークの次の言葉で感情が一変した。

「だからお前家族に捨てられてこんな僻地に送られたんだよ!」

 捨てられた・・・ぼくが?

「そんなわけ・・・ないだろ。」

 こと大きさを実感し始めたレイ。

 ルークは視線を落として話した。

「お前は本当なら生まれてすぐ殺処分になるはずなんだ。そういう能力なんだよ、闇ってのは。」

 案内状に書いてあった対象の最後の文面を思い出しレイ。

 闇の魔力保持者を一時的に匿った者。

「なぁ・・・ぼくを匿ったみんなはどうなるんだ?」

「・・・そりゃ重罪になるだろうな。死刑だってあり得る。」

「みんなが危ない!戻らないと!」

「戻るって家にか?」

「そうだ!行ってみんなに知らせないと!」

「知ってるだろ、お前のことくらい。知った上でみんな一緒にいたんだろうな。」

 半分呆れた様子のルーク。

「何でそんなことがお前に分かる?」

「何でって知ってて当たり前だからだ。大人から教わったからだよ。お前育てた大人が知らない訳ないだろ。」

 レイは何も言い返せなかった。

 ルークは黙るレイをじっと見て続けた。

「親が子どもに”お前は生まれてきては駄目だ”とは言えないだろ。」


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