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勇者と魔王のサラブレッド〜魔王城を追放されたので、夢だった冒険者になります〜   作者: 勝羅 勝斗
4章 迷宮編

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57、石のゴーレム

魔法陣から現れたゴーレムは青い目で額に青色の宝石のようなものがあり、私たちの10倍はある大きさだった。

あまりの大きさに宝物庫の天井を突き破り、その隙間から太陽の光が差し込んできた。


「なんてデカさだよ!こりゃあまるで巨人だな」

「これは本当にマズイ状況ですね………」


「あっ見てくださいあれ!ゴーレムの額の宝石のようなところに黄金の卵を抱えたミイラがいます!」


私たちがゴーレムの大きさに目を奪われていると、セレナさんがゴーレムの額を指さしながら大声で叫んだ。


「あのミイラはきっと必死であの卵を守ってるのね。みんなあのゴーレムを倒して赤ちゃんを救い出すわよ!」


「おー!」


私が呼びかけるとみんな一斉に返事をしてくれて、その声に反応したのかゴーレムが私たちめがけて拳を向けてきたので各方向へ散らばった。


「アンナ僕たちもあの卵を回収するよ!」


「言われなくてもわかってるわよ!アイツらのことは気に食わないけど、まずはこの邪魔なゴーレムを先に倒すわよ」


「ああ!」


ジャックはそう言うと、私たちの反対側から体から生えているツルを伸ばしてゴーレムの四肢に向けて放った。

けれど、ゴーレムに届く前に虹色の壁が現れて、ジャックのツルを弾き返した。

続けてアンナが空中へ飛び上がり、炎の魔剣でゴーレムの真上から斬撃を繰り出す。


「やぁっ!」


アンナがゴーレムに切り掛かると、再び寸前で虹色の障壁が現れて炎の魔剣の斬撃を跳ね返した。


「えっ弾かれた!?」

「きゃっ!何?魔剣の斬撃が跳ね返された!?」


ジャックはツルが弾かれたことに驚いて、同じようにアンナも魔剣の斬撃が跳ね返されたことに驚いていた。


あれは宝物庫の扉の結界と同じものね………

ってことは魔剣は使えないと思った方が良さそうね………


私は二人の様子を見てそんなことを考えていた。


「みんな聞いて!あのゴーレムは入り口の結界と同じで魔剣は通用しないわ。それと、おそらくだけど魔族の血を引いてる人の攻撃は全く効かないと思うわ!私が戦うからみんなは足止めすることに専念して!」


「なんだよそれ!ってことはお前以外まともに攻撃できないってことじゃねーか!」

「魔族の血を引く私に魔剣以外の攻撃手段ですか。難しいことを言いいますね」


私がそう言うとアリババとイーディスが困惑した表情を見せた。


「でしたらわたくしとローダちゃんでカバーして見せます!」


そして、そのことを聞いてセレナさんが精霊槍を構える。

ここで私は一つの予測を付け加える。


「まったく攻撃できないわけじゃないと思うわ。魔族由来の武器やスキルを使わなければいいはずよ!」


「なるほどな、そういうことなら。こいっ!俺の最強の召喚獣モルジアナ!」


アリババはそう言いながら床に手をつけて召喚獣を呼び出した。

召喚された召喚獣は茶髪のストレートに水色の瞳を持ち、整った顔立ちの女性の姿をしていて、右手には水色の刀身をした大剣を持っていた。


「行け、モルジアナ!」


アリババがモルジアナという女性の姿をした召喚獣に指示を出すと、大剣を振り上げ勢いよくてゴーレムに切りかかった。

すると今度は虹色の結界は出現せずにゴーレムに縦線の深い切り傷がついた。


「おっしゃっ入った!」


その様子を見てアリババはガッポーズをして喜んだ。

そして、このことから私の読み通り魔族由来の攻撃以外ならゴーレムに攻撃できることが確定した。


「なんで私たちの攻撃が効かないのにアイツらの攻撃は効くのよ!意味がわからないわ!」


「落ち着いてアンナ。ここは彼女たちに任せてあのゴーレムを倒してくれるのを待とうよ。それに、この戦いで彼女たちの能力も少しはわかると思うし、体力を温存できて楽できるならいいじゃないか?」


「それもそうね。私たちの目的はあくまでもあの卵の中にいるはずのターゲットを回収することだものね」


一方、ジャックとアンナは宝物庫の壁の隅っこに移動して二人でコソコソと話していた。


「そういうことですか。アリス、私に鉄の剣を貸してください!」

「ええ、いいわよ。使って!」


私はイーディスに向けて鉄の剣を投げて渡した。

イーディスは私から鉄の剣を受け取ると、それを右手に構えて、左手に未来を司どる赤い刀身の魔剣を握った。


「5秒後に左腕のパンチがきます。避けて!」


どうやらイーディスは魔剣の力で未来を見て石のゴーレムが次にしてくる攻撃を先読みしているようだった。

これをきっかけに私たちは石のゴーレムの攻撃を全て避けて、一方的に攻撃していった。


「ウォーターレイン!」


セレナさんが水の玉を何個も空中に作り出して、それを勢いよくぶつけると貫通まではしなかったけれど、石のゴーレムに複数の穴が空いて体制が崩れた。

そこにイーディスがウサギの足に変化させて、地面がめり込むほどの脚力で石のゴーレムに突進して、鉄の剣を使って目にも止まらない速さで切り込んだ。

この攻撃でゴーレムの動体の半分が削れた。

そして、ローダちゃんが空中に飛び上がって鎖でゴーレムの四肢を縛って動きを止めてくれた。


「アリスお姉ちゃんお願い!」

「ローダちゃんありがと!ナイスよ!後は私に任せて!」


私は走りながら飛び上がって、空中で聖剣ミステリオを構える。

そして、少し離れたところから聖剣の虹色の斬撃を飛ばした。


「これで終わりよ!やぁ!」


こうして、石のゴーレムは黄金の卵を抱えたミイラが入った宝石のようなものだけを残して、聖剣ミステリオの虹色の斬撃を受けて真っ二つになって消滅した。

ご覧いただきありがとうございます!

次回更新までまたしばらくお待ちください。

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