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勇者と魔王のサラブレッド〜魔王城を追放されたので、夢だった冒険者になります〜   作者: 勝羅 勝斗
4章 迷宮編

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44、迷宮へ

私は迷宮(ダンジョン)が聳え立っている街に来た。


「着いたー!!あの街の中心にある塔が迷宮(ダンジョン)なのね!」

「そうだよ。………って俺が言いたいのはそんなことじゃねーぇー!!」


私が街の中心にある迷宮(ダンジョン)を見て感動していると、隣にいたアリババが突然大きな声で叫んだ。


「何ようるさいわね!アリババそんなに大声で叫んでどうしたの?」


「どうも、こうもねぇーよ!アリスはくじ引きで当たったからいいとして、なんでお前らがいるんだよ!!」


アリババはそう言って後ろを指さした。


「………………」

「わ~お家がいっぱいだー!!」


「ローダさんあまり遠くへ行ってしまうと迷子になってしまいますよ!わたくしたちから離れないでください」


そこにはイーディス、ローダ、セレナの3人の姿があった。

あの後、迷宮(ダンジョン)に行くためのくじに当選したのは、私とアリババのは2人だった。

くじを引き終わった後にローダちゃんが大声で泣き出して大変だった。

最終的に、ローダちゃんは私が面倒を見るということで一緒に付いて来ることになった。

そして、それが決まるとイーディスさんも、私の護衛という当初の目的が理由で一緒に付いてくることになった。

セレナさんは、出来たばかりの槍を試す目的で付いて来ることになった。

ドロテアさんもクスクスと笑いながら「なんか面白いからOK〜」と言っていた。


「まったく、今回はドロテアさんが2人だって言ってたのに、これじゃーくじびきの意味ねぇーじゃねーか!」


アリババは再び大声で叫んだ。

そして、イーディスさんが目を横にそむけながら言った。


「私はもとよりアリスさんの護衛ですし、半分はウサギなので1人ではなく1羽ですね。なので、ドロテアさんの言っていた2人には入りませんね〜」


「1匹~」

「わたくしは半分魚なので1匹ですね」


3人が揃ってふざけていた。


「おいおい、お前ら!そんな苦しい言い訳が通じるわけねーだろ!都合のいい時だけ自分の半分の種族をだすなよ!」


「ふふっふはははははっ!!」


そんなみんなの様子を見ていて、気づけば私は笑っていた。

こんなふうに、いつまでも皆が笑顔で過ごせたらいいなと思った。


「どうしたんだよアリス?」

「だ、だって3人の言い訳が面白くて〜」

「あー!アリスお姉ちゃんが笑った〜」

「楽しそうですねアリスさん」

「アリスさんが笑った顔とっても素敵ですよ」

「えっ!そ、そう?どうもありがとう〜」


私たちはみんなで笑いながら迷宮(ダンジョン)へ向かって歩き出す。

そして、歩きながらアリババに迷宮(ダンジョン)について聞いてみた。


「ねぇ、アリババ迷宮(ダンジョン)ってどんなところなの?」

「おっ!いいぜ説明してやるよ」


アリババが迷宮(ダンジョン)についていろいろなことを教えてくれた。

迷宮(ダンジョン)は突如出現するもので、洞窟型、地下型、そして今回のような塔型の3種類が存在するという。

内部は地上より空気中の魔力が濃く、出現する魔物も強くなっていること。

最奥には財宝や強力な魔道具が存在するという。

私たちが身につけている混血の特徴を隠すことができるピアスも、アリババが他の迷宮(ダンジョン)で見つけてきたものらしい。

中でも一番驚いたのは、ほとんどの魔剣が迷宮(ダンジョン)内から発見されるということだった。


「そういや、イーディスの魔剣も迷宮(ダンジョン)で手に入れてきたものだもんな」

「えっ!イーディスさんそうなんですか?」

「ええ、そうですね。確かに私の魔剣は迷宮(ダンジョン)で見つけたものですね」


そう言いながらイーディスさんは召喚魔法で魔剣クロノスを取り出した。


「へーそうなのね。知らなかったわ!」

「てかさ、なんでお前ら敬語なんだ?」


突然、アリババが私たちに疑問を投げかけてきた。


「えっ何でってそれは………」


言われてみれば、私とイーディスさんは出会ってからずっと敬語だった。

そういえばどうしてだろう………


「二人は出会ってもう随分経つだろ。アリスよ、俺のことは普通に呼び捨てじゃねぇーか!どうしてだ?」


私はアリババに言われて少しこの違いについて考えてみた。

そして、一つのことが思い浮かんだ。


「う〜んと、相手にタメ語で話されれば同じように返すけど、敬語で話されると敬語で返えしちゃう………みたいな?」


「なんだそりゃあ、なら試しにお互い敬語使わないで呼んでみろよ」

「う〜ん」


私とイーディスは、試しにお互い向かい合って敬語をやめて呼んでみることにした。


「イーディス」

「アリス」


そして、実際に呼んでみると恥ずかしさからか、私たちは笑い合っていた。

そんなやり取りをしていると、気づけば迷宮(ダンジョン)の入り口に到着していた。

迷宮(ダンジョン)の入り口は鏡のようになっていて、目の前にいる私たちが映し出されていた。

私は入り口に着くと、【勇者の慧眼】を使って迷宮(ダンジョン)の内部を見渡した。

すると、全部で5階層あり、途中に炎で覆われた階層と氷で覆われた階層があるのが見えた。


「さぁ、着いたぜお前ら。ここが迷宮(ダンジョン)の入り口だ。俺の見たところこの迷宮(ダンジョン)は全部で5階層だな。みんな、きっと地面とか壁とかにトラップがあるかもしれないから気をつけて進もうぜ」


どうやらその口ぶりから、アリババも内部を把握できているようだった。

けれど、詳しい階層の状況まで言わなかったので、私は補足を入れることにした。


「確かに5階層あるみたいね。途中に炎と氷に覆われた階層があるみたいだから体調を崩さないようにしましょう」


「っ!………………やっぱりな」


私がそう言うとアリババは何かに驚いた表情をして、肩を落としていた。


「さぁ、行きましょ!いざ、迷宮(ダンジョン)へ!」

「おー!!」


私が右腕を突き上げてガッポーズをした。

それにつられてローダちゃんも勢いよく拳を突き上げる。

そして、私たちは迷宮(ダンジョン)に足を踏み入れた。


「ここは………」

中に入ると広い場所に出た。

周りには10通りの分かれ道になっていて、どの道を選べばいいのかわからなかった。


「これはどの道を選べばいいか迷うわね。こういう時は………」

「ちょっと待てアリス!ここは俺に任せろ!」


私は再び【勇者の慧眼】を使って正しい道を選ぼうとしたところでアリババが名乗り出た。

そして、アリババはしゃがみ込んで床に手をついた。


「こういう時は手数で押せばいいんだよ。出よ俺の忠実なる僕たち!」


アリババがそう言うと床に大量の魔法陣が現れて、そこから大勢の泥で出来たゴーレムが現れた。


「どうだ、アリス驚いただろ?これが俺の総勢40体の手下たちだ!」

「そ、そう………す、すごいわね………」


私はドヤ画をするアリババを見て少し引いていた。


「ふんっ!アリスお前はちょっとばかし()()()()()みたいだが、探索は数なんだよ!よし、お前ら全員突撃!」


アリババが10通りの分かれ道を指差しながら指示を出すと、召喚されたコーレムたちは一斉に各道へと分かれて進んで行った。


「おいっ!アリス何でちょっと引いてるんだよ!何か言えよ!」

「………いや、すごいなとは思ったわよ。でも、それだけ?みたいな………」

「なにっ!!」


この後、私とアリババは口喧嘩になった。

そして、私が怒りのあまり足で床を強く踏みつけると、その場に魔法陣が出てきて立っていた場所に穴が空いた。


「きゃー!!」

「うおおぁー!!」


私とアリババはそのまま下に落ちていった。

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これからも更新頑張っていきます!

次回更新までまたしばらくお待ちください。

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