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41、円卓の間

4章突入です!

アーサーサイドの話になります。

笛吹男とアーサーがアリスたちのギルドの街襲撃してから一週間後。

とある山の中にあるアジト円卓の間にて。


この部屋は中央には大きな円卓があり、その周りに9つの席が置かれている。

そのうちの4人が席に座っていて、5つが空席になっている。

今は、腰まで伸びた長い銀髪に白色の肌が特徴の女性。

それから双子の幼い兄妹と猫の顔をした男性の4人だ。


「しかし、あのお方が俺たち全員を集めるとは珍しいな。何かあったのかな?」


「それは次期にわかることだ!そんなことよりまだ全員揃わないのか!この私を待たせてよいのはあの方だけなのだぞ!!」


猫の顔をした男性が口を開いた。

それに答えたのは銀髪で白色の肌の女性だ。


「まぁ落ち着けよ。そのうち来るさ」


しばらくして、円卓の間の扉が開いた。

そして、そこからジャックとアンナが眠った状態のアーサーを連れて一緒に入ってきた。


「どうも〜あら?すでにみなさんお揃いのようで〜」


ジャックは円卓の間に入ると、先に待っていた4人に向けて笑顔で陽気な口調で言い放った。


「遅いぞお前たち!この私を待たせてよいのはっ!」

「ハイハイわかってますってば!俺たちだって遅くなったのには理由があってね〜」

「くだらぬ言い訳は良い!さっさと座らぬか!」

「ヘイヘイ〜」


「ちょっとあんたこっちの話も聞きなさいよ!私とジャックはあの人からアーサーをここに連れてこいって命令さらただけよ!まったくコイツったらすごく重いんだからっ!」


ジャックは銀髪の女性の言葉を頭の後ろで手を組みながら軽い口調で受け流した。

すると、今度はアンナが銀髪の女性に対して大声で怒鳴った。


「アハハハッみんな喧嘩してる〜それにさアイツ目を閉じてるよお兄ちゃん~まだ寝てるのかな?それとももう死んじゃってるのるのかな?」


「こらこら、マルガレーテ。女の子がアイツとか乱暴な言葉を使っちゃいけないよ」

「は〜い。ごめんなさい~」


マルガレーテという少女が笑いながら眠ったままのアーサーを指差した。

それを隣の席に座る少年が言動を注意した。

そのすぐ後に再び扉が開いて黒い顎髭の男が現れた。

そして、ジャックとアンナに声をかけた。


「ジャック、アンナ。アーサーを座らせたら君たちも席につきなさい」

「はい。直ちに」

「かしこまりました」


ジャックとアンナは黒い顎髭の男に言われるがまま、眠った状態のアーサーを二人で席に座れせると、自分たちもそれぞれ空いている席に座った。


「うむ、全員揃ったな。では始めよう」


黒い顎髭の男はジャックとアンナが席につくと、自身も空いている席に座り、胸の前で腕を組んでそう言った。

この時点で9つある席のうち8つの席が埋まり残り1席となった。


「その前に一つよろしいでしょうか。ボス」


黒い顎髭の男が始まりを宣言した直後、猫の顔をした男性が手を挙げた。


「うむ。何かね?」

「まだ、マダラ君が来ておりませんが………これで全員なのでしょうか?」

「これで全員だ。今日はそのことについて話すために皆に私から直々に召集をかけたのだ」

「そうだったのですね。失礼いたしました」


「ではさっそく本題に入ろう。君たちも見ての通りこの円卓の間の席に一つ空席ができてしまった。笛吹君が座っていた席だ。これが何を意味しているかわかるかね?」


黒い顎髭の男はそう言いながら誰も座っていない席を指し示した。


「………………」


円卓の間に沈黙の時間が流れる。


「皆の者。何を言うのに躊躇しておるのだ?一緒にいたアーサーがここにいて笛吹のヤツがいないということは要するに死んだのであろう?」


沈黙を破り黒い顎髭の男の問いかけに答えたのは銀髪の女性だった。


「うむ。まぁ、少し違うが君の言う通りだ」


黒い顎髭の男は銀髪の女性に返答しつつ話を続けた。


「さらに、大変なことに我々がこれまで集めた魔剣が奪われてしまった。これは由々しき事態だ!!」


「アハハハ〜何それ!おっかしいねお兄ちゃん!!」


「こらこら妹よ。たとえ心の中で思っていたとしてもそれは態度に出しちゃダメだよ。それに今は笑うところじゃないよ。僕たちの武器が奪われてしまったんだから」


「ごめんなさい〜」


マルガレーテは黒い顎髭の男の話を聞くと足をばたつかせながら高笑いをした。

それを隣の席に座る兄が再び注意をした。

そして、銀髪の女性が黒い顎髭の男に尋ねる。


「それで?笛吹をやったのはどんなヤツなのだ?」


「それは私もわからないが、笛吹君とアーサー君が直前まで追っていたのがアリスという女性の冒険者だ。彼女も混血という報告を受けている」


「なるほどな。混血の身でありながら我々と敵対し、革命ではなく和平を望む者か。愚かな女よ。そのような夢物語などできるはずがないのにな」


銀髪の女性はそう言ってから大きなため息をついた。


「う〜ん。魔笛でなんでも操れるマダラを倒し、聖剣と魔剣を使いこなすアーサーをここまで追い詰めるとは相当なてだれと見て間違いないな。それにしても、アーサーはずっと眠ったままだがのこの状態は大丈夫なのか?」


「はぁっ!あんた私の回復スキルを疑ってるの?もう傷は完全に治ってるわよ!でも、なぜか知らないけど目をずっと覚さないのよっ!」


「あぁ、アーサーの治療をしたのはアンナだったのか。すまないな、君のスキルを疑っているわけではないよ。まぁ、アリスという冒険者についてはアーサーくんが目を覚ましてから直接聞くしかなさそうだな」


「ああ、そこでだ。皆聞いてくれたまえ」


黒い顎髭の男は手を2回ほど叩いてアンナと猫の顔をした男性の会話を遮って自分に注目させた。


「今後アリスという冒険者と遭遇した場合は可能なら戦闘は避けてターゲットの確保だけに集中するように。今日はそのことを伝えたかったんだ。皆は異論はないかな?」


「「ありません。承知しました」」


黒い顎髭の男の問いかけに全員が満場一致で賛成した。


「それでは今日はこれで終了とする。皆、解散!」

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

ご覧いただきありがとうございます!

次回更新までまたしばらくお待ちください。


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