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23、アリス VS アーサー

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁー」


アーサーが全身を炎に包まれながら大声で叫んでいる。

その様子を見て住人たちが騒ぎ始めた。


「やったぞ!あの金髪のお嬢ちゃんがあの男を丸焼きにしてる!いいぞ!その調子だ頑張れお嬢ちゃん!」


「これで助かるのね!ありがとう!」

「今のうちに子供たちと年寄りを安全なところまで避難させるんだ!」

「ええ!」

「わかった!任せろ!」


アーサーが燃え上がるのを見て、住人たちの中には安堵の声を漏らす人や、この状況をチャンスとみて子供たちやお年寄りを避難させるように指示をする人もいた。


「この男は私が食い止めるわ!だから安心して安全なところへ避難して!」


私は住民に呼びかけながら、アーサーに視線を移して両手に握られた聖剣と魔剣を強く握り直す。

そして、【勇者の慧眼】を使ってアーサーの様子を伺う。


「………っ!」


すると、全身を炎に包まれるアーサーだが、まだ倒れてはいないようだった。


「これだけの炎を受けてもまだ倒れないのね。それなら、これはどうかしら?」


そう言って私は聖剣ミステリオを魔法を使って巨大化させる。

聖剣ミステリオが数秒もしないうちに元の十倍ほどの大きさになった。

私はそのまま巨大化した聖剣ミステリオをアーサーに向かって振り下ろした。


「やぁっ!」

「………っ!」


巨大化した聖剣ミステリオがアーサーに当たる直前に周囲に眩い光が放たれた。


「うう………眩しい!な、なによこれ!」


私はあまりの眩しい光を目の当たりにして目を細めた。

突然周囲に放たれた光は一瞬にして消えて、私が目を開けるとさっきまでアーサーの全身を包み込んでいた炎が消えていて、目の前には火傷の跡一つないアーサーが不気味な笑みを浮かべながら立っていた。


「全身を包んでいた炎が消えた!それに、あれだけの炎を受けておいて火傷の跡一つ残らないなんて!」


「いや〜効いた効いた〜」

「っ!………冗談が下手ね。火傷の跡一つない人の言うことじゃないわよ?」


「そんなことないぜ?俺も今までこんなに強力な攻撃はくらったことなかったから焦っちまったぜ〜」


アーサーの態度からはまだまだ余力があるように感じ取れた。


あの炎の攻撃を喰らっても全くダメージがないなんてどう考えてもおかしいわよね………

普通に考えてさっきのはアーサーのスキルなのかしら?

もしそうだとしたら少し厄介ね………

もう少し様子を見る必要がありそうね………


「さてと、熱い一撃をくれたお礼をしなくちゃな。今度はこっちの番だ!」


アーサーはそう言うと炎の魔剣プラーミアを地面に突き刺した。

すると、アーサーの周りを炎が丸く囲んだ。


「さあ、この攻撃をどうかわすかな?行け!」


アーサーが叫ぶと、周りを囲んでいた炎が徐々に広がっていき、私以外にも近くにある建物や逃げ惑う人々にも炎が迫ってきた。


「くっこれは!」


斬撃で打ち消すのは間に合わないわね………

だったら!


私は逃げ惑う住人たちを守るために、右眼を見開いて【破壊の魔眼】で円状に広がった炎を一瞬で打ち消した。


「な、なんだ今のは!剣の能力を使わずに魔剣の炎を消しただと!?ありえねぇ………」


アーサーは私が魔剣の炎を一瞬で消し去ったことに目を見開いて驚いていた。


「何ってその魔剣の炎を消しただけよ?」

「チッ調子に乗りやがって!!」


アーサーはそう言いながら再び住人たちの方へと視線を向けて、今度は炎の斬撃に加えて聖剣の光の斬撃も重ねて放った。


「斬撃がこっちに飛んでくるぞ!みんな逃げろー」

「うわっー」

「きゃっー」


また住人たちに向かって攻撃を!

まったく卑怯な男ね!

正々堂々戦いなさいよ!


「はっ!」


私はすぐに住民たちに向けられた斬撃をさっきと同じように【破壊の魔眼】で無効化する。


「チッまたか!俺の斬撃を消しやがった!なんなんだよいったい………」

「さぁ、なにかしらね〜戦いながらじっくり考えなさい!そんな余裕があるならね!」

「チッ」


鏡の魔剣スペクルムの剣先を真上に向けて、数えきれないほどの分身を作り出し、すべての剣先をアーサーへ向ける。


「やぁっ!」


そして、無数の鏡の魔剣スペクルムの分身を一斉にアーサーへ向けて放った。


「バカなヤツだな!聖剣使い相手に魔剣で攻撃するなんてなぁ!」


そう言って、アーサーは聖剣エクスカリバーを勢いよく振り切って、無数の鏡の魔剣スペクルムを一撃ですべて断ち切った。

断ち切られた鏡の魔剣スペクルムの分身は粉々に割れて、まるで雪のように周囲に降り注いだ。

そして、アーサーの視界いっぱいに鏡の魔剣スペクルムの破片が広がり埋め尽くされた。


「チッ魔剣の破片のせいで前がまったく見えねぇクソ、アイツどこいきやがった!」

「ここよ!」

「な!?………ぐはっ!」


私は、鏡の魔剣スペクルムの破片が降り注ぐ中を聖剣ミステリオを握りしめながら一直線にアーサーのふところに飛び込んだ。

そして、アーサーの腹を聖剣ミステリオで貫いた。

ご覧いただきありがとうございます!

次回更新までまたしばらくお待ちください。

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