#7 自覚 ・・・残り94日・・・
更新遅れてすみません┏●
今回、長いです。
久しぶりに、作者のセリフがあります。
< >で囲っているのが作者のセリフです┏●
お楽しみ下さい┏●
今日は苦手な現国が1限目から入っていた。
それでも単位の為、仕方なく出るしかない。
途中で抜け出してもバレない事で有名な教授だったが、俺は抜け出れない。
実は、昨日の委員長キャラの女子が、現国の時だけ俺の後ろに座るからだ。
ちなみに、悪友の奴は現国を取っていない。
眠気に支配されている体に鞭を打ち、大学への道を自転車で進む。
胡散臭い占い師は今日は居なかった。
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(初っ端から現国はマジでキツイな・・・寝てたらまた何か言われそうだし・・・ちゃんと受けるか。)
やはり俺の後ろには、あの子が座った。
憂鬱な気分になっていると、教授が入ってきて、講義が始まった。
開始10分。
早くも5人ほど抜け出したが、教授は気付いていない。
(俺もやっぱり抜け出して・・・)
そう考えていると、教授が俺の方を睨んできた。
(ヤベッ声に出てたのか・・・)
「失礼・・・そこの男子。講義を聞く気が無いなら、退室しても構わないが?」
「い、いえ・・・ちゃんと聞きます・・・」
「よろしい・・・(次、抜け出すとか考えたら、許さないよ?)」
(え・・・・・・何で俺の考えてた事が・・・気のせいだよな・・・教授は、よろしいってだけ言ったんだよな・・・)
「はい、あとは板書して下さい。(1人でゴチャゴチャ考える暇があるなら、板書しな。まぁ私は君が単位不足になろうと気にしないけどね。)」
(やっぱり俺の事だよな・・・でも心の声が聞こえるなんてオカルトじゃあるまいし・・・)
「早く板書しなさいよ・・・現国くらいは、単位取らないと、親に怒られるわよ・・・?」
後ろから小声で言われた。
俺は頷くだけにして、板書に集中しようとしたが・・・
(後ろ姿もカッコイイし、私の言葉に頷いてくれたわ!!いい匂いもするし、この席を取れた事は神様に感謝だわ!!)
(やっぱり心の声ってのが聞こえるのか?いやいやそんな訳無いし・・・)
(うるさいね〜。そんなに気になるなら、聞かないようにしな。君ならそれくらい出来るだろう?)
(教授・・・?何で俺の頭の中に声が?)
「うるさいね!!そんなに気になるなら、この後、私の研究室に来なっ!!」
その瞬間、生徒全員がビクッと肩を震わせ、教授は少しだけ赤面していた。
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「失礼しま〜す・・・あの〜。教授?」
「あぁ。そこに座んな。」
「失礼します・・・」
(ったく。今更、メンタル・リーディングに目覚めたからって大袈裟なのよ。)
(メンタル・リーディング?それってどうゆう・・・って、この考えも教授には聞こえて・・・)
(聞こえる。メンタル・リーディングは口で発さず、耳で拾わない。心で発し、心で拾う。これくらい学舎で習っただろう?)
(学舎?小学校じゃなくて?)
(はぁ?何言ってんのさ?メンタル・リーディングが使えるって事は君も、あちら側から来たんだろう?)
(あちら側って・・・教授は何を言ってるんですか?)
(なるほど・・・家に帰ったら両親に聞きな。私の名前を出せば分かるハズ。いいかい?私の名前は・・・シュレナ・ファン良く覚えて置くんだよ?)
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俺は教授の言った事で頭がいっぱいだった。
その後の講義も入ってこず、昼休みになってもボーッとしていた。
ピコンッ!
『こんにちはR君♪苦手な現国、お疲れ様!私の朝食はサンドイッチです(笑)R君は沢山食べてね!!』
『こんにちはレイさん。ありがとうございます。その現国で少し悩みが出来ちゃって・・・解決したら、話しますね♪不思議な話なんですよ(笑)』
『それは楽しみ♪私、不思議な話、大好きなの!!(笑)妖精さんにでも会えたのかしら?(笑)』
『妖精が居るなら、俺も会ってみたいですよ(笑)それじゃあ、また連絡しますね♪』
『は〜い♪午後も頑張ってね♡』
やっぱりレイさんとのやり取りだけが癒しだな・・・
ハートマークも付けてくれるし♪
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午後の講義は、2限目からに比べると集中は出来た。
問題はこれからだ・・・
家に帰って来て、リビングで親父の帰りを待っている。
母さんには、大事な話があるとだけ言った。
久しぶりにリビングに居る気がする。
俺は最近、レイさんとのメールに真剣で、自分の部屋に篭って居ることが多かった。
リビングに居ても、やる事は変わりない。
レイさんは、旦那さんが珍しく早く帰ってくるそうで、メールは送れない。
『子供が熱出してて、メールほとんどチェックしてなかったのよ〜♪R君は元気だった?』
『元気でしたよ(笑)夏美ちゃんは熱出てないんですか?』
『出てないわよ〜(笑)そうそう!R君と住み近いから、会いたいなぁって思ってたんだよ♡』
(俺と夏美ちゃんって、やり取りしてから日が浅いのに会いたいって・・・)
『もうちょっと仲良くなってから会いましょうよ(笑)俺、夏美ちゃんの事あんまり知らないし・・・』
『会ってから知り合いましょうよ〜♡彼女さんとか居たりした?居ないなら夏美ちゃんと・・・い♡い♡こ♡と♡しょ♡』
『彼女は居ないですけど・・・いい事って・・・』
『私から言わせないでよ〜(笑)(チッ!さっさと喜んで恥晒せよな。どうせシた事無い癖に。)』
(嘘だろ・・・メールでまで、メンタル・リーディングってのが出来るのかよ。顔が見えないから、メール特有の楽しさがあったのに・・・この人ブロックしなくちゃな。トラブルに巻き込まれるのも嫌だし。)
『すいません。俺は遠慮します。ごめんなさい。もう、連絡して来ないで下さい。』
そう送ってブロックした。
<初めは優しいとか、気が合うって思った人こそ、警戒が必要だと悟った。
メンタル・リーディングが無かったら、俺はトラブルに巻き込まれただろう。
SNSや、こうゆうサイトだからこそ、女性には気を付けないと面倒な問題に発展する事が多い・・・
調子に乗って、「好きだよ♡」等を送り顔写真まで送る人も居るが、トラブルにならないとは決して言えない・・・
好きな気持ちは、呪いと同じ。
大きな好意は、裏返すと、相手を殺しかね無いSNS時代だからこそ、気を付けないとですよ?
読者の皆様は、もちろん分かってますよね♪
トラブルが起きてからじゃ遅いんです・・・好意が殺意に変わると心にベッタリ染み付いて取れませんよ・・・フフフッ・・・>
そうこうしていると、親父が帰って来てた。
晩御飯を食べお茶を飲む両親を見ながら切り出した。
「親父。母さん。シュレナ・ファンさんって知ってる?」
母さんは、湯呑みをゴトッとテーブルに落として、親父は口をポカーンと開けた。
「お、お前・・・誰にその名を聞いた?本人に言われたか?知らない人に言われたか?」
「あ、あなた・・・この子・・・もしかして・・・」
そんなに同様する事なのか?
俺はただ、教授に言われた名前を言っただけだ。
教授は、私の名前って言ってたけど、知り合いの名前とか、それこそ小説家のペンネームかも知れないのに。
(せがれよ・・・俺のせがれよ・・・この声が聞こえるか?)
(何だよ、せがれって(笑)そんな風に言われた事1度も無いけど。)
(完璧にメンタル・リーディングが出来るのか・・・明日は大学を休め。俺が連絡しとくから、お前は家にいろ。いいな?)
(分かったよ・・・それで、シュレナ・ファンさんの事なんだけど・・・)
(それも明日だ。今日はもう寝ろ。)
それっきり、親父も母さんも口を閉ざしていた。
だが、表情だけは2人して忙しなく変えていた。
俺は不思議に思いながらも、眠りについた。