6話 もうこはん
「あれ? まどかちゃんリアと普通に話せるの? 気まずそうにしてなかった??」
タイミング悪く意識を取り戻した青蜜は俺の顔を覗き込みながら尋ねてきた。
「そうじゃったのか? まぁ確かに今思えば我もあの時はやり過ぎたかも知れんな。 どうやらまどかもあの事を秘密にしてくれているみたいだし、此処らで許してやろうかのぅ」
マジか!
「本当か? 良かった!!」
「結局何があったの? って聞いたら駄目よね。 秘密にする条件で許して貰ったのに」
「あぁ、あんまり話す様な内容じゃないしな」
……いや、今はそんな事より結衣ちゃんを探さないと!
それに本当にそんな大した秘密でもないんだよな。 ただ俺が繋がるか確認の連絡をした時のタイミングが最悪だったってだけの事だし。
「正直俺は今でもそんなに悪い事したと思ってないんだよな。
あの時は青蜜がリアのお尻を100回叩いた日の夜だったから、連絡した時のスマホの画面に赤くなったお尻を鏡で確認してるリアの姿が映っただけだし。
まぁその時にリアのお尻にハート型の蒙古斑があって、それを見たのを怒っているんだとは思うけど。
だけどいくらなんでも怒りすぎだよな、子供の裸なんてこっちは全く興味ないのに、一丁前に恥ずかしがってたのも調子狂うしなぁ。
リアってそんな歳じゃなっ」
「あー! ま、まどかちゃん! 出てる! 出てるって!!」
「は? 出てるって何を……はっ!!」
ど、どこから声に出てたんだ?
俺は恐る恐るスマホの画面に目を戻す。
「ま、まどかよ。 ど、どうやらお主まだ少し勘違いしておる様じゃな? あれは決して蒙古斑では無いと何回言えばわかるのじゃ? ん? そうじゃろ??」
顔を真っ赤に染め目に涙を溜めながらリアは震えた声を出す。
うわぁ……絶対怒ってる。 でも今ならまだ許してくれるそうだ。
「あれは完全に蒙古斑だった」けど、ここは話を合わせよう、紋章みたいな事言っとけば許してくれるだろうし。
「も、もも蒙古斑なんかじゃないわー! まどかの阿呆ー!!」
スマホが割れそうな程の大声でリアは叫けび、その大声に釣られる様に辺りの森が急に騒めき出す。
こ、これ何かのうめき声だよね? 青蜜の腹の音とかじゃ無いよね? リアがさっき言ってた魔物の声だったりしないよね??
「り、リアさん? その、わざとじゃないんだって! 謝る、謝るから!! 助けてください!!」
手に持ったスマホに俺は必死に呼びかけたが、その画面に再びリアの姿が映る事は無かった。
き、切られてるし。 ってかスキル発動しすぎだろ! ダダ漏れ状態じゃねぇーか!
……やばいな、これ今まで一番のピンチなのかもしれない。
剣も盾も居ない状況に俺は恐怖しつつも、それでも青蜜ならなんとかしてくれるのではと期待の目を向けた。
「そ、そんな目で見ないでよ。 この状況で私に出来る事なんて何も無いわよ」
……それいつもの俺の台詞。
おっさんが居ないとポンコツの役目は俺なんだとこんな状況で再認識させられた。




