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メロメロにしてあげる。 2


 このメスガキがっ!! 舐めてると潰っ………って馬鹿野郎っ!! 

 お、落ち着け俺!! これは明らかな罠だろ!!

 メロの事だ、どうせ俺が絶対勝てない様なゲームを持ってくるに決まってるだろ!!

 

 こんなメスガキに付き合った所で碌な事にはならないんだ、簡単に騙されるなっ!!

 

 

「あれ?? もしかしてあんまり乗り気じゃない?? お兄ちゃんなら喜ぶと思ったんだけどなぁー。 私のこのおっぱいだって触り放題なんだよ??」

 

 自分の胸に手を置いてメロは挑発する様に俺を見つめる。



「ふぅー……甘いな。 俺だって馬鹿じゃないんだ、こう言う時は大抵何か裏がある事くらいわかるさ。 

 悪いけどその手には乗らないよ、大方俺の苦手なゲームでもするんだろ?? 

 それにもし俺が負けたら何をさせられるかわからないからな」

 

 こう見えても俺は偽物とは言え数千個のおっぱいを揉んだ男だからな。 こんな見え見えの挑発には乗らないぜ。


 ……なんか自分で言ってて悲しくなるな。



「え?? 別にお兄ちゃんが負けても何もないわよ?? それに何のゲームをするかだってお兄ちゃんが決めても良いわ。 

 私はただ本気のお兄ちゃんと戦いたいだけだもん」

 

「……いや、でも絶対何か裏があるよね??」

 

「はぁー、そんなに私の事が信用出来ないの??」

 

「し、信用出来ない訳じゃないんだけど」

 

 


 ど、どうしよう?? もしかして本当に真剣勝負がしたいだけなのかな?? だったら少しだけやって見ても良いのかな?? 

 少なくとも俺にデメリットは無いんだし……。

 

 

「あー、なるほど! お兄ちゃんは私の年齢を気にしてるのね??」

 

「えっ??」

 

「惚けなくて良いわ、リアの話じゃ私はこの世界ではかなり若いみたいだもの。 敬遠する気持ちはわかるわ」

 

「……」

 

 やべぇ、全然気にしてなかったわ。 あぶねぇー、そうだよな!! メロってまだ人間年齢だと15歳とかだもんな!! 犯罪だよ、犯罪!! 


 いや、別にエロい事して貰おうと思ってた訳じゃ無いけどね?? 本当に!!

 

「そ、そうそう!! いくらなんでもメロの身体を好き勝手になんてっ」

 

「安心して、これでも私は淫魔の王なのよ?? お兄ちゃんが気にする事なんて何一つもないんだから」

 

「い、いやでも日本の法律的にっ」

 

「魔族に法律なんて関係ないわ、それに……」

 

 そう言うとメロはゆっくりと俺の元に近付いて耳打ちする。

 

「ここはお兄ちゃんの夢の中なのよ?? 私に何をさせても、どんな要求をしても誰にもバレる事なんてない。

 お兄ちゃんと私だけの秘密なんだから」

 


「……た、対戦するゲームは俺が選んでも良いんだよな??」

 

「えぇ、お兄ちゃんは弱いからハンデが必要だもんね」

 

「……」

 

 


 や、やってやろうじゃねぇーか!! この生意気なメスガキを完膚無きまでに叩き潰してやらぁ!!

 あんまり男をなめるとどうなるかその身を持ってわからせてやるわ!!

 

 

「ふふっ、決まりね。 随分と良い顔になったじゃない、それでこそ私のお兄ちゃんだわ。 

 じゃあ早速勝負といきましょうか、お兄ちゃんはどんなゲームで戦いたいのかしら??」

 

「そうだな……これなんてどうだ??」

 

 俺は部屋にあったゲームソフトを掴み、そのままメロへ手渡す。

 

「何これ?? 色々なキャラが居るみたいだけど、もしかして格闘ゲーム??」

 

「あぁ、俺もあんまりやった事ないけどこの手のゲームなら勝敗ははっきりと決まるしな」

 

「ふぅーん、まぁ何でも良いけど」

 

 俺から受け取ったソフトを手に持ち、メロはいつもの様に準備を始めた。

 

 

 ……良し、やっぱり予想通りメロは格ゲーをあんまり知らないみたいだな。 戦略ゲームは負けてばっかりだけど、これなら十分チャンスはある!! 

 さっきはあんまりやった事ないとか言ったけど、前作なら中学生の頃に結構やったんだ!!  

 

 メロがどれだけ対応出来るかは未知数だがこのゲームはアイテムもいっぱいあるからな、運が良ければ勝てる筈だ!!

 

「準備出来たわ!! 早速始めましょう!!」

 

「わ、わかった」

 

 メロからコントローラを受け取った俺は慎重にキャラを選択する。

 

 さてどうするか……ってかキャラ多いな。 こんな居たっけ?? ちょっと大乱闘すぎない?? 

 


「そんなに悩む事なの??」

 

「当たり前だろ!! 一回限りの大勝負だぞ?? こんな大きなチャンスを無駄にするわけにはっ」

 

「一回限り?? 一回しかやらないの??」

 

「えっ??」

 

 既にキャラ選択を終えていたメロは首を傾げて続ける。

 

「別に何回でも挑戦して良いのよ?? お兄ちゃんが負けを認めるまで私は付き合ってあげるわ。 その中で一回でも勝てばさっきの約束は守ってあげるし」

 

「……マジ??」

 

「うんっ!!」

 

 

 ……勝った、これは勝ち確だわ。 もうキャラなんて誰でも良い、ちょっと運が良ければいつかは絶対勝てるもん!! 

 

 あれ?? つまりさ、これってメロにとっても勝負は二の次って事じゃないのか??

 メロなりのお誘いって意味だよな?? 

 

 

 ありがとう、神様、夢とは言え感謝します!!


 

「そ、そう言う事なら俺はこいつにしようかな」

 

「決まりね!! 始めるわよ!!」

 

「あぁ、勝負開始だ!!」

 

 



 


 ~5分後~

 


「はい私のかちぃー!! お兄ちゃんも惜しかったけどちょっと運がなかったわね!!」

 

「ま、まぁ最初はこんなもんだよな。 もう一回やろうぜ」

 

「うん、良いよ!!」

 



 

 ~30分後~

 


「これで私の5連勝ー!! やったぁ!!」

 

「……もっかい!!」

 

 



 

 ~2時間後~

 

「ぷっ、お兄ちゃん雑魚すぎぃ!!  全然相手にならないんだけど!! あーあ、このままじゃ特別な事はさせてあげられないなぁ、残念」

 

「ま、まだまだぁ!!」

 

 



 

 ~8時間後~ 

 

「ふぅー、楽しかった!! そろそろお兄ちゃんが起きる時間だからここら辺で終わりだね!! 

 今日は私の87連勝!! 次回までに何でこんなに負けたかちゃんと考えたほうが良いよ、雑魚お兄ちゃん!! またねっ!!」

 


 

 満足した様に身体を伸ばしメロはそう言い残して俺の前から姿を消した。

 


 

「……」

 

 

 ……いや、話が違うじゃん!! えっ?? 

 イチャイチャする流れだったんじゃないの?? 

 メスガキわからせ待ったなしって事だと思ってたんだが??



 ってか87連敗って!! こんなに負ける事ある?? いつの間にか全キャラ使ったんだけど??



 ……おかしいって、いくら何でも有りえないだろ。

 確かにメロは上手かったけどさ、いくら何でも87連敗って……情けねぇーよ俺。

 

 


「いや、俺のせいじゃないだろ!! これがクソゲーなんだよ!! バランス崩壊してるんだよ!! ふざけんなよ!! マジで二度とやらねぇからな、こんなゲーム………まぁでもこのキャラは使いやすかったな」

 


 投げ飛ばしたコントローラを拾って俺は現実世界の自分が目を覚ますまで夢の中でひたすらそのゲームをしていた。



「見てろよ!! 次こそは絶対に勝ってやるわ!!」

 


 

 メロがこのゲームをやりこんでいた事、夢の中で自由に立ち回れるメロ相手に勝つなんてそもそも不可能だった事に俺が気付いたのは403連敗もしてからだった。

色々と私用が重なり全然更新出来ずにすいませんでした。


正直このまま辞めようかとも考えましたが、折角最終章まで来たのでこれからまた続けて行こうと思います。 ペースが遅くて申し訳ないですが、これからも読んで頂けると嬉しいです。

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