35話 犯罪ロリ
「あかねちゃん!! 良かった、目を覚ましたんですね!!」
「ええ、心配かけたわね結衣」
「本当ですよっ!! 本当に心配したんですから!! うぅ、ごめんなさいあかねちゃん」
「何で結衣が謝るのよ。 何も気にしてないわ、だから泣かないで??」
「そうよ、全部ブルーちゃんの力が足りなかったのが原因だからね。
それにしてもブルーちゃん寝癖凄いわよ……ちょっと来なさい、整えてあげるから」
「あ、ありがとう。 ふふっ、今日は随分と優しいのねルカ」
「ふ、ふん。 私はいつも優しいわよ」
「おっ、青っ子よ。 ならその間に我の髪を結うてはくれぬか??
この間やってくれた三つ編みと言う結び方があるじゃろ?? それをやって欲しいのじゃ!!」
「……はいはい、わかったわ。 じゃあこっちに頭を向けなさい」
「うむ、優しく頼むぞ!! 貧乳っ子に頼んだ時は髪を引き千切られると思ったからのぅ。 全くあの馬鹿ちからっ」
「あらぁ?? 何か言いましたかリアさん??」
「ベツニナニモイッテナイ!!」
青蜜が帰って来た事が余程嬉しいのか、みんなは直ぐに青蜜の元へと駆け寄る。
何だがこんな光景を見るのも久し振りな気がするな、俺が見たかったのはこんな日常だった気がするわ………で、でもちょっと仲良過ぎない??
いつの間にか姉妹みたいな距離感じゃん??
みんな俺とはそこまで進展してないよね??
なんか嬉しいけど寂しいんだけどっ!!
「……さてと、お兄ちゃん私のお腹に触ってもらえるかな??」
「え?? あぁ」
俺はメロに促されるままにお腹に手を当てる。
いいなぁ、俺もあんな兄弟みたいな友達欲しいなぁー。
でも俺の周りいる男っておっさんしか居ないからな………ん?? なんだこの感覚?? 凄い手触りの良いな。
……あれ?? メロさ、今なんて言ってた??
嫌な予感と感じ急いで自分の手の位置を確認する。
「えっーと……メロさん何やっての??」
「あんっ、手を動かさないでお兄ちゃん。 今大事な所だから」
そう言うとメロは俺の手を使って自分のお腹をハート型に摩る。
いや、マジで何やってのこの子??
大丈夫だよね?? 変な事してないよね??
「ふぅ……これで契約終了よ、お兄ちゃんっ!!」
「……な、なんの契約??」
「もうっ、それを私の口から言わせるの?? お兄ちゃんって見た目によらず結構Sなんだね!!」
メロはうっとりとした顔を浮かべながら続けて話す。
「淫魔の生涯契約よ……今この瞬間から、私はお兄ちゃんの物になったの。
これはその証、お兄ちゃんさっき言ってくれたでしょ??
私と一緒に死んでくれるって。 淫魔が言って欲しいプロポーズランキング一位の言葉を言ってくれるなんて……お兄ちゃん、最高に格好良かったよ」
シャツを捲し上げお腹に刻まれたハート型の証とやらを俺に見せつけながらメロは照れた様に顔を赤く染める。
生涯契約?? プロポーズ?? ってかランキングなんてあるだな。
淫魔の国ってのも案外日本と大差なかったりして!!
って違う違う!! それも気になったけど今は良い!!
えっ?? どう言う状況?? メロって魔王だよね??
そんな簡単に生涯契約とか結んじゃって良いの??
困惑する俺にメロは尚も恥ずかしそうに告げる。
「ね、ねぇお兄ちゃん?? 今日はもう疲れたし一旦お開きにして、これからの事はまた明日にでも話し合わない??
そのぅ、私の中にもね……証が欲しいの」
「っ!!」
や、やばいって!! こんなの俺には断れねぇ……童貞が言って欲しいランキング一位の言葉じゃん!!
ごめん、嘘ついた!! でもそのくらいの威力があるのは間違いないわ!!
……まぁ確かに今日は疲れたしな。
青蜜の無事が確認出来ただけでも大収穫だ!!
それに今回の俺はかなり頑張った!! と思う!! だからさ……たまには報われても良いよな??
俺でもわかる!! これは完全に流れがキテル!!
「……おい、まどかよ、何じゃそれは」
「えっ?? あー、嘘、嘘!! 本心ではそんな事思ってないよ??
当然じゃん!! みんな真剣なのに俺だけそんな不純なっ」
「お主の心の内など聞いてないわい!!
そ、その淫紋は何じゃと聞いとるんじゃ!!」
メロのお腹を指差し、リアが怒りに震えた声で叫ぶ。
……何だよ。 また俺のスキルが発動したかと思ったじゃねぇーか。
ってか今、淫紋って言った?? やっぱこれそう言う類のやつなの??
うわぁー、初めて見たわ!!
なんかありがとう……実在してくれてありがとうございます!!
「お、お主……まさか淫魔と生涯契約を結んだのか??」
「そうよ?? 何よ、別に良いじゃない?? 私とお兄ちゃんの仲なんだし」
「生涯契約ですって?? ……ダーリン、どう言う事か説明して貰えるかしら??」
「え?? あっ、それはっ」
やばいっ!! なんか良い言い訳を考えなきゃ!!
世界救う前に身内に殺される!!
「まどかさん、ついにそんな幼い子にまで」
……うん、これはその通りだ。 メロの見た目ってリアより少し年上くらいの小学生だもんな、こんなの普通なら犯罪だよな。
だ、だが!! メロは魔族だ!!
どうせこんな見た目して実年齢はかなり上なんだろ??
俺とか結衣ちゃんの事を子供扱いしてたし!! だったらリアと同じく合法ロリだろ!!
見た目の若さなんて関係無い!! よね??
「何よ、煩いわね。 私とお兄ちゃんが契約を交わした所で別に貴方達には関係ないでしょ??
それに何度も言うけど私は貴方よりずっと年上だから」
ほらな?? だから別にっ。
「小娘よ、ちなみに歳はいくつじゃ??」
「155歳よ」
あっ、結構行ってる……まぁリア程じゃないか。
まぁ何はともあれそれだけ歳を重ねてるなら後は当人の問題だしな。
ここはしれっと押し切ろう、それが最適解だ!!
「メ、メロが大人なのはわかってた事だろう?? それと契約の事については俺も詳しくはっ」
「ば、馬鹿もん!! あくまでそれは淫魔としての歳じゃぞ??
此奴らの世界では1ヶ月に1歳ずつ歳をとるのじゃ!! わかるか?? 155年じゃなく155ヶ月じゃ!!」
リアは俺の言葉を遮り、呆れた口調でそう叫んだ。
155ヶ月?? えっーと、つまり……13歳くらいって事か??
……それはダメじゃん。 合法ロリじゃないじゃん、犯罪ロリじゃん!! いや、犯罪ロリって何だよ。 元々犯罪だわ。
って事は何?? 俺は13歳の女の子に生涯契約なんてさせてさ、淫紋なんてものを刻ませちゃったって事??
「……そ、そんな目で見ないでよ、まどかちゃん。 私、これでも病み上がりなんだから」
俺が縋るように見つめた青蜜が申し訳なさそうに視線を逸らす。
……そっかぁ、選択肢間違えてたかぁ。 最低な事をしてしまったな、俺。
全員が口を紡ぐ中、メロのお腹の紋章は未だ綺麗に輝いていた。




