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第3問
答えは『2分だな』
俺は紙の解答欄に記載をして指示通り一枚千切って壁にある穴へと投函した。
少し寒気を感じて部屋の天井の隅に設置されているカメラに視線を向ける。
そこで気付いた。
この部屋のカメラの位置がおかしい…
普通カメラの映像と言うものは死角を出来るだけ無くすように設置するものだ。
にもかかわらず旧式のカメラタイプの形をしたそれは入り口をメインに捕らえていた。
他の場所からは絶対に出れないからか?
壁には人が入れないほど小さな通気口しかなく見回しても何もないのがすぐに見てとれた。
そうこうしている間に再びあの声が聞こえてきた。
「それでは第3問を開始する」
指示が聞こえ思考を切り替えて再び机の上の紙に注目する。
炙り出しとも違う、浮かび上がる問題に指を触れるが邪魔されること無く問題は写し出された。
第3問
次のうち最も解答が小さくなるのはどれ?
5+8
2×6
100÷5
49―35
11÷0
6+7
なぜ俺はこんな簡単な問題をやらされているのか…
こんな糞みたいな問題を作った馬鹿に自分の命が測られていることに怒りを覚えながら俺は答えを書いた…