プロローグ~幸せはあなたのすぐ側に~
大地に注がれる雨。
俺の体に刺さる、無数の黒い槍。
「神■、お■が■■■■、■■あ■て!」
偉大な森を想像させる綺麗な緑の髪を持つ少女は涙を流しながら必死に俺に何かを伝えようとしている。
だが、何故かよくきこえない。
「神十!おね■いだか■■をあ■■!」ーー
「ジリリリリリッ」
いつも通りの音を鳴らす時計で目を覚ます。
いつも通りの朝。
ひとつ違うのは悪夢を見た事くらい、
布団を片付け、朝の身支度を済ませる。
「神十、朝ご飯が出来たから早くいらっしゃい」
笑顔で俺に呼びかけに来たのは、矢森 春美 俺の母だ。
俺は母さんに「わかった、今行く」と一言告げて母さんと共に広間に向かう。
広間にある、机の上には鮮やかな桃色の塩鮭と油揚げのお味噌汁そして、白いご飯が乗っていた。
俺が机の前に座ると、神主の俺の父、矢森 幸大 が廊下をゆっくり歩いてきた。
俺の家は矢森神社という神社なのだ。
「神十、春、おはよう」
ニコッ、と笑いながら俺の横に座る。
俺と母さんは「おはよう」と父さん返した。
母さんは俺の反対側の席に座った。
「冷めないうちに召し上がれ」
そう言って母さんは笑った。
俺が手をあわせると母さんと父さんも手を合わせた。
「「「いただきます」」」
私が初めて作る小説です
暖かい目で見守ってくれるとありがたいです
ーーーーーーーーーーーーー鳥丸より