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08話 天才軍師に異世界補正=頭脳とか置いといて火力がヤバイ



 だべりながら大国ティーラスを目指してのお空の旅の途中。

 広大な草原はよかった。本当に気持ちいい。


 しかし山超えに問題があった。


「ああーもう! うっとうしい!」

「ご主君、神気の補給にもなりますし対処しましょう。魔石や素材も換金できるでしょう」


 飛行型の魔物がバシバシ絡んで来る。


「初戦闘激しすぎだろ!」

「フォローは致します。落ち着いてご対処下さい」


 魔物は死ぬと魔石だけを残すタイプと、肉体も素材として残すタイプに分かれる。

 要は魔素"だけ"で構成されている部分は残らないってことだな。


 そしてコイツらは全部後者。素材回収の手間もかかるってことさ。




 アイテムバッグに収納するためには、対象をアイテムバッグの口につける必要がある。


 つまり、この空の戦闘で素材を取るには、できるだけ近接でとどめをささなければいけない。


「コウメイさーん。アイテムバッグもたない?」

「お断りします。私、近接戦闘は苦手でしてね」


「じゃあサクラ!」

「あたしが殺したら、神気が溢れるわよ?それに自慢じゃないけど戦闘は苦手よ!」




 というわけで、ほぼ俺がやるはめになっていて……

 アイスソード! エアカッター! うわまた新手かよ……エアシールド!

 あーソード消えた! アイスソード! うわってめえ噛むな! ストーンバレット!

 このありさまである。




「なぁ……もう素材よくない? だるいわ。コウメイ遠隔でいいからやっちゃってよ」

「そうですね。そろそろいいでしょう。ご主君、サクラ殿。私より上空に移動して下さい」


「聞いてたかユユ。コウメイよりも上にいこう」

「ワン!」


 返り血でえらいことになっているユユと一緒に非難。


 ユユも近くにきた魔物を蹴ったりとかがんばっていたのだ。

 ダメージになってるようには見えなかったけど、すっごいがんばってた!

 おもいっきり褒めまくってあげないとな。





 ひとまず上空に退避して、コウメイと魔物とのバトルを皆で見学。

 しかし……これはひどい。ひどいとしか言いようが無い。



「一斉掃射!」


 コウメイの周囲に大量の連弩が現れ、豪雨のように矢を降らす。

 俺たちに群がっていた魔物は、その矢に貫かれ一斉に叩きおとされていく。


 逃げる暇もなく、ただただ墜落していく魔物達。

 これは戦闘ではない。蹂躙だ。

 青空に肉片が飛び散ることで描き出される、全く美しくない赤と青の見事なコントラスト。


 5秒くらいだろうか?連弩が消え、あっという間に静かになった。




「コウメイ……コレこのへんの陸地にいる生物、全滅してんの?」

「いえ。矢は地面に到達する前に全て消しております。もし高位の魔物が陸地にいた場合、無駄に刺激したくはないですから。といっても、魔物の死体が高位の魔物に落ちることはありえます。ご注意を」


 なるほどさすが天才軍師。考えてるねー。


 ちなみに、こんな魔法はない。

 神気を基にした、コウメイの特殊能力だ。



 一人で高火力を叩き出す天才軍師とか反則だよな。

 歴史シミュでもスーパー武将って言い切れる諸葛孔明。そんな人がさらに異世界とんでも能力持てばここまで凄くなるのか。


 俺はあまりコウメイを怒らせないようにしよう。と心に決めた。





 コウメイの発言でおわかりのとおり、戦った相手に高位の魔物はいない。

 サクラちゃんの便利道具パートツー【神気レーダー】(本人がこう言ってた)の反応をみながら、ヤバイ奴がいそうな場所は避けて移動している。


 だが、このレーダーが"完全なもの"とは限らないだろう。


 もちろんできる限りの実験はして、ちゃんと機能していることは確認済み。

 でもさ、レーダーで捉えられない条件・レーダーの探知を避ける技術・能力なんかも考えないとな。



 こんな感じで魔物が大量の場合はコウメイが殲滅。

 少数の場合は俺が素材回収を含めて討伐。


 この方針で山を越え、大量の素材と、ほどほどの神気がはいった。





「でさ、そろそろ日が暮れるけどどうするよ?ナイトアイ(暗視魔法)つかってこのまま移動する?」

「夜間は魔物の動きが激しいといいます。ゲート設置して拠点に戻りますか?」


 わざわざ戻ってもなぁ。食事も必要ないし……あ!


「そういえばさ、俺たちって睡眠必要なのか?」

「一般人とくらべれば不眠不休で活動できる時間は長いわ。けど、ずっとっていうのは肉体ももちろん、精神的にも無理よ」


 そういうことなら夜は普通に寝るべきか。


 ゲートの設置・回収は所有者権限もちであれば何度でもできる。

 よし。ゲート設置場所探して日が落ちるまでに帰還だな。




 ちなみにこのゲートはワンセットで意味をもつタイプ。

 一つのゲートから複数のゲートにリンクして、どこに行くのか選べるタイプではない。

 それでも充分すぎるありがたさだけどな。


 ゲート設置場所決めるにあたっての問題は、ゲートは俺たちだけが通れるってわけじゃないことか。

 それこそ誰でも通れる……ん? 誰でも?


「なあサクラ、屋敷に魔物は入れないんだよな? ゲートを通って魔物が侵入したらどうなるんだ?」

「そもそも通れないわね。ゲートの行き先が侵入不可の場合は、ゲートはただの置物よ」


「それは助かるな。ということは人か動物がこなければいいわけか」

「そういうことね」


 ありがたいが、人族なら通れるってのは厄介か。

 変に急いで人里目指すより、そのへんに設置するほうがよさそうだな。


「でしたらご主君。洞窟でもさがして。入り口を塞げばいいでしょう」

「そうだね。それが無難かな」




 よし。洞窟探しといきますか!

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