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私的徒然草  作者: 半信半疑
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097 小豆 に ついて

「小豆」と書いて「あずき」と読む(「しょうず」とも読むらしいが、ほとんどの人が「あずき」と読むだろう)。昔から気になっていたが、何で「あずき」なんだろうね。漢字は、まぁ、見た目そのままを表したんだろうとは思うけれど、「あずき」という読み方は、難読の部類に入ると思う。そのままを表した言葉ではない気がする。無理にそう読んでいるだけか。中二病のルビのようなものかもしれない。「煉獄炎」と書いて「ヘルファイア」と読んじゃうタイプなのかな。いや、そういうものとごっちゃにしてはいけないか。


 語源を調べると諸説あって、はっきりと断言はできない。どうも三つの説があるらしい。


 一つ目は、『養生訓ようじょうくん』で有名な江戸時代の学者、貝原益軒さんの説。アは赤色、ツキ・ズキは溶けるという意味で、赤くて、他の豆よりも早く柔らかくなることから、アズキと呼ぶようになったとの説だ。私にはいまいちピンと来なかった。というのは、「ア」と「ツキ・ズキ」と語の解釈が腑に落ちなかったからである。今の使い方に慣れていると、昔の使い方に対して素直に頷けないことが多い。「ア」は「亜」とか「阿」しか連想できないし、「ツキ・ズキ」は溶けるというよりも痛みを感じる。「ズキ」が痛みの音を表しているように思えてならない。


 二つ目は、アズ、アヅは「崖崩れ」、「崩れやすい所」の意味で、他の豆と比べて煮崩れしやすいことから、アズキという名がついたとの説。この場合、真っ先に思うのは「キ」はどこから来たのかということである。他の豆と比べて煮崩れしやすいというのは、一つ目の説に通ずるところがあるので良いとしても、「キ」の出どころがはっきりとしていないのは何だか気持ち悪い。「アズ、アヅ」の意味は『地方用語語源辞典』というものに載っているらしいが、不思議な言葉だ。


 三つ目は、阿加阿都岐あかあつきという名が阿豆岐あずき阿加阿豆岐あかあずきとなり、それが赤小豆、赤豆などとも書き、最終的に赤粒木あかつぶきからあずきになったという説。平安時代の書物『本草和名ほんぞうわみょう』に阿加阿都岐あかあつきという名が載っていたらしい。当て字のようだが、時が進んで江戸時代に「豆」という字が登場するので、少しずつ現在に近づいているのは面白い。


 どれが本当なのかというのは分からないが、様々な場所で単語が生まれてきたかのような印象を受けるのは、私だけだろうか。言葉なんて、とどのつまりは多くの人が使うようになることで認知され統一されていくものだから、いろんな場所に語源があっても間違いじゃないと思う。ただ、そうすると、それぞれの場所で生まれた言葉に似たような考えがあるのは面白い。名前を付けるものそれ自体が同じであれば、似たような感じになるのは当然かもしれないが…。


 少し話題を変えて。


 小豆には、こしあんと粒あんがある。これは好みが分かれてくるものだ。こしあん派と粒あん派の争いは、きのこたけのこ論争と似たようなものを感じる。言っても、あちらほど激しいものではないと思うが…。こしあんはしっとりとした食感が楽しめる。粒あんは豆の形が残っているので、こしあんとはまた違った感じ。私はどちらも好きだ。だが、あえて好みを言うならば、たい焼きはこしあんで、あんぱんは粒あんの方が良いかな。たい焼きは外の皮にカリサクがあるので、中しっとりでも楽しめるから。反対にあんぱんは、ぱんにしっとり感があるので、中のあんこを粒あんにすると豆の食感を楽しめる。


 おしるこにも小豆が使われているが、あれは粒入りがほとんどだ。こしあんのみというのはあまり口にした記憶がない。夏場に食べるのはおかしいが、冬場のおしるこというのは結構おいしい。あのあったかい甘みは至福である。缶に入ったおしるこは食べたことがないが、あの名物缶は一度食べてみたい。コーンスープの缶は飲んだことがあるが、コーンの粒が食べにくい。たまに缶の飲み口に挟まって飲み込めない。おしるこの缶にも似たようなことが無いのを祈る。


 語源は初めて知ったことばかりで興味深かった。個人的には三つ目の説を推す。根拠はないけれど。

 調理法に関する話題はただの好みの話になったが、各自の好みと比較して楽しんでほしい。ここで挙げていない食品でも、好みを考えてみると面白いかもしれない。

 以上、甘いもの好きによる小豆の話でした。内容は深くないけれどね。


参考サイト

・橋本食料工業株式会社、橋本フーズ株式会社 >原料『小豆』>2.「小豆」の語源

http://www.hashimoto-foods.co.jp/azuki/

・豆類協会 >豆の種類>豆の種類別特徴>あずき(総論)

http://www.mame.or.jp/syurui/syurui_01.html

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