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私的徒然草  作者: 半信半疑
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008 カッパ に ついて

 雨具のことである。これについては一家言あると思っている。まぁ知識は浅いものだが…。

 時に、皆さんは合羽を着て自転車に乗ったことがあるだろうか。おそらく一度はあるはず。

 まさか傘さし運転などしてはいないだろうね。

 

 さて今回は合羽について不満と愚痴を書き連ねようと思う。  

 それはもう、経験を交えて色々と。


 まずは合羽がどういうものか把握しましょう。把握って言い方は堅いですね。

 考えてみましょう。

 語源はご存知ですか? 引用文で紹介しときます。 



◯合羽

 外套の一種。もとはポルトガル語のcapaで、キリシタンの僧侶の法衣など、長くゆったりしたマント状の外套のこと。安土桃山時代ごろにこれをまねたものが作られるようになった。明治時代以降は防寒用のものはマントと呼ばれ、カッパは雨具を指すようになった。「合羽」と書くのは当て字。

―出典:『身近なことばの語源辞典』衣類・美容の項目p43 西谷裕子 2009年 小学館



 合羽は当て字、それゆえサブタイトルもカタカナにしてみた。私は「カッパ」だと妖怪の河童を思い出す。というか、連想する。皆さんはどうですかね。

「もとはマントとカッパが同列に扱われていた」というような書き方だったが、実際のところどうなんだろう。今ではもうそんなことは思われていないかもしれない。合羽は雨の日に着るものと言う認識が広まったからだと個人的に思っている。


 さて、そんな合羽について語るわけだが、正直私は合羽に良い思い出が無い。良い思い出など合羽に求めるのもアレな話かもしれないが、無いものは無い。無いったら無い。よしんばあったとしても幻想だ。誰か幻想殺しを連れてこい。キュインと消し去ってくれるだろう。


 冗談はここまでにして、思い出を語ろう。

 私が住んでいる地域は、中学生になると自転車登校が許される。雨の日、私は合羽を着用して登校する。私の家から学校までは自転車で十分もかからない。割と近くに住んでいた。だから、中が蒸れるようなことも無かったが、その代わりに不都合は存在した。顔が濡れるのである。いや、透明なバイザーのようなものは付いているんだが、如何せん濡れる。覆っていない部分から「こんにちわ」と侵入してくる。驚きの気安さ。もっと慎みを持て。おかげで口元が濡れるじゃあないか。


 高校に通うことになっても不都合は続く。私が通っていた高校は家から自転車で三十分ほど(とばせば二十五分まで短縮できた)。晴れの日も曇りの日も風の日も雨の日も、私は必死にペダルを漕いで通った。一回だけ、眠すぎて赤信号に気づかず、横断歩道許可音楽だけを頼りに横断歩道を渡ろうとして車に引かれそうになったことがあるが(晴れの日だった)、さておき。例にもれず、雨の日も合羽を着て通学したわけだが、三十分も着ていると、蒸れる。雨水を凌ぐどころではない。敵は内に潜んでいやがった。プラス顔全体に訪れる侵入者たち。学校指定のローファーも濡れそぼっている。もはや私の安寧は失われてしまった。


 大学のことは語るまでもないだろう。あぁ、しかし。皆が気になる傘さし運転だが、私は一度試したことがある(とある敷地内で)。利き手で傘を握り、もう片方で自転車のハンドルを持つ。確かに蒸れもしないし、顔は濡れない。進行方向から向かってくる雨水を防ぐからな。熱も閉じ込めないし。

 しかし、足元は濡れる。「ここ濡れていませんね、濡らしときますよ」と余計な親切を押し付けてくれる雨水には、正直、殺意が湧いた。何処まで行っても、雨を完全に防ぐことはできないのか。


 何なんだ、合羽って。雨を防いでくれるんじゃないのかよ。傘にはそこまで期待していないけれど、お前はもっと頑張れよ。

 顔面に特攻をかけてくる奴らや、裾から不当に侵入してくる奴らから私を守ってくれよ。

 風邪ひきたくないんだよ。顔に塗ってる保湿液を落としたくないんだよ。こちとら乾燥肌なんだぞ。


 次世代の合羽には期待している。体全体を覆いつくして雨風を防ぐだけでなく、蒸れからも解放し、なおかつ周りの安全を確認できる素晴らしいものになってほしい。

 切に願う。濡れるという悲劇を人類は繰り返してはいけない。


 要するに今回の話は、合羽への愚痴と改善の要求です。大げさに書いている所もありますが、概ね事実、偽らざる本心です。

 次世代型耐雨装甲、「合羽・極」の発表を心待ちにしています。


早く誰か作るんだ(切実)。

私にはもう、強制的に着なければならないような理由は無いけれど。

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