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私的徒然草  作者: 半信半疑
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057 変身 に ついて

「シャバドゥビダッチ変身~」ってフレーズが、ずっとリフレインしている。

 もしも何かに変身できるのなら、何になりたいか。小学生の頃はよく「鳥」になりたいと考えていた。当時朝早くから学校に行かなければならなかったので(日直ではない)、鳥になれたら学校までひとっとびだ、などと考えていた。その後、『鋼の錬金術師』のエドとアルの会話で「鳥は飛ぶために体を常に軽くする必要があるので、飛んでいる最中にも◯◯を垂れ流す」という話を読んで、鳥になりたいと思うことは少なくなった。


 まぁでも、移動時間が短縮できたならって誰でも考えるよね。私の家から歩いて十五分の所に小学校があったが、少しでもゆっくりするために走って学校へ向かっていたのは良い思い出だ。荷物が多い日に、ランドセルを背負うのが辛くなったこともあるけど。


 今でもたまに、鳥になりたいと思うことはある。移動の為ではなく、空を飛ぶ為に。空の上から地上を見下ろしたいのだ。遠くの景色を見るのは好きだから、それが上空からであっても楽しいだろう。家々が豆粒ほどの大きさになる高さまで飛んでみたい。きっと気持ちいいだろう。


 別に、人を見下みくだしたいとか、そういうんじゃないんだからね! いや、本当にそういうんじゃないんだよ? ただ、見下ろしたいだけなんだ。


 鳥以外で変身できるとして、ウルト◯マンや◯面ライダーになりたいと思ったことは、無かったと思う。少なくとも私は覚えていない。記憶を抹消している可能性もあるが、覚えてない(記憶にございません)。そこまで憧れることは無かったように思う。カッコいいとは思ったけれど。というか、当時は◯ジャ魔女の方にはまっていたから、ウルトラや仮面には、そんなに興味が無かったなぁ。赤ん坊を育てる少女アニメとか本当に希少だった。今再放送しても人気出るんじゃないかな。再放送、してほしいな。


 そういえば。両者(ウルトラと仮面)は人から変身して成るわけだが、掛け声というか、そういうのが気になったことがあった。「ジョワッ」とか「ショワッチ」とか、あと「変身!」とか。話を盛り上げるための演出であるだろうとは思うけど、当時はそんなこと考えなかったなぁ。純粋に楽しんで見ていた頃が懐かしい。


「何故、変身中に敵は攻撃してこないのか」という疑問に対して、「変身中は時の流れがゆっくりなんだ」という解答を今思いついたが、実際のところはどうなんだろう。「そんな卑怯な真似はしない」とかいう理由だったら一気に敵役を好きになりそうだ。まぁ、どんな理由であっても、製作者側は設定を考えるのが大変なことには違いない。


 付け加えて考えたいのは、「役者さんにとって、そういう変身シーンは心がオドルものなんだろうか」ということ。じゃないと照れが入ると思うんですよ。自分基準で考えているということは承知しているけれど、ポーズとか決めている最中に「俺何やっているんだろう…」とか考えるはず。変身願望が薄まった大人がやるには些かハードルが高すぎる気がする。


 鳥を除いて、ウルト◯マンや◯面ライダー、それと◯ジャ魔女(ついでに◯リキュア)は元の姿に戻れるからまだいい方だよね。ウルトラは時間制限で解けるし。戻れなかったら悲惨なことになる。想像してみてほしい。元に戻れず日常を過ごしていると、知り合いがこう言ってくるのだ。


「何その恰好…、ちょっと…変だね」


 しかも、目が本気で、口元が強張っているときた日には…。あぁ、考えるだけで恐ろしい。そんな目には遭いたくないものだ。


「そんな目」で思い浮かぶこと。

 起きたら巨大な虫になってしまっていた男の話を読んだのは、中学生の頃だったか、それとも高校生の頃だったか。どちらにせよ、何とも後味の悪い思いをしたことだけは確かに覚えている。人の形からかけ離れた異形の姿は、誰にもさらすことはできないだろうし、相談もできないだろう。自分がもしもそんな風に変身してしまったなら、しかも元に戻ることができないとしたら…。


 醜い体を上手く動かすこともできずにただただ生きる日々は辛すぎる。なまじ思考できるので余計に辛いだろう。考えることもできないほどであったなら、あんなに苦しむことも無かったかもしれない。


 外見が急に変わることはないだろうが、中身は急に変わることがある。「鬼に金棒」「鬼の居ぬ間に洗濯」「鬼の霍乱」「鬼の目にも涙」というように、人はしばしば鬼に例えられる。気づかぬうちに鬼へと変身しているかもしれない。鬼の方が巨大な虫よりマシかどうかは、分からないけれど。


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