040 漬け物 に ついて
「漬物」と「漬け物」、二種類の表記があったが、漢字だけだと目が滑りそうだったので今回のエッセイでは「漬け物」を採用しています。
※全日本漬物協同組合連合会は「漬物」表記だったので、そのまま載せています。
諸君、私は漬け物が好きだ。
諸君、私は漬け物がそれとなく好きだ。
諸君、私は漬け物がそこはかとなく好きだ。
…………。
某漫画の少佐みたいな演説をしようとしたが、私には無理だった。まぁ、漬け物にそこまでの迫力を求めることが間違っているのかもしれないが。漬け物は、ささやかな主役であるのでね。自ら前面に立とうとはしないタイプなのだよ。
皆さんは漬け物は好きだろうか。私は最初にも言ったけれど、好きだ。味がほんのりついたものが特に。勿論、しっかりつけた漬け物も、それはそれで良いものだがな。塩分がちょっと、ね、心配になってくるお年頃だから。仕方ないね。でも、好きな気持ちは濃いままだぞ。
誰もが知っている漬け物といえば、たくあんだ。あの黄色い見た目は、一度見たら忘れないだろう。白飯のお供によく食べられている漬け物の代表格である。何といってもぽりぽりとした食感が良い。食べごたえもあるし、耳にも心地良い。一切れ食べるともう一切れ、箸が自然とつまんでいること間違いなしの漬け物だ。いや、さすがに言い過ぎかもしれないが、まぁ、おいしいことには変わりない。
たくあん以外でいえば、キャベツやキュウリの浅漬けも美味しいと思う。浅漬けは、調味液に短時間漬けることでできた漬け物のことを言う。あっさりとした味わいが特徴で、しつこくなく、いくらでも食べ続けることができる。他のおかずの主張を邪魔することなく、むしろ引き立てている浅漬けは、たくあんに並んで頻繁に食べられている漬け物だろう。スーパーなどで売られている浅漬けの素によって簡単に作ることができるのも人気の理由の一つだと思う。お手軽にすぐ作れるし、非常に便利だ。
ところで、梅干しも漬け物だが、あまり漬け物って感じがしない。多分、私の中でたくあんのイメージが強すぎるせいだろう。それに名前も原因の一つに違いない。梅「干し」だからね。「漬け」がつかないだけでそこまでと思われるかもしれないが、名前は大事だと思うのだ。人間でいうところの顔に近いものだから。
ほら、「名は体を表す」とも言うでしょう? それに味が酸っぱいことも漬け物から離れている原因かも。いや、キムチも酸っぱいものに分類されるのだろうけれど、あれはまた梅干しとは違う酸っぱさじゃない? 違う? とにかく、仄かに辛みを感じさせる酸っぱさのような気がする。
それに対して、酸っぱさの代表格であるところの梅干しは、もはや、「梅干し」というカテゴリーに分類されているに違いないと思うんだよ。勝手な感想かもしれないけれど。
たくあん・浅漬け・梅干しと挙げたけれど、漬け物はどういう歴史を辿ってきたんだろうって思って、少し調べた。全日本漬物協同組合連合会によると、日本で最初に書物等に現れたのは、八世紀ごろ。平城宮から発掘された木簡に「須々保利、楡木〈ニラギ〉、滓漬」の文字が書かれていたという(須々保利、楡木〈ニラギ〉は現存しない漬け物だって。詳しくは参考サイトをチェック)。他にも『菁一圍別塩三合』『瓜一百果別塩二升』というものにも漬け物に関する文章があるらしい。きちんと書き残されているのだなと思いながら、私はサイトを閲覧した。
最近は既に作られている漬け物ばかりで、家ごとに作る漬け物というのも減ってきた(浅漬けの素みたいなものがでているけれども、本格的なものは…)。工業化が進んだことが原因の一つだろうが、より便利な物を、と求めているうちに生活スタイルが変わってきたことも影響しているのだろう。セブンで11なコンビニに売られている漬け物は美味しいけれども、それぞれの家庭で作られるものも、無くさずに大切にしてほしいと思う。
昔は、正直苦手だった漬け物だけれど、今では結構食べられるようになった。野菜は普通に食べていたけれども、漬けたやつには少し苦手意識があったみたい。そんな私も月日を経て成長したのだ(漬け物が食べられることが成長したことになるのかは、さておき)。
ふりかけもいいけれど、これからは漬け物をお供に白ご飯を食べようかと思った、今日この頃でした。
参考サイト
・漬物ポータルサイト
http://www.tsukemono-japan.org/index.html




