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私的徒然草  作者: 半信半疑
110/117

110 角 に ついて

 最初、「角」の文字を見た皆さんはどう読んだのか、気になる。おそらく、「かど」と読んだ人がほとんどだろう(タンスの角に、足の小指を…)。それでも、「すみ」と読んだ人がいる可能性は否定できない。別に、「こう呼んでほしい」という希望はないので、お好きなように。


「角」という文字が気になったのは、俵万智さんの『あなたと読む恋の歌百首』の中の、角倉羊子さんの短歌を読んでいた時だ。より正確には、「角倉」という名字を目にした時。短歌を読んだ後、作者の人が気になったので名前を見て、これはどう読むのだろうと思ったのだった。簡単な人物紹介文を読むと、「すみくら・ようこ」と読むらしい。


 私は初め、「かどくら・ようこ」と読んでしまった。今まで出会った人の名字を思い返してみると、「角」の一文字で「すみ」と読む人ならいた。一文字なら「すみ」で違和感はなかった。しかし、「すみくら」さんは二文字で「角倉」だ。


 読み方は、土地柄だったり名字を持つまでの過程が意味を持っていたりするので、「すみくら」と読んでも何ら不思議ではない。ただ、私が気になっただけの話だ。「すみくら」だと、脳裏に「隅」がチラついただけのことである。私にとって「角」は、「隅」というよりも先端のイメージが強くて、「むしろ中心に躍り出ているじゃないか」と思ったのだ。まぁ、「かど」もどちらかと言えば、「隅」なんだけど。


 角倉羊子さんの短歌と俵万智さんのエッセイを読み終わった後、パソコンで「角」と入力した。私はその段階で既に、動物のつのが無性に見たくなっていた。かどのことは頭から消えて、立派なつのを見たかった。検索結果が出た後、一つのサイトが気になったので、覗いてみることにした。


 そこには、10種類くらいの動物の画像があった。つまり、10種類のつのがあったということ。どれも素晴らしい角だった。頭部から生えた雄々しい角たちは、いずれも美しく、それでいて力強さを感じさせた。まぁ、中には細い角もあったけれど。ポキリと折れてしまうんじゃないかと思ったのは嘘じゃない。しかし、脆さもあったが、その角を生やした動物の顔を見て、「やっぱり堅そう」と思い直したのも本当だ。


 10種類の中で、私が一番気に入ったのは、ムフロンの角だ。頭頂部辺りから生えて、内側にカールしているその角は、とても立派である(ご立派ぁ!<杉田さんボイス>)。角の表面には、鱗が重なったような模様が付いていて、思わず、撫でた時の感触を想像した。恍惚とまでは言わないけれど、癖になるかもしれないと思った。そして、部屋に飾りたいな、とも。


 とはいえ、件の角を入手することは難しいだろう。潔く諦めて、見て楽しむことにする。角が欲しいからと言って、乱獲などすべきでないだろう。しかし、同サイト紹介文のマーコールという動物は、角目当ての狩りが行われたためにその数がごく少数になっているらしい。彼の動物の角は大変立派な螺旋をえがき、その長さは152㎝にもなるそうだ。欲しがる者が多かったのだろうが、見るだけでは満足できなかったのか。


 こういう絶滅しそうな動物の話を見たり聞いたりする度に、人の欲望の果てしなさを考えている気がする。食べるため・生きるために狩るのは、仕方のないことかもしれない。けれど、角が欲しいからと狩ってしまうのは、ただのエゴだ。いや、食べるためというのも結局はエゴなのかもしれないが、何というか、動機の重みが違うというか…。必要に駆られた、切羽詰まった理由があるのならともかく、しなくてもいいことだった場合は、罪深さを感じるのだ。


 求めることは悪いことばかりではないけれど、手にした後の状況を想像した後、それが良くない場合は控えるべきだろう。「すみ」と「かど」の話から「つの」にまで及んだ今回は、そんな風なことを考えて終わることにする。

<(角とは関係ないので、完全なる)蛇足>

 某初号機パイロットの彼が求めた結果(映画版)は、悲惨な結果になってしまった。がしかし、あれは彼ばかりが悪いわけではないと思う。というか、グラサンが悪い。でも、気持ちは分かるような気がする。

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